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廣島 武 X 保阪 薫
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2012年03月28日

応援投資家は「社史」を読もう。

個人投資家の皆さんが企業研究をする際には、当然ですが様々な情報源にアクセスしていらっしゃるでしょう。


会社四季報、会社情報、アナリストレポートといった外部機関が作成する出版物なども良くご利用になるでしょうが、その企業をより深く研究し、応援したい企業かどうかを判断するには、やはり企業自らが作成したツールが重要です。


財務分析を行うのであれば、決算短信、有価証券報告書、FactSheet(過去数年分にわたる主要な財務数値や財務指標などを掲載したもの)が不可欠です。


また、会社のビジネスモデルや同業他社に対する競争優位性などを知ろうと思えば、アニュアルレポート、株主通信といった定性情報に力を入れた情報源が不可欠ですし、経営者の人となりを完全でないにしろ少しでも知るためには、こうしたツールに加えて、「説明会動画」も利用すべきでしょう。


また、最近では企業によっては、マンガによる会社紹介に取り組んでいたりと、投資家が「会社を知る」ためのツールは大変豊富です。


そうしたツールに加えて、私は皆さんに「社史」を読んでみることを是非お勧めしたいと思います。


もちろん全ての企業が社史を作成しているわけではなく、特にまだ設立10年といったような若い企業の場合は社史自体を制作していないでしょう。


30年史、50年史といった社史を制作している企業の場合でも公開していないケースもあるので、その場合は仕方ないのですが、興味を持った企業については入手可能な限り読んでみて頂きたいと思います。

私が皆さんに社史を読むことをお勧めするのは以下のような理由からです。


ヾ覿藩念の背景が理解しやすい

多くの企業は行動の基本軸ともいうべき企業理念を謳っており、応援投資には不可欠なポイントですが、社史を読むとその理念が創業者の強い想い等、どういう背景や経緯で生まれてきたのかが大変理解しやすい場合があります。

また単なる美辞麗句ではなく企業の歴史に基づき、実体が伴っていることがわかると、「おっ!」と思います。


企業の強みや特徴が本物だと理解できる。

先日ある企業のブリッジレポート(当社が作成しているIRレポート。投資判断は提供しませんが、企業の事業内容や特徴・強み、会社が考える今後の戦略などをわかりやすくお伝えするものです。)制作のために社史をお借りして読みました。

その企業は強力な直販体制を構築していることが同業他社に対する大きな競争優位性になっているのですが、「実は、代理店販売ではなく直販体制を選択せざるを得なかった。」という経緯や、「直販体制を構築するのに大変な苦労はしたものの、結果として現在に至っては、他社には直販体制を構築することが極めて難しい」という状況を理解すると、この企業の強さは相当なものだと「納得」できました。


4覿班活のポイントを探り、応援すべき企業の発掘につなげる。

昔の輝きを現在は失ってしまっている企業もありますが、例えば社史を読んで、創業者の想いや理念を知って共感し、それらを再び甦らせることのできるような経営者の登場や製品のリリースなどがあれば、今後への期待を含めて応援すべき企業リストに上がってくることもあるでしょう。

このように、企業のことをより深く知るための大変面白い読み物と捉えてみることができるのです。(ただし、実際には企業によってはあまり面白くない内容のものもあります。)

さて、社史を探す方法ですが、たとえば、パナソニック、シャープ、HONDA、ソニーのようにHPに掲載している企業もありますので、まずはこまめに探してみましょう。


ソニーの社史はかなりのボリュームで、1946年(昭和21年)1月にソニーの創業者のひとり、井深 大氏が起草した「東京通信工業株式会社設立趣意書」を読むことができます。これを読むと素直に「ソニー頑張れ!」と思います。


また、国立国会図書館のHPでは、同図書館における社史の検索方法や、社史に関する主要なインターネット情報源なども列挙されており、大変便利です。
http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-102077.php


社史はあくまでも企業の過去の話であり、過去の延長線上に未来があるわけではないので将来を見通す材料とはならないかもしれません。

しかし、過去があってこそ企業の現在もあるわけで、応援投資家にとって、企業を理解すること、特に応援すべき企業を発掘するためには「社史」は大変貴重な企業情報の宝庫と言えるでしょう。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 10:15 | コメント (0)

