ブリッジサロン
社長ブログ
廣島 武 X 保阪 薫
カレンダー
2012年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

« 2011年02月 | メイン | 2011年04月 »

2011年03月25日

「応援投資」で日本の復興を!!

まず初めに、この度の地震によってお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と1日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

あの惨状や被災された方々の様子を目にする度に胸がつぶれる思いですが、そうした悲しみを乗り越えて、再び日本が明るさを取り戻すために「株主」として何ができるか、何をすべきか、を考えてみたいと思います。


復興のためには10兆円以上の国債発行が必要との意見も聞かれます。
確かに国債による資金調達によって、国の強力なリーダーシップの下で復興計画を力強く推進させることは強く望まれます。大切な家族、家、財産を失った方々のためにも、住宅の確保、収入の補償、生活インフラの整備といった復興、再生に向けての極めてベーシックな部分をスピーディーに進めるには、やはり国が担っていくのが最善かと思います。

ただ、一方で今回の震災は様々な点で今までの日本の課題を浮き彫りにするとともに、日本人や日本というコミュニティが持つ優しさといったものも再認識させてくれました。

震災は大変悲しい出来事ですが、これを契機として課題を克服し、良さを更に伸ばしていく機会であるとも捉えることもできるのではないでしょうか。

そうした意味で時間はかかるかもしれませんが、日本が本当に再生するためには、やはり「企業」の持つ力に負うところが非常に大きいと考えます。


その「企業」が取り組むべきテーマはいくつもあると思いますが、思いつくままにあげてみます。


第1に、原発に対する不信感増大と、そうはいってもまた石油化学エネルギー依存に逆戻りすることに対する疑問との狭間で望まれるのは、太陽光発電などを含めた「新エネルギー開発のスピードアップ」です。

また、今回の事故で信頼が地に落ちた感のある東京電力ではありますが、例えばスマートグリッドを世界に先駆けて本格的に実用化するには電力会社の役割が極めて重要であることは不変ですし、それが実現すれば国民からの信用を取り戻すことも可能かもしれません(電力会社にそうした責任感、気概やチャレンジ精神が失われていないことを祈ります)。


第2に、「地方における雇用の創出」は東北地方に限らない日本全体の問題であり、もちろん国や地方公共団体の役割も重要ではありますが、やはり「企業」の成長こそが最大のキーワードであることは間違いありません。

「企業」ならではの柔軟な発想やニーズの発見、取り込みによって成長することで雇用が生まれ、地方経済を活性化させる道が望まれます(この点においては、Jリーグに代表される地域密着という視点がますますクローズアップされると思います)。

他にも、「安心安全な街創り・国創り」、「美術、音楽などを通じた心の豊穣」、「家族や身近なコミュニティの大切さ」なども日本が再生に向かうためにもう1度改めて考えてみるべき視点です。

その実現のためには「企業」の役割が大変大きいと思いますし、いうまでもありませんが、それを支援する様々なステークホルダー、中でも「応援投資」の視点を持った株主のサポートの存在が不可欠です。


国債を10兆円発行するべきとの意見も、その意図するところは理解できますが、日本が再生するためには依然として預貯金に偏重した1400兆円とも言われる個人金融資産が、再生をリードしていく「企業」に向けて動き出すことの方がより効果的で意味があることだと思います。


この流れを生み出すのは、税制や投資しやすい市場の整備といった証券市場の仕組みや制度によるところもあるでしょうが、やはり最も重要なのは「投資家の意識」です。

株式投資は命の次に大事なお金を投じているわけですから、自分のためにリターンを獲得することが第一義であることは疑いようもありません。

しかし、それだけではなく、日本が再生することは現在の自分だけではなく子供や孫の世代にとってこそより重要な課題であることを認識し、再生を担う「企業」を応援するという視点を是非持っていただきたいと思います。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 09:14 | コメント (0)

