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廣島 武 X 保阪 薫
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2008年08月12日

「一つの籠に卵を盛るな」

前回は長期投資の重要性に触れましたが、もう一つの重要な投資の原則が「分散投資」です。

株式市場では古今東西問わず様々な格言がありますが、米国には、「一つの籠に卵を盛るな」という格言があります。
朝、鶏小屋に行き産みたての卵を家まで持って帰る際、卵を一つの籠に全て盛っていこうとすると、1回で運べば済むため、手間は少ないですが、もし途中で石にでも躓いて転べば、多くの卵を割ってしまいます。

これに対し、面倒でも数回に分けて運べば、毎回転ぶ確率は極めて低いため、結果的には安定的に低リスクで卵を運ぶことができるわけです。

リスクという言葉を使いましたが、若干説明をしておきます。

ここでいうリスクとは、単に危険であるとか、損失の可能性という意味ではなく、「予想されるリターンからどれくらいブレるか?」という意味です。
例えば銀行の定期預金の利率が仮に0.5%だとしましょう。
銀行は預金者に「1年後に0.5%の金利をつけてお返しします。」という約束をしているわけですが、1年後の利息は0.5%以上でもなければ0.5%以下でもありません。この状態が「ノー・リスク」です。

これに対し、株式にはリスクがあります。
前回のコラムでアメリカの長期投資のリターンが約7%と書きましたが、それに対するリスクは保有期間5年で約7%。10年では5%、20年で3%、30年で2%弱となっています。「ノー・リスク」ではないため、常に7%のリターンを期待できるわけではありませんが、逆に7%を上回るリターンを獲得する可能性もあるわけです。つまり、『期待リターン』±『リスク』=『実際に得られるリターン』となります。
簡単に言うと、「投資期間10年、期待リターン7%、リスク5%」であれば、かなり高い確率で「12%〜2%」のリターンを得ることができると考えられます。

このように、「ノー・リスク」の場合は、期待リターンを下回ることもない代わりに、上回ることもないのに対し、「リスクのある」株式の場合は、長期の期待リターンを下回ることもある代わりに、それを大きく上回ることもあるわけです。加えて言うなら、保有期間が長くなればなるほどリスクも小さくなるというのも、株式投資の大きな特徴といえるでしょう。

こうした関係を「ノーリスク・ノーリターン」、「ローリスク・ローリターン」、「ミドルリスク・ミドルリターン」、「ハイリスク・ハイリターン」といいます。リスクを取ってこそリターンを得ることができるわけで、格言で言うなら「虎穴に入らずんば虎児を得ず」となりますね。

この関係を無視した「ノーリスク・ハイリターン」などという、所謂うまい話はこの世の中には存在し得ないのですが、毎年1回はいろいろな手口の詐欺事件が話題になります。低金利の時代が続いているからでしょうが、注意が必要です。うまい話には裏があると考えて、しっかり調べた上での判断が不可欠です。

「卵」から少し外れてしまいましたが、リスクという概念を「ブレ」と捉えると、分散投資も理解しやすいでしょう。

例えば、ある投資家が、ある企業を研究し、マーケットの大きさ、技術力、経営者の質などから大変魅力あると考えました。そしてその1銘柄だけに投資を行った場合、当初の思惑通り進めば大きなリターンを得ることができるでしょうが、ライバル企業の出現、代替技術の登場などで成長が阻害され、大きなマイナスリターンとなることもあり、極めて大きな「ブレ」となってしまいます。

そうではなくて、複数銘柄に分散して投資すれば、「ブレ」を小さくして集中投資よりも安定的なリターンを期待することができるわけです。通常、30銘柄程度を保有すればリスクは大きく低減できるといわれています。(ただし、市場リスクといわれる、株式市場全体に関係するブレは消し去ることはできません。)
また、注意しなければいけないのは、同じような動きをする銘柄を複数保有しても意味がないということです。同じような事業内容のIT関連企業を保有することは分散投資になりません。

個人投資家の皆さんが、だれもが30−50銘柄を保有することは現実的には難しいかもしれませんが、「自分で応援する企業への投資」と「投資信託による分散投資」を組み合わせることなども、一つの方法だと思います。
前回も書きましたが、
「長期的に利益成長が期待できる企業を発掘し、分散投資でリスクを低減させ、長期間のスタンスで投資をする。」
この投資の王道を是非検討してみてください。

(ノーリスクについて)
前述の卵の話ですが、ノーリスクで卵を運ぶにはどうすべきでしょうか?
いろいろな手法があるかもしれませんが、一つは「他人に運ぶのを任せて、運ぶ個数を保証させる事」です。ただその場合、任せられた人はそのリスクを引き受けたわけですから、それ相応のコストがかかります。
銀行預金の場合、預けたお金が銀行経由で様々な対象に投資され、そのリターンから銀行の経営にかかわるコストが引かれた上で、利子が支払われます。「どんな投資がなされているか不明瞭」、「長引く低金利」などを考えると、ノーリスクのためのトータル・コストは結構大きいのかもしれません。

参考文献:「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」ジェレミー・シーゲル著/林康史監訳/藤野隆太監訳/石川由美子訳/鍋井里依 訳:日経BP社

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : 保阪 薫 | 20:09 | コメント (0)

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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