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廣島 武 X 保阪 薫
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2013年11月28日

ROEを継続的に上昇させる企業群

先日、日本取引所から発表された新指数JPX400は、時価総額や流動性といった、従来通りのポイントに加えて、ROE、コーポレートガバナンス、ディスクロージャーといった面も重視して採用企業を決定するという点がこれまでにはない切り口で大変ユニークです。


特に、欧米企業に比べて日本企業が見劣りするROEを選定基準に加えたのは、企業の意識を、これまで以上にROEに向かわせる効果が期待できるかもしれません。

このBlogでも何度か触れましたが、売上、利益を急激に伸ばす企業は魅力的ではありますが、それを永続的に伸ばし続ける事が出来るわけでもありませんので、そうした銘柄だけでなく、安定的に、ある程度高い水準で株主にROEというリターンを提供し続ける企業も個人投資家の皆さんのポートフォリオには必要だと思います。


そこで今回は、3月期決算の中間決算も出揃ったところで、ROEを切り口したスクリーニングを行ってみました。

ROEの絶対的な水準の高さもスクリーニング条件の一つではありますが、株価は変化率を評価する部分も大きい事から、ROEが年を追うごとに上昇している銘柄のほうがパフォーマンスが良いという見方もあります。


そこで、以下の様なスクリーニングを行ってみました。


*今期予想ROEが8%以上
*過去3年間、毎期ROEが前期を上回る。


借入金を多くすれば、他の状況は不変でもROEを高くすることは可能ですから、「*自己資本比率50%以上」という条件も加えました。


参考までに今期営業増益率、予想PER、実績PBRを併記し、営業増益率の高い順に並べています。

listfor149Blog_1.jpg

以上のように、全部で51銘柄が該当しました。

このうち、決算短信上で「目標とする経営指標」にROEを挙げているのが16社。またそのうち、具体的な数字を示しているのが以下の8社でした。

逆に「目標とする経営指標」という項目自体が見当たらない企業もいくつかありました。

listfor149Blog_2.jpg

ROE目標を明示している企業の中でもその表現方法は様々で、数字をさらっと書いている企業もあれば、(9728)日本管財のように、

「当社は、常に事業効率向上と株主価値を高めるための資本効率の向上を目指し、自己資本当期純利益率10%以上、総資産経常利益率15%以上を維持することを経営目標としております。

具体的には経常利益率を向上させるため、部門別に徹底した合理化を図り契約単位毎の原価低減に努めております。

部門別独立採算制度により社員一人一人が常に利益を意識した活動を行ってまいりました。

今後も引き続き目標達成に向けて諸施を実施し、業績及び株主価値の向上を図ってまいりたいと存じます。」


と、かなり具体的に目標達成のための施策に言及している企業もありました。


面白かったのが、(5280)ヨシコンでした。同社は目標とする指標としてROEを挙げてはいないのですが、そのかわりに、


「当社グループが目標とする経営指標は売上高経常利益率・資本回転率及び株主資本比率であります。

中期的には売上高経常利益率につき5%以上、資本回転率につき1.2回転以上、株主資本比率につき60%以上の達成を目指しております。

また当社グループ内では新製品の売上比率を重要視しております。なお売上高経常利益率につきまして、将来目標として10%以上を目指すこととしております。」

と記載しています。


何度か紹介したように、ROEは、「売上高利益率」、「資産回転率」、「株主資本比率」の3指標に分解する事が出来るのですが、同社の場合はそれぞれの要素を「目標とする経営指標」に掲げています。

それならROEも挙げればいいのにとも思いますが、3要素をチェックできるという意味では、投資家に大変有用な情報を提供している企業であると言えます。


さて、それはともかく、以上の8社(ヨシコンを入れると9社)は、ROEを企業として意識しながら、継続的に上昇させることが出来ている企業と定義できるでしょう。


決してROEが万能な指標と言うつもりはありませんが、投資家として安心して投資できる企業ではないでしょうか?


みなさんも、ROEを切り口に、銘柄発掘にチャレンジしてみてください。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 20:21 | コメント (0)

2013年11月01日

「長期投資家に学ぶ」

10月1日から口座開設の受付が始まった「NISA:日本版少額投資非課税制度」。
皆様の中にも既に申し込みをされた方もいらっしゃると思いますが、私として単に株価を追うだけではない中長期の応援投資が日本に定着するきっかけになるのではないかと大いに期待しています。

ではより具体的にどんな視点や考え方をもって中長期投資のための銘柄選択を行えばいいのでしょうか?