2012年03月16日

「3.11」を改めて考える。

昨年の震災後の3月25日このBlogで、今回の大震災を株主の立場から何ができるか?何をすべきか?を考えてみようということで、以下のような趣旨の文章を書きました。

・住宅の確保、収入の補償、生活インフラの整備といった復興、再生に向けての極めてベーシックな部分をスピーディーに進めるには、国が担っていくのが最善。


・しかし、今回の震災で浮き彫りにされた課題を解決し、日本の良さを更に伸ばす「日本の本当の再生」のためには、やはり「企業」の持つ力に負うところが非常に大きい。


・緊急のテーマは以下の3つ


仝業依存度を無理なく下げていくための「新エネルギー開発のスピードアップ」


今回の事故で信頼が地に落ちた感のある東京電力だが、電力会社の役割が極めて重要であることは不変であり、スマートグリッドの実現などに積極的に対応することで国民からの信用を取り戻すことを望む。


「地方における雇用の創出」は東北地方に限らない日本全体の問題であり、「企業」の成長こそが最大のキーワード。「企業」ならではの柔軟な発想やニーズの発見、取り込みによって成長することで雇用が生まれ、地方経済が活性化することが望まれる。


・日本再生を実現するためには「企業」の役割が大であると同時に、「応援投資」の視点を持った株主のサポートの存在が不可欠。

・日本が再生することは、現在の自分だけではなく子供や孫の世代にとってこそより重要な課題であることを認識し、再生を担う「企業」を応援するという視点を是非持ってもらいたい。

あれからあっという間に1年が経ちましたが、この中で震災前と何が変わり、何が変わっていないでしょうか?

<変わったこと>

再生エネルギーに対する注目、関心が飛躍的に上がりました。

再生エネルギーのコスト高という課題は明白ですが、実用化に向けて企業は必死の努力をしています。

7月に施行される再生可能エネルギーの全量買い取り制度については、先行して導入された欧州では国民負担の観点から見直しが入るなど、実際の運用にあたっては困難も予見されます。

しかし、再生エネルギーの普及は、安心できる暮らしのために、また事故が起きない場合でも原子力発電所が抱えている宿命的な課題(使用済核燃料処分の問題など)を次世代へ先送りしないためにも、必須のテーマであり、それに取り組んでいる企業の姿勢は「応援投資」の観点から、高く評価すべきだと思います。


また東北地方で雇用を創出する企業の動きも盛んになっているようです。


例えば、居酒屋チェーンを展開するワタミグループは、高齢者や子育て家庭向けに始めた食事の宅配サービス「ワタミタクショク」が運営するコールセンターを岩手県陸前高田市に開設したということです。

企業ですから当然、売上、利益を上げることが優先されるわけで、決して雇用創出のためだけではないことは確かでしょうが、最近、「企業の価値とは売上や利益だけで測るものではない。」という考え方が徐々に広がってきています。

こうした考え方は、今回の震災という大きな困難を機により広まっていく可能性が高いと思います。これも震災を機に変わったことの一つですね。(この点については、後日改めてご紹介したいと思います。)

<変わっていないこと>

一方で、これだけの事故が起き、震災前から存在していた「電力」に関する不合理な仕組みが、現在の状況にはマッチしていないことが明らかになったのにも関わらず、様々な意見や提言は目にするものの、実際的な改革の動きは全くと言っては言い過ぎかもしれませんが、進んでいないようです。


2012年3月5日には、東京電力の株主が新旧役員27人を相手取り総額5兆5045億円の損害賠償を同社に支払うよう求める株主代表訴訟を東京地裁に起こしました。
原告代理人によると、国内の民事訴訟として過去最高の請求額だそうです。


6月には再び株主総会が開かれますが、東京電力は変われるのでしょうか?


2月14日の日銀金融政策決定会合の決定を受けて円高の急速な修正が進んでいます。

また、2012年度の企業収益に関して、2011年度の大幅減益から一転して大幅増益になるとの見通しも大手証券会社から発表され、株式市場はややバブル的とも言えるくらい活況を呈しています。

株価が上昇すれば世の中も明るくなり、元気も出てきます。

それはそれで結構なことですが、「応援投資家」は、バブルに浸りすぎることなく、今回の悲惨な出来事をただ大変なことだったで終わらせずに、自分を、日本を見直す貴重な機会とするためにも、「企業とタッグを組んで東北だけでなく日本の再生を担うんだ!!」という心をこれからも変わらずに持ち続けて欲しいと思います。


カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 16:32 | コメント (0)