2011年03月10日

企業は様々な目的を持って資金調達を行うわけですが、株主にとってウェルカムな手法と、そうでないケースでは株価に大きな差が生じてしまいます。


前回のコラム「財務戦略は株主へのメッセージ」で、ヤマトホールディングス株式会社(ヤマトHD)のファイナンスを紹介しました。
その後、同社株価は、堅調に推移しています。

一方、ほぼ同時期に、ファイナンスを発表しながら、大きく売り込まれてしまった会社もあります。それぞれ、何がポイントだったのか見てみましょう。


ヤマトHDは、「リキャップCB」というファイナンス手法を使いました。
おさらいすると、「リキャップCB」とは、CB(転換社債)を発行するのとあわせて自社株買いを実施し、ROE(株主資本利益率)の向上と、EPS(1株当り利益)の増大を図り、投資家に対し魅力ある投資対象であるというメッセージを伝えるものです。


 メッセージは、株式市場にちゃんと伝わったでしょうか?

2月17日にこのファイナンス実施を発表した後の同社株価は、堅調に推移しています。
下のグラフは、過去1か月間の日経平均およびTOPIXに対する同社株の相対株価の推移を示したものです。
相対株価とは、あるスタート時点の両者の株価を100として、その後どちらの株価が優勢であるかを比較するものです。

Grapf110309-1-1.JPG


2月17日および3月9日の株価はそれぞれ以下のような水準でした。
2月17日の株価を100としてみます。

<2月17日終値>
ヤマトホールディングス     1315円(100)
日経平均         10836.64円(100)
TOPIX              974.14(100)

<3月9日終値>
ヤマトホールディングス     1314円(99.92)
日経平均         10589.50円(97.72)
TOPIX              944.29(96.94)


この期間、株式市場全体の指標である日経平均、TOPIXはともに原油価格の上昇の景気に対する影響を懸念して3%程度下落したものの、同社の株価はほぼ変わらずに推移しました。

原油価格の上昇は当然ながら運送業であるヤマトホールディングスの業績にも影響を与えます。
ところが、陸運業の同業種である(9062)日本通運株式会社や空運業の(9202)全日本空輸株式会社も加えた、ここ1か月間の相対株価を見ると同社の株価の堅調さがよりはっきりと見て取ることができます。


Grapf110309-2-2.JPG


もちろん「リキャップCB」の発表が全ての要因ではないことはもちろんですが、投資家を意識した資本政策の実施がマーケットから支持されていることは確かでしょう。


これとは逆に、ほぼ同時期にファイナンスを発表したもののマーケットから痛烈な批判を浴びた格好となっているのが(9001)東武鉄道株式会社です。


同社は2月23日に、40年ぶりとなる公募増資の実施を発表しました。
公募で1億9000万株を発行し、需給状況などに応じ2850万株を追加発行することによって最大932億円を調達します。


増資で調達した資金のうち802億円を新株予約権付社債(CB)の買い入れ消却に充て、60億円を「東京スカイツリー」を建設する子会社への追加出資金に充てる計画で、今回の公募増資によってCBをより資本性が高い普通株に振り替え、財務の安定度を高めることを目指しているわけです。


ところが問題は、発行済み株数が最大で25%増える計算となる点です。
同社の2011年3月期の予想1株当り利益は直近の四季報によると16.8円となっていますが、これが13.4円に低下してしまうことになります。

これは「株式の希薄化(ダイリューション)」と呼ばれる現象で、こうした状況を受け、同社株は、2月23日終値455円から3月7日の357円と、たったの8日間で約21%も急落してしまいました。

Grapf110309-3-3JPG.JPG


上場企業の大きなメリットである市場を通じた資金調達を行い、財務基盤を安定させることは決して悪いことではないのですが、「それを市場、投資家がどのように受け止めるか、評価するか?」を企業は常に意識しなければいけないという、当たり前ですが、重要な視点を再認識させられた2つのケースでした。

カテゴリー : | 投稿者 : invb | 16:35 | コメント (0)

検索
社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
Copyright (c) 株式会社インベストメントブリッジ All Rights Reserved. ブリッジサロントップ 会社概要