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廣島 武 X 保阪 薫
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2010年04月27日

「IFRS」について:個人投資家はどう行動すべきか?

「IFRS」が採用された場合、個人投資家はどのようなことを考え、行動するべきなのでしょうか?


前回申上げたように、「IFRS」導入によって企業経営者は、自社の資産価値を変動させる様々な要因を的確に把握すると共に、その要因をどうコントロールしていくかを投資家に説明しなければなりません。
従来以上に、自社を取巻く環境(経済、事業、市場)の現在と将来を見通す力が要求されます。


また、期間損益計算重視から資産価値重視になるということで、リスクコントロールを行いながらバランスシートを拡大させていく経営戦略も重要になります。その点で重要なのが「見えない資産」の活性化です。

顧客、従業員、ノウハウ、ブランドといった目には見えないけれどもその企業にとって大きな強みや特徴である資産を明確に認識し、その資産をどのようにして活性化していくかの道筋を株主・投資家に対し分かりやすく、明確に示すことが経営者の大変重要な役割になることでしょう。


以上のように、経営における「攻め:見えない資産を活性化しての成長戦略」と「守り:リスクの認識とコントロールおよび説明責任」の両面においてより一層訴求力を高めることが求められるわけです。
そしてこれは結果的に、企業間における「経営の質」の優劣がより鮮明になっていくことにつながると考えられます。


こうした状況は企業経営者にとっては、なかなか大変で苦労も増えることになりそうですが、個人投資家にとっては大きなプラスとなるのかもしれません。

確かに、リスク開示がより徹底されるため、注記のボリュームは従来をはるかに上回るとも言われていますので、それを全て読み込んで理解するのは時間も手間もかかることになるでしょう。
しかし、本当に個人投資家に理解してもらいたいと考える経営者であれば、その情報もわかりやすく開示する工夫を行うでしょうし、「成長戦略」に関しても同様に個人投資家の目線に立って自社を理解してくれるようなアピールの仕方を考えるでしょう。


ですから、個人投資家の皆さんは、繰り返しになりますが、多くの企業を様々なIRツールを通じて比較することに力を入れて欲しいと思います。


そうした中で、「あの企業は信頼できそうだ。」とか「あの社長の言うことなら応援してあげたいな。」といった企業との出会いが生まれてくるのではないかと思います。
そういう意味では「IFRS」の導入は、「応援投資」という考え方がより多くの個人投資家に方々に浸透していくきっかけになるのかもしれないと考えています。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 17:13 | コメント (0)

2010年04月08日

「IFRS」について(続き)

前回「IFRS」採用による影響の一つとして、「損益計算重視から資産・負債重視へ」というポイントをあげました。
その他包括利益という概念の導入により、本業の利益に加えて保有株式の価格変動や、為為替換算差額、退職給付会計における過去勤務債務なども反映することがIFRSの大きな目的です。

つまり、営業利益や経常利益といった「期間利益」よりも、資産・負債の時価を勘案した「現時点での企業の価値はいくらなのか?」を明示することを重視する会計方針です。


企業の実態をより明確に反映するという目的のために、従来採用されていた商習慣・会計慣行なども変更されるケースがでてきます。


例えば、売上高の認識。
百貨店などでは一般的に、店頭に並んだ商品が実際に顧客に販売されるまでは在庫はメーカーや仕入先のもので、販売された時点で百貨店が仕入れ伝票を切り、売上計上するという「消化仕入」という取引が行われてきましたが、実際の在庫リスクは仕入先が負っているために、IFRSでは、百貨店は従来の「売上 マイナス 仕入」の差額を手数料として売上計上しなくてはならなくなるといわれています。
これは販売やサービスの提供を実質的に本人が行っているのか、それとも他人が実質的に販売やサービスの提供を行っており本人は代理店として指示などを行っただけなのかを厳格に判断するものです。IFRS採用の結果、これまでに比べると売上高は減少するわけで、小売、商社、ゼネコンなどの業種でこうした影響が出てくるものと思われます。


また、他に大きく変わる点としてはM&A時の「のれん」の取扱いがあります。
企業がM&Aを行った際、被買収企業の実際の価値と買収企業が支払った買収価額との差額(買収価額>実際の価額)を「のれん」といいますが、現在の日本基準ではこの「のれん」を20年間で均等に償却することとしています。これに対しIFRSでは償却はせず、毎期被買収企業の実態をテストし、継続的に利益を生み出せない見通しであれば減損処理を行うこととなります。のれん償却の負担減少は利益を押し上げることとなり、M&Aは従来以上に活発となることが予想されます。


これ以外にも、リース会計、退職給付会計など多くの点でIFRS基準への移行によるインパクトが出てくることが予想されますが、企業経営、投資家にはどんな影響がでてくるのでしょうか?


まずは企業経営について。

ポイントは先程触れた「現時点での企業の価値はいくらなのか?」ということです。
つまり、極端に言えば、企業経営者は自社の資産・負債を全て時価で評価することを義務付けられ、企業の経済的実態をより明らかにすることが強く望まれます。そのために財務諸表の本体以外に、定量的及び定性的な注記をしっかりと記述しなければなりません。(IFRS基準による注記のボリュームは、現在の日本基準と比べ2,3倍になるともいわれています。)

いいかえれば、企業の資産価値を変動させる様々な要因を的確に把握すると共に、その要因をどうコントロールしていくかを投資家に説明しなければなりません。
従来以上に、自社を取巻く環境(経済、事業、市場)の現在と将来を見通す力が要求されます。
つまり企業間における「経営の質」の優劣がより明確になっていくことが予想されます。


そうした中で、投資家(特に個人投資家)はどんなことを考えていかなければならないのでしょうか?(次回に続く)

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : 保阪 | 19:18 | コメント (0)

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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