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廣島 武 X 保阪 薫
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2011年11月25日

「中期経営計画」について

少し前になりますが、企業と投資家の意識の違いというかギャップについて考えさせられるケースが2つありました。

一つは、ある企業に伺って、IR活動や業績、事業動向、株価などについていろいろとお話を伺っていた際のことです。

好調な業績を背景に昨年以来株価は順調に上昇し、現在も日経平均が年初来安値近辺まで調整している中でも、同社の株価は高値圏で推移しています。

また事業内容も、比較的高い成長が見込まれているマーケットを対象にしており、今・来期も増益が予想されています。


その担当者の方が、「社内的にはもっと高い株価でもいいという見解なのですが、、、」とおっしゃいます。
確かにPERやPBRを見てもさほど割高感は感じませんし、この増益基調がまだ当分継続するなら割安感が強まっていくことも予想されます。


ただ問題は、この会社が決算説明会を開催していないことです。
もちろん、規則に従った適時開示は適切に行っていますが、自ら投資家に一歩歩み寄って理解してもらおうというようには見え難いのです。


自社に対する理解を進め、株式市場での評価を高めたいと考えるならば、企業側から踏み出す必要があるのですが、この企業に限らず、そうした行動が不十分であるにもかかわらず「投資家が理解してくれない。」と嘆いている企業はまだまだ沢山あります。

もう一つは弊社の主催する個人投資家向け説明会でのことです。


参加した投資家の方が質疑応答のコーナーで、「3年から5年程度の中期計画は発表していないのですか?」という質問をされました。


質問に対する回答は、「社内では当然目標を設定していますが、市場動向の変化が早く、ミスリードする恐れがあるので公表はしておりません。」というものでした。


それに対してその投資家の方は、「そのくらい先の姿を会社に示してくれないと我々投資家は投資のしようがないですよね。」と不満そうでした。


説明会後にその方と立ち話をしたのですが、「いろいろ面白い話をしてくれるのはありがたいし、自信を持ってやっているなら中期経営計画は発表すべきだ。発表しないから逆に本当は自信が無いのではないかと思ってしまう。」とおっしゃっていました

当たり前のことですが、企業の本当のことは、やはり企業でないとわかりません。


理念やビジョン、経営戦略といったメッセージを理解することはもちろん重要で、将来の姿を共有、共感してもらうことが理解の第一です。
しかし、具体的に中期的に売上や利益がどうなっていくか?(+どうしたいか?)は、やはり企業自らが示すしかないでしょう。

インターネットを通じた情報収集力という点では機関投資家やアナリストと個人投資家の間の格差は殆ど無くなったといっていいかもしれません。
しかし、直接経営者に取材したり、そうして集めた情報を分析して自ら2−3年後のEPS(一株あたり利益)を算出することは多くの個人投資家には難しいのが現状です。

そのために証券アナリストという役割があり、彼らが投資家に代わって企業分析や将来の業績予想を行うわけですが、上場企業全てをアナリストがフォローしているわけではありません。

上場企業の中には、例えば楽天株式会社のように、今期の業績予想でさえも発表していないケースもあります。

「当社及び当社グループ各社の事業には、事業環境の変化が激しい国内外のインターネット関連事業のほか、金融市場の動向等により業績が左右される証券業をはじめとする各種金融事業が含まれており、業績の予想を行うことが困難であるため、業績予想については記載しておりません。」というのがその理由です。


ただ、楽天の場合は既に認知度が十分高いことや、同社HPでも記載があるように「アナリストカバレッジ(どういう証券アナリストが同社を継続的にウォッチし、レポートを定期的に作成しているか?)」では、国内外の大手から中堅証券会社14名のアナリストが同社を継続的にフォローしています。

しかし楽天のようなケースは稀で、認知知度がそれほど高くない企業についてはアナリストがフォローしていないケースが多く、やはり投資家、特に個人投資家からの理解を得ようと思えば、会社側からある程度の道筋や方向性を、ある程度の具体性(数字)をもって示す必要は、やはりあると思います。

