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廣島 武 X 保阪 薫
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2014年02月20日

「木を見て森を見ず」

量的金融緩和の段階的な縮小は継続するものの、景気や雇用には十分配慮するという米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン新議長の発言と、当面追加的な金融緩和は行わないものの物価上昇率2%を目指し現在のスタンスを継続するとの黒田日銀総裁の発言により、日経平均の下値不安はひとまず後退したようです。

ただ、大幅高の翌日は小幅なマイナスになるなど、再び上値に挑戦する力強さは残念ながら感じられない状況です。


さて、下のチャートは過去10年間の日経平均を始めとした先進国の株価動向を示す相対株価ですが、これを見ると面白いことが分かります。

chart20140220_1.JPG


2004年を起点とすると、上昇を続けた株価は07年のサブプライムローン問題、08年のリーマンショックで大きく下落。

上昇幅にかなりの差があったにもかかわらず、09年初めのボトム近辺では、全ての株価はほぼ同水準となっています。
当たり前と言えば当たり前ですが、大きく上げたドイツが大きく下げ、上げ幅は小さかった米国は下げ幅も小さく済んでいます。


次に、その09年初めのボトムを起点とし、現在に至る約5年間を見ると、各国の株価が順調に回復する中、日経平均のみが大きく出遅れていましたが、13年の「アベノミクス」相場により急速に追いつき、14年に入った現在、米国、英国、日本の株価はほぼ同水準にあります。


グローバル経済の下で、各国経済の相互関連性が一段と強まる中、グローバルな投資家は常に相対的な視点で先進国株価をウオッチし、売買しているということなのかもしれません。(そうだとすると、1国のみ一段高い位置にあるドイツの株価は今後、日・米・英の株価にさや寄せすることになるのでしょうか)


さて、このチャートを見るかぎり、日本株は昨年の大相場で米・英株に対する出遅れ感は全くなくなったと言えます。

昨年1年間で約15兆円という史上最高の買い越しを行った外国人投資家も、今年に入ってからは売り越しに転じていることも、その表れと言えるかもしれません。


ただ、企業業績は円安効果もあり好調であること、そこから導き出される日本株のPER(株価収益率)も約15倍と割高感は感じられないこと、金融緩和策の継続で当面は金利の安定的な推移が見込まれることなどから、前述のように下値不安は少ないと考えられます。


それでは今後の株価はどう動くのかが問題になるわけですが、割高感はないものの、水準訂正が一段落したとすれば、昨年のように、ほぼ全ての株が上昇するような強烈な相場を期待することはできません。


そこで、一つのヒントとなるかと思われるのが、ソニー(青)、パナソニック(赤)、日経平均(緑)の過去1年間の相対株価チャートです。

chart20140220_2.JPG



12年末あたりをボトムに3銘柄とも大きく上昇し、13年5月にいったんピークを付けます。

調整後、日経平均とパナソニックは年後半に向けて5月の高値を抜いていきましたが、反対にソニー株は夏場から下落に転じてしまいました。


この差が何から来たかというと、両社の業績動向にあったのは明らかです。


下の表にあるように、パナソニックは13年5月に今期14年3月期の業績予想を「微減収・黒字化」と発表しましたが、10月には「微増収・黒字化」に上方修正しました。


これに対しソニーは、13年5月の時点では「増収・増益」予想でしたが、10月には「増収・減益」へ、そして14年2月には増収ながらも「最終利益再び赤字転落」へと予想を下方修正しました。

chart20140220_3.JPG


会社側が増収・増益予想を維持していた13年8月から9月の段階で、すでにソニー株は調整に入っていました。

これを見ると、数多くの投資家の意見の集合体である株価の予見能力に改めて驚いてしまいますが、この2社の業績予想の推移と株価の動向を照らし合わせて見ると、「13年5月までは出遅れていた日本株全体の水準訂正が急速に進んだ金融相場。その後は個別企業の業績を投資家が重視する業績相場に移行した」と言えるのではないでしょうか。

以前も述べましたが、投資戦略としてはまさに、「木を見て森を見ず」という事になるでしょう。


業績相場に移行したとすれば、銘柄選別の視点としては、思惑や材料といった移ろいやすいものではなく、増収率、増益率、ROE(自己資本利益率)といった企業のファンダメンタルを重視することが肝要です。


3月決算企業の第3四半期決算や、12月決算企業の本決算が出そろいました。様々な視点から業績好調企業をピックアップして頂きたいと思います。


と同時に、このBlogでは何度も述べていますが、安倍政権には「成長戦略の迅速な実行」を期待ではなく、強く要求したいと考えます。

カテゴリー : 保阪 | 投稿者 : invb | 19:24 | コメント (0)

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社長プロフィール
代表取締役社長
廣島 武
1963年生まれ。駒沢大学経営学部卒業。1985年三洋証券株式会社入社。日本インベスターズ証券を経て、2000年当社設立。三洋証券時代より、個人投資家への資産運用アドバイス業務に一貫して従事。
代表取締役会長
保阪 薫
1961年生まれ。京都大学法学部卒業。1984年野村證券株式会社入社。シティバンク・プライベートバンク、日本インベスターズ証券などを経て、2000年当社設立。
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