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廣島 武 X 保阪 薫
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2010年08月06日

「ゆうパック遅配問題」について

先月の話になりますが、「ゆうパック遅配問題」は、国内の宅配業界では珍しい、広範で大規模なトラブルになりました。もしかしたら、みなさんの中にも「せっかくのお中元が台無しになった」というような思いをされた方がいるかもしれません。

今回は、ゆうパック遅配問題やごく身近な体験を交えながら、民営化って何なのかや、投資家としてこの問題をどうとらえるか、考えていきたいと思います。


さて、この騒動について郵便事業会社は以下のような骨子の報告を行いました。

<郵便事業会社による遅配問題の説明>
◇遅配の主な原因
・ペリカン便との統合で従業員と施設も継承するため「特に大きな問題は発生しない」と考えた本社などの認識が甘かった。
・日本通運から引き継いだ、あて先別に仕分ける機器の使用の訓練が不足していた。
・トラブル時の手作業を想定した人やスペースが足りなかった。
・中元期に増える冷凍荷物のために借りた保管庫が狭かった。
・混乱の中で各支店の状況が正確に本社に伝わらず、対応に遅れが生じた。


◇主な対策
・要員配置の見直し
・集配拠点の管理者育成
・繁忙期の期間雇用社員を対象に区分機の訓練を実施
・集配拠点を模様替えして作業スペースを確保
・業務運行把握のための支店機能強化


郵便事業株式会社の社長を始めとした中心スタッフは旧郵政省のキャリアの方々ですから、原因を明確に浮き彫りにし、的確な対応策を講じることをうたった以上のような報告書作成はお手のものでしょう。ただ、「報告書の字面だけでなく本質的な改善に向けた動きが期待できるのか?」といえば、どうなのでしょうか?

原口総務相は今回の遅配を「郵政が抱える構造的問題だ」と指摘したようですが、私もちょうどこの7月に「ゆうパックってどうなの?」と強い疑問と憤りを感じる経験をしました。


ゴルフバッグを自宅近くのコンビニ(ファミリーマート)からゴルフ場に送る時のことです。
2月ほど前にも使ったので同様に店頭に持ち込むと、前回は「片道ですか? 往復ですか?」と尋ねられたのですが、今回は、「往復のみの取り扱いになります」とのこと。1か所のみのプレー予定でしたから問題なかったのですが、「利用者側の事情は全く無視」なんですね。


ゆうパックの事情か、ファミリーマートの事情かはわかりませんが、なんとも殿様商売の風です。
ゴルフ便の利用状況からすれば往復便を使用する人の方が圧倒的に多いと思われますから、「往復便のみ」としてもたいていの場合は問題はないのでしょう。
でも、わざわざ「往復のみ」と限定しなくてもよさそうなものです。

往路をゆうパックで送っても、復路ではヤマト運輸を使われたら1顧客当りの単価が下がりコストが回収できないとか、そういう発想なのかもしれません。
利用者の視点を欠いた大変違和感のある対応でした。

木曜日にバッグを送り、日曜日にプレーして帰る際、また問題が起きました。

帰りの手荷物を軽くするためゴルフシューズをゴルフバッグに入れて送るのですが、通常、ゆっくりお風呂に入ってさっぱりし、身支度を整えてからその作業に取り掛かるものです(少なくとも私はそういう風にしてきました)。

ところがプレーを終えてロッカールームに行こうとすると、郵便事業会社のスタッフから「5時に最終の集荷が終わるので早く出して欲しい」と言われたのです。またしても「そちらの事情」での対応!! 
これには唖然です。ゆっくり風呂に入っていては間に合いません。仕方ないので1回ロッカールームへ行って靴を履き替え、またロビーに戻ってバッグにシューズを入れました。バッグに配達用のカバーを掛けようとしたら、ゴルフ場のヤマト運輸の女性スタッフが「私がやっておきますよ」と代わりにやってくれました(私の不満そうな態度に同情してくれたのでしょうか、、、)。

その一方で郵便事業のスタッフは何事もないような態度。もう二度とゆうパックは使わないと思いました。
また、私の体験ではないのですが、ゴルフ便をゆうパックで出そうとしたら時間が遅かったらしく「プレイ日迄に届きません」と言われたので、ヤマト運輸に持って行ったら問題なく前日に到着したケースもあるそうです。

極端に言えば、「最初からゆうパックがゴルフ便など取扱わなければ不愉快な思いや迷惑を受けずに済んだ利用者がたくさんいる」という現状だと思います。


ご存知の通り、郵便事業株式会社は日本郵政株式会社の100%子会社で、日本郵政株式会社の株主は100%が財務大臣です。
民営化したとはいえ、名ばかりに見えます。
この株主構造が、ガバナンスの欠陥およびステークホルダーに対する意識の欠落に繋がっていると考えるのは飛躍しすぎでしょうか?


もちろん本当の意味で民営化すれば全ての問題が解決するわけではありませんし、それに伴って進める効率化によってかえってデメリットを受ける利用者がいることは想像できます。
また、真の民間企業に変身していくには相当の時間が必要であることも、JR各社の例などからも明らかです。


しかし、「株主の応援の下で企業が新たなイノベーションを実現し、豊かで明るい未来を創り出す」という応援投資の視点からは、現在の日本郵政は全くの落第企業です。

株主構成の多様化を通じて、利用者満足度の向上に向けた経営体制の構築が急務であり、それこそが真の民営化の目的ではないでしょうか?

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 2010年08月06日 09:46

コメント

返送が急ぎ出ないんであれば5時の最終集荷にのせないで風呂優先すればよいのでは?集荷担当者は5時の集荷にのせなければ他の荷物共々支店から出る運送便に間に合わないため(間に合わないとお約束の日数で届かないため)5時に最終の集荷が終わるので早く出して欲しい」といったのでしょう
民営化うんぬんではなく、どこかのネコみたいに金になる荷物だけ扱っていればいいのと違い、宅配統合の打ち合わせも、窓口会社とは名ばかりで業務の問い合わせを行ってくる特定局への説明も、選挙の立候補者への選挙郵便の差出の説明も同じ人が行っているような会社では到底ネコや飛脚には太刀打ちはできないでしょう。人がいなく他の業務の片手間で扱っていますから

投稿者 郵便 : 2010年08月11日 03:19

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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