2012年03月05日

「AIJ」問題を他山の石とする。

「明日は何が起きるかわからない」ということは、株式市場に限ったことではありませんが、「AIJ投資顧問」の資産消失問題は本当にびっくりです。

現時点ではどういう経緯で2000億円が200億円になってしまったか不明で、「損失」ではなく、「消失」と表現せざるを得ないということも、この問題の異常性を表しています。


 新聞報道によると、94の企業年金や厚生年金基金などが同社に資産運用を委託していたということですが、いくつかの有名企業の企業型年金もあるものの、大半は地方の中小企業が同業者によって構成・運営している「総合型」と呼ばれる厚生年金基金です。

 年金基金という組織は、定義上は資産運用に関する経験や知識も深く、実際の運用を外部に委託するにあたっても、しっかりと委託内容を理解したうえで管理しているはずなのですが、実際には、運用の現場にいる責任者がそれほど深い知識を持っているわけでもなく運営しているのが実態というところが多いようです。

 長引く日本株式市場の低迷で、達成しなければならない運用利回りを得ることができず、藁(わら)をもすがる気持ちから、同社の虚偽(?)の運用実績にコロッと騙されてしまったということなのでしょう。

 また、同社が営業するにあたって顧客リストを見せれば「あんな大企業の年金も委託しているなら」と信じてしまった基金担当者もたくさんいたことでしょう。
 大変不幸な話で、年金加入者はもちろんのこと、基金の担当者の方々の今後を思うと、何とも言いようのない気持ちになってしまいます。


 ただ、こうした事件は不思議なことにある程度の周期で、忘れたころに発生するようです。
 そこで今回の事件を他山の石として、個人投資家の皆さんが考えるべき点を改めて挙げておきたいと思います。


1.自分で理解できるものにのみ投資する

 AIJ投資顧問は、2008年のリーマンショック後でも安定して8%前後の高い利回りを上げていたとの運用実績を顧客に見せて営業していたそうです。
 あれだけの相場変動を経験しても安定して高いリターンを上げていたということは、「真似のできない神業」を持っていたのかもしれませんが、仮にも運用の専門家であれば不自然であると気づくべきだったでしょう。
 運用手法について当然説明があったはずですが、到底理解できるものではなかったのではないかと思います。


 理解できないものに大切な資産を投じるのは、結果がどうであれ絶対にすべきではありません。


2.自称「資産運用のプロ」に要注意

 同社の社長は大手証券会社の出身で、社員も多くは証券会社出身者だったようです。このことも各基金が同社を信じた一つの要因だったのではないかと思います。


 私が日頃感じていることなのですが、世の中の多くの方は「証券会社の社員や出身者は皆おしなべて、資産運用のプロフェッショナルだ」と思い込みすぎているような気がします。


 もちろん長い間の訓練や研鑽(けんさん)によって企業を見る目や分析する力、今後の経済や市場動向、社会の流れについての洞察力、それに関する知識や経験が豊富であることは確かだと思いますが、実際の運用、それも一時的ではなく中長期的にある程度の上下はあっても安定して利回りをあげていく能力は、また別のものなのです。

 もちろん、証券会社出身で高い運用能力を持って第一線で活躍されている方も沢山いらっしゃいますが、割合でいうと世の中の皆さんが思っているほど多くはないのではないでしょうか。「資産運用のプロに任せなさい」といった誘い文句に、安易には乗らない用心さも必要です。


 ちなみに私の場合は、企業を分析したり、これからの世の中を想像してそこに貢献する企業はどんな会社だろうとかを考えることは好きですし、得意だとは思います。しかし、他人様の大切な資産を預かって運用するほどの度胸は残念ながら持っていません。


3.ハイリスク・ハイリターンの原則


 1.とも関係しますが、高いリターンのみに気を取られてはいけません。ハイリターンはあくまでもハイリスクの裏返しであり、高いリスクを取ったご褒美(ほうび)に得ることができたものです。
 今回の事件に限らず、ロー(もしくはゼロ)リスク・ハイリターンという、いわゆる「美味(おい)しい話」は世の中にはないということを改めて肝に銘じるべきです。

 高齢化社会の到来、年金制度に対する不安などから自分で自分の資産を運用する必要性はますます拡大していきます。
 より高い運用利回りを上げたいというニーズは理解できますが、上手な資産運用のためにはある程度の勉強とともに、ここに挙げたような原理・原則といったものをいつも念頭に置くことが必要だと思います。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 12:22 | コメント (0)

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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