そこで今回は「長期投資家に学ぶ」と題して、世界的に著名な長期投資家である米国のウォーレン・バフェット氏の投資哲学や投資手法を改めてご紹介します。


ご存知の方も沢山いらっしゃると思いますが、バフェット氏は、1930年にアメリカ・ネブラスカ州オマハに生まれました。

子供のころから社会の仕組みを知ることや株式投資に強い関心を持ち、11歳の時に初めて株式を購入したそうです。

コロンビア大学で経済学を学ぶ際には、著名な経済学者であり投資家でもある「バリュー投資の父」と呼ばれるベンジャミン・グレアム氏に師事した後、証券アナリストとして活躍しながら、割安株を見つけ出して長期保有する投資手法を確立します。


1965年に繊維メーカーのバークシャー・ハザウェイ社の経営権を取得すると、同社を投資持株会社として様々なバリュー株への投資を始めます。


現在同社は世界最大の投資持株会社であると同時に、ある調査によれば彼個人の総資産も約5.8兆円と世界有数の資産家となっています。


さて、同社の投資方針としては、以下の様なものがあげられますが、この中で特に注目すべきなのは、私が考えるには「1番」と「5番」かと思います。


やはり、株主に対するリターンを表すROE(自己資本利益率)が長期にわたって高いという事は、投資家にとっては非常に安心して投資できる銘柄ということになります。


また、理解可能なビジネスモデルという点も大変示唆に富んでいます。

世間ではその高い成長性に多くの投資家が魅力を感じ我も我もと競うように投資し、株価が急騰するケースがままあります。

しかし、実際には他の投資家も買っているから乗り遅れてはならないと考え自分も買うというような投資家も沢山います。

しかし、バフェットは世間でどれだけ注目を浴びていようとも、自分がそのビジネスモデルを理解できないものには投資を行わないという事で有名です。

そのため1990年代終盤から2000年にかけて出現した「IT相場」でも一切関連銘柄に投資しなかったと言われています。


<バークシャー・ハザウェイ社の主要投資方針>

1.長期のROEが平均以上
2.低い負債比率
3.過去5年間の利益率が高水準でかつ上昇
4.10年以上存続
5.理解可能なビジネスモデル
6.同業他社に対する差別化製品・サービスの有無

また、経営者の人柄や誠実さ、決断力と実行力の有無なども重視しています。


下のチャートはバークシャー・ハザウェイ社の株価とニューヨーク・ダウ平均の推移を比較したものです。


chart20131101.gif

青線がバークシャー・ハザウェイ株、赤線がニューヨーク・ダウ平均です。

投資持株会社である同社の株価は、同社が保有するポートフォリオのパフォーマンスと見ることが出来ます。1990年初から直近までの約23年間でニューヨーク・ダウ平均が4.7倍となったのに対し(同期間で高値の6割下に位置する日本株と比べれば素晴らしいパフォーマンスです)、同社株は約20倍という驚異的なパフォーマンスを実現しています。


現在の上位組み入れ銘柄には、コカコーラ、IBM、P&G、ウォルマートといった世界的な有名企業が顔を見せていますが、これらの銘柄のPERは概ね市場平均を下回る一方、配当利回りは市場平均を上回り、一貫してバリュー投資が行われているようです。


数々の有名なメッセージを送っているバフェット氏ですが、その中でも特に皆さんに知っておいていただきたいものをまとめました。
まさに、株券、株価ではなく、ビジネスを買うという応援投資の考え方です。
是非じっくりと味わってみてください。


*常に株券ではなく、ビジネスを買うという投資姿勢が必要です。


*信頼できるもの、そして10年、20年、50年経ってもみんなが欲しいと思うものをつくっていく事業なのか。これらが、私が投資判断するうえでの基準であります。それについて、見方はまったく変わっていません。


*投資に際して大切なのは、ビジネスそのものです。最近投資したIBMにも同じことが言えます。経営者が素晴らしいうえに、顧客基盤が強固です。最も大切なのは、土台としている事業が自分の一生涯と考えてもいいぐらいの、今後何十年にもわたって持続可能な競争力を持っていることなのです。


*企業の実態がマーケットや株価に反映されるまでに、随分と時間がかかってしまうことがあるかもしれません。しかし、事業の成功が一般に認知されるのにどんなに時間がかかろうとも、その企業が期待通りの高い成長をする限り、問題はありません。むしろ、認知が遅くなった方が、投資家にとって都合がいい場合が多くあります。投資家にとってバーゲン価格が続くわけですから。


*株ではまずビジネスをそれ自体に注目することです。多くのプロの投資家や学者たちが、毎日の株価に一喜一憂しています。しかし、株価やマーケットの動向を、毎日、毎週、毎月追うことで、投資が成功するとは、私は考えていません。株は、そのビジネスの一部でしかないからです。注目すべきは、株価ではなく、事業そのものでなくてはなりません。


*私の投資哲学の基礎は、ベン(ベンジャミン・グレアム)が著した『賢明なる投資家』の第八章「投資家と株式市場の変動」と第20章「投資の中心概念」に、ほぼすべてが書いてあるといっても過言ではないでしょう。この本は、人生最高の一冊です。


*投資対象となる会社がどのようなリーダーによって経営しているかは、重要なことではありますが、最優先事項ではないかもしれません。ただし、卓越した事業を持つ企業のリーダーが道を誤り、まったく魅力のない企業を買収しはじめたりした場合には、気をつけなければなりません。


カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 12:09 | コメント (0)

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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