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廣島 武 X 保阪 薫
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2011年07月07日

対話可能な品格ある企業を応援したい!

復興担当相を辞任した松本龍氏について、一説には菅総理を辞任させるために刺し違えたといった見方もあるようですが、その真偽はともかく、一連の言動には全くあきれてしまいます。

中でも私が最も気になったのは、7月4日に一転して謝罪したときの「結果として被災者を傷つけたのであればお詫び申し上げたい」との言葉です。


「傷つけたのであればお詫びする」とは逆に言えば、


「傷つかなかったならお詫びしないのか?」
「本心でお詫びしているわけではないということか?」
さらには「こういう言動をすれば傷つくだろうと想定できないほど、人の心に対する思いが足りない人なのか?」
と誰でも感じるのではないでしょうか。

でもこの「傷つけたとすれば謝りたい」という言い回し、最近大変耳にすることが多く気になっていました。以前も若手女性歌手が女性の高齢出産に関しての発言が問題となり、謝罪した際にも同様の言い方をしていたように記憶しています。

本人は何気なく使っているのかもしれませんが、何気なく使ってしまう人間の品格が問われますし、そうした言い回しを使う、思いやりの欠けた人が増えていることが残念でなりません。

さて、話は変わりますが、先週28日、29日は注目の電力会社の株主総会が開催されました。


ただ「注目の」といっても参加株主数、開催時間が大幅に過去最高を更新し、マスコミもこぞって動向を伝えたことで大きな関心を呼んだというだけのことで、株主総会の最大の機能の一つである株主による決議に関しては、開催前の予想通り、会社側提案は大幅な賛成多数で可決され、10社中6社において行われた株主提案については逆に大幅な反対多数で全て否決されて総会は終了しました。

株主提案については、賛成割合が概ね10%以下もしくは反対割合が90%以上という結果でしたが、唯一東北電力の第7号議案

「取締役賞与支給の件:会社提案の「取締役賞与支給の件」を,次の通り修正する。危険な原子力発電を推進してきた取締役の責任を社会的に明確にするため,また主旨の不明確なお手盛りの出費になっている取締役賞与を廃止するため,取締役賞与は計上しない。」


についての反対比率が88.61%だったことが目を引くくらいでした。

今のご時勢で、震災による被害とはいえ337億円の当期純損失を出しながら役員賞与を4800万円支払うということには、流石に否定的な株主も比較的多くいたということのようです。こうしたことからしても電力会社というのは通常の理論とは別の世界で生きている企業であるのでしょう。

この決議の結果は開示する義務がありますので、各社は総会後に「臨時報告書」ないし「議決権行使の結果のお知らせ」という書類を提出するのですが、そこには概ね共通して以下のような記述がありました。

「本総会前日までに行使された株主の議決権の数及び当日に出席した株主のうち決議事項についての賛成及び反対を確認することができた株主の議決権の数の合計により、決議事項の可決又は否決が明らかになっているため、賛成、反対及び棄権の議決権の数には、本総会当日に出席した株主の一部の議決権の数を加算していない。」
(東京電力 臨時報告書より)

これはいいかえれば、


『総会前に大株主から「会社側提案に賛成、株主提案に反対」の委任を受けており、株主総会の決議結果は当日採択する必要もなく決まっているので、当日参加した株主様の意見は聞きますが、決議結果には一切関係ないんですよ。』

と言っているわけです。

確かに、株式会社の仕組み、資本の論理からすれば至極全うな結論、結果であり、株式会社の最高意思決定機関である株主総会は何の瑕疵もなく決議を行いました。
政治の世界では一人一票が公平ですが、株式会社の世界では一株対一株が公平です。
また、あるマスコミは「株主は原発存続を容認する道を選択したようだ」と報道していました。

ただ、今回の福島の現状やチェルノブイリのその後を伝えるドキュメント番組などを見ると、本当にそれでいいのかなと強い違和感を覚えてしまいます。

言い方は悪いですが、これからどうなるかわからない東京電力は別として(当事者能力が著しく失われていることは容易に想像がつきます。)、少なくともまだ事故が起きていない他の電力会社では、もっと株主だけでなく幅広いステークホルダーとの対話の場や対話の姿勢を見せても良いのではないでしょうか?


以前にも紹介しましたが、株式投資の世界では「ESG投資」という考え方が急速に広がっています。

E:Environment(環境)、S:Society(社会)、G:Governance(ガバナンス)の3点に留意してステークホルダーと良好な関係を構築することは企業にとって企業価値を向上させるために極めて重要であり、投資家側でも、特に受託者責任を問われる企業年金においてはESGを考慮した投資判断が欠かせない、という考え方です。


そうした考え方がますます主流になってくれば、前述したような決議方法で株主総会をなんとか乗り切ることだけしか考えていない企業は投資家から相手にされないという時代が来ることが十分予想されます。


株式会社は法人とはいっても、実際に意思決定をするのは「人間」です。
対話すべき相手を思いやる余裕というか品格のある「人間」が経営する企業を見つけ出し、応援していきたいものです。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 14:03 | コメント (0)

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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