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廣島 武 X 保阪 薫
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2010年10月28日

「責任投資原則」について

皆さんは、「責任投資原則」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?

これは、2006年に当時のアナン国連事務総長が金融業界に対して提唱した、投資の考え方、枠組みです。英語で「PRI」(Principles for Responsible Investment)とも表現されています。

グローバル化が急速に進行し、経済活動は国境や地域といったボーダーを越えた一体化が進んでいますが、一方で地球温暖化、食糧問題、生物多様性、水不足といった環境問題も世界レベルで問題視されるようになっています。


また先進国と途上国の経済格差の拡大による貧困層の存在も大きな課題として認識されています。


加えて、エンロン問題などのように、企業の暴走が結果として投資家にとどまらず、多くのステークホルダーに損失を与えたことから、コーポレートガバナンスの重要性も謳われるようになっています。

そうした中、環境や社会問題の存在は投資パフォーマンスに影響を及ぼすという見方が近年高まってきており、「SRI(社会責任投資)ファンド」、「環境ファンド」といった運用手法が世界的に拡大してきました。

しかし、国連では世界レベルでこうした問題を解決していくには、より明確な枠組みが不可欠であるとの認識に立って、「責任投資原則」を提唱することとしました。

アナン国連事務総長は2005年の初めに責任投資原則を作成するために、世界の大手機関投資家等に呼びかけを行い、世界12カ国から集った20の機関投資家をはじめ、投資コミュニティー、国際機関、政府機関、市民社会、学者達が、2005年4月から2006年1月までの間に協議会を開き、また、それに加え何百時間ものフォローアップ活動も行われ、最終的にこの責任投資原則を制定しました。


『責任投資原則においては、受託者責任を履行しようとする投資家は「ESG問題」に適切に配慮する必要がある。』と責任投資原則の事務局の一つである、は国連環境計画・金融イニシアティブ(United Nations Environment Programme Finance Initiative = UNEP FI)は述べています。


責任投資原則において最も重要なキーワードはこの「ESG問題」です。


これは、E=Environment(環境)、S=Social(社会)、G=corporate Governance(コーポレートガバナンス)の略で、この3つの課題解決という観点を機関投資家の意思決定プロセスに反映させ、長期的な収益向上と持続可能な社会を実現していくことを提唱しています。


責任投資原則は以下の6つ原則からなっています。
1.私たちは投資分析と意志決定のプロセスにESGの課題を組み込みます。

2.私たちは活動的な(株式)所有者になり、(株式の)所有方針と(株式の)所有慣習にESG問題を組み入れます。

3.私たちは、投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます。

4.私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行います。

5.私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します。

6.私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します。
(それぞれの原則には具体的な実施例があげられています。これについては機会を見て改めてご紹介していきます。)


この責任投資原則には2010年4月で、年金基金など203の最終投資家と387の運用機関が署名しているそうですが、同意・署名した機関投資家グループは、投資するだけでなく、積極的に企業評価を行っているようです。

一例として株式会社ニコンをあげておきます。
同社は今年4月、HPで以下のようなリリースを行っています。

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国連責任投資原則(PRI)への署名機関投資家グループがニコンをリーダー企業に選定
2010年4月22日

 株式会社ニコン(社長:苅谷道郎、東京都千代田区)は、企業・団体に向けた「人権」「労働基準」「環境」「腐敗防止」に関する自主行動の10原則である「国連グローバル・コンパクト」に2007年7月から参加しています。参加表明後は、ニコングループのCSR活動内容を報告したCSR報告書を毎年国連グローバル・コンパクト事務局に提出しており「Nikon CSR REPORT 2008」が「Notable COP(優れた活動報告)」として選定されています。

 このたび当社は「Principles for Responsible Investment(PRI:責任投資原則) 」に署名している機関投資家グループから、「Notable COP(優れた活動報告)」に認められた企業の中でも特に投資家に有用で良質な報告書を作成したとして、「Leaders」企業の1社に選定されました。PRIを重視する機関投資家グループは、2008年からこのような評価を開始しており、3回目となる今年度はニコンを含めた20カ国44社が「Leaders」企業として選定されています。

 ニコングループでは、今後も国連グローバル・コンパクトの10原則の実践に努めていくとともに、CSRを重視した透明性の高い、誠実な事業活動を行っていきます。

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このような動きは今後ますます活発になっていくでしょう。

「応援投資:企業と投資家が一緒に明るく豊かな未来を創り出していく。」を提唱している当社でも、このコラムなどで、責任投資原則、ESG問題について随時フォローしていきたいと思います。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 18:22 | コメント (0)

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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