もちろん、この変化の激しく厳しい経営環境下で2−3年後の業績予想をするということは大変難しい作業ではあり、そのためには社内担当スタッフの資質とかクオリティという問題も出てきます。

また、中期的な数値を公表して、もし達成できなかったら投資家の信頼を失ってしまうという企業側の懸念も理解できます。

しかしそれでも、そうしたより具体的な姿を打ち出せる企業と打ち出せない企業とではまずその時点でと投資家の理解という点で差がつくでしょうし、もしその数値を達成することができたら、その企業は大きなアドバンテージを得ることとなるでしょう。(発表して達成できなかったケースよりも、発表しない方が傷が浅いと考える企業の方が多いようですが、、、、)

もちろん根拠の無い、投資家にアピールしたいがための中期計画は絶対的に不必要ですが、投資家に理解してもらいたいと真剣に考えるのであれば、真剣に中期計画を示す必要があるのではないかと思います。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 10:10 | コメント (0)

2011年11月11日

ネットキャッシュ>時価総額

前回のコラムで「オリンパスの行方はどうなるでしょう?」と書きましたが、1000億円を超す損失を、「飛ばし」という手法で隠していたという、とんでもない方向へ行ってしまいました。

また大手証券会社も関与していたとの報道もあり、日本企業のガバナンスに対する疑念にとどまらず、監査法人、証券会社、銀行なども含めた日本の株式市場そのものに対する信用問題にも繋がりかねない事件に発展してしまうかもしれません。


一方で、過去の様々な粉飾や虚偽記載事件を振り返ると相場全体への影響は限定的だと言う見方もあるようですが、今回はオリンパスという日本を代表する医療分野での世界的企業だけに、影響は大きいと見なければいけないように思います。


なにはさておき、株式市場は不透明を一番嫌いますから、大きなショックを予期しておかなければならないにせよ、真実が明らかにされることが、「あくぬけ」なり「信頼回復」に繋がる第一歩と考えるべきでしょう。

さて、話題を変えて、今回も「割安株の探し方」について、また一つの切り口をご紹介したいと思います。


今回は「現預金>有利子負債」で「現預金−有利子負債」より時価総額が小さい会社をスクリーニングしてみます。


「現預金−有利子負債」がプラスの状態を「ネットキャッシュ」と呼びます。


有利子負債を全額返済(銀行への借入の返済や社債の償還)してもまだ現預金が手元に残っているということは、その時点では安全性が極めて高いということです。


そして、このネットキャッシュが時価総額よりも大きいということがどういうことかといえば、銀行から時価総額と同額の借入を行い、株式市場でその企業を買収し、企業の有利子負債を返済し、残った現預金で買収資金のための借入を返済しても、現金が手元に残る状態を意味します。


つまり、株式市場で極端に割安と評価されているわけです。

例えば、こういう企業があったとしたら、ネットキャッシュ300億円から、100億円の借入を返済しても200億円が手元にのこるということです。

現預金:500億円
有利子負債:200億円
ネットキャッシュ:A−B=300億円
時価総額:100億円
借入:100億円


スクリーニングの結果が以下のリストです。
「ネットキャッシュ−時価総額」の大きい順に並べました。また参考までに今期の予想営業増益率も併記しました。
(株価および営業増益率以外の項目は、単位100万円)


今期の業績は減益の企業のほうが圧倒的に多数ですが、株価は今期の業績を既に織り込んでいる可能性もあります。

もちろん来期以降の業績動向を分析する必要がありますが、なかなか面白そうな企業も見受けられます。


相場に振り回されずに「割安株」を黙って保有しておくというのも個人投資家だからできる投資手法です。
是非参考にしてみてください。

ただし、応援投資の観点は忘れずに。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 16:34 | コメント (0)

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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