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廣島 武 X 保阪 薫
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2012年04月24日

企業のIRに対する姿勢の違いが益々明確になる時代がやってくる。

企業は決算発表に際して決算短信という開示書類を作成します。

この決算短信において企業は、終わった決算期の損益状況やバランスシート、キャッシュフローなどを公表すると同時に、「次期の業績予想」として一般的に「売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、一株当たり当期純利益、一株当たり配当金」の予想数値を、表紙にあたるサマリー情報に表形式で開示しています。


東京証券取引所によると平成22年3月期を対象とした調査では、上場会社の約97%がこの形式で将来予測情報を開示しているということです。


この業績予想の開示方法について東京証券取引所は3月21日に「業績予想開示に関する実務上の取り扱いの見直し内容について」と題するリリースを行いました。


どんな内容かというと、「次期の業績予想」の開示方法を企業の判断による自由記載形式によって行うことができるということを述べたものです。


つまり、企業は投資家に自社の状況をより深く理解してもらうために、自らの工夫で従来は決算短信では触れていなかった財務数値や定性情報をドンドン開示してもいいよということです。


これまでの業績予想の開示方法についても決して一律的、強制的に東証が決めていたわけではないものの、実質的には上記のような開示の項目や表の形式もほぼ全社共通となっている「原則的な取扱い」に従うことを東証は求め、「次期の業績予想」の開示内容の追加・変更を行ったり、業績予想自体を行わない場合は事前相談やその理由を開示することを要請していましたが、今回のリリースにおいては、この要請を廃止するとも述べています。


東証としては、自社の状況や将来の経営方針に関して最も詳細かつ正確な情報を有する企業自身によって開示される将来の予測情報は投資家にとって有用なものであることを改めて認識したうえで、より積極的な情報開示を企業側に要請しているわけです。


実施時期としては今年の3月決算にかかる決算発表からということですから、もう間もなく新しい開示形式による業績予想を投資家は利用することができるようになるわけです。


それでは、この変更は投資家にとってどんな意味があるのでしょうか?


最も大きいのは、投資家にとって企業のIRに対する姿勢や本気度を比較検討しやすくなるということでしょう。


以前このBlogで「IR新時代における企業選択のプロセス」(2010年8月18日)
でも書いたように、IRに対する企業ごとの姿勢の違いがますます明確になってくることが予想されます。


「1億円以上の役員報酬の開示」や「議決権行使状況」など開示しなければならない項目が増加する一方、今回のように自由度が高まり工夫する余地が増大する中で、企業は資本市場における勝者(より多数の投資家をファンにする。)となるべくIR活動においても、横並びではなく、差別化や競争優位性といった視点を持たなくてはならない時代となってきました。

自社の業績動向を予想するには欠かせない数値(KPI:キー・パフォーマンス・インデックス。不動産賃貸事業における稼働率など)というものが企業にはあるわけですが、こうした数値の予想を開示するなどということももっと進むかもしれません。
また、定量的な情報だけでなく定性情報ももっと充実したものとなっていくことも予想されます。


こうした時代は「信頼できる企業」、「応援すべき企業」を探している「応援投資家」にとっては、多くの企業を比較検討する機会がますます増えるという意味で、大きなフォローの風が吹いていると言えるのではないかと思います。


ただあくまでもそうした情報を収集・活用し、応援できる企業であるかを判断するのは応援投資家自身です。
「IR新時代」は投資家のスキルアップが要求される時代であるのです。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 13:41 | コメント (0)

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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