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廣井レポート
2007年12月6日(木)
個人投資家の視点から見たMBO(=経営陣による企業買収)
 
M&A(合併・買収)仲介の(株)レコフによると、07年にMBOによる非公開化を発表した企業は、11月21日時点で13社。昨年1年間の10社を既に上回っていると言う。相次ぐ投資ファンドの設立で買収資金がだぶつき気味の上、株価が低迷すればプレミアムを高く設定できるため、オーナー企業はMBOを決断しやすい、と言うのがもっぱらの見方だ。
 
 
1.MBO【Management Buyout:マネジメント・バイアウト】とは
 
企業の経営者や事業部門のトップ等が、事業の継続を前提として株主から株式もしくは事業資産を買い取って、経営権を取得する事。経営陣ではなく従業員の場合をEBO(employee buy-out)、経営陣と従業員が共同で株式を譲り受ける場合をMEBO(Management and Employee Buyout)と呼ぶ。
 
買収への対応策として用いられる事もあれば、企業が事業の選択と集中を進めるにあたって本業とシナジーの薄い事業や投資優先度が低い事業を切り離す際、或いは、企業グループの中のある会社が、グループの経営戦略・経営方針の変更によって、グループから分離される際等に用いられる。
 
買収する経営陣は自らがオーナー経営者となるため、自らの意思に沿った機動的な経営が可能になる上、成長へのインセンティブが強まる。本来、会社の経営陣は、会社の株主等のオーナーから会社の経営を委託された者であって、オーナーの意向を受けて経営を進めている。
 
企業を買い取る資金は経営陣だけの出資では不足するケースが多いため、投資ファンドと共同で、金融機関からの融資と併せて賄うことが一般的だ。買収時点で経営陣が資金を準備できない場合、ストックオプションによって将来の経営陣持ち分を確保するスキームもある。出資者は買い取った企業の価値が向上することによる株式公開・売却のキャピタルゲインを狙う。
 
2.事例研究
(1)東芝タンガロイ
東芝グループで超硬合金を用いた切削工具の製造・販売等を手掛けていた同社は、東芝本体の事業分野との関わりが薄い事から、2004年にMBOによりグループから独立し社名も「タンガロイ」に改めた。独立の際に株主構成が変わり東証一部の上場基準を満たさなくなったため、上場廃止となった。2006年7月に工具メーカーであるオーエスジーと資本・業務提携を行った。
 
(2)すかいらーく
2006年6月に、創業家(横川家)を中心としたMBOにより、非上場化された。外食産業の市場縮小や競争激化により同社の業績が悪化していた事から、「店舗の統廃合や新しい業態の創造など抜本的な事業再構築をする必要があるが、短期的には利益の圧迫要因となり5万人を超える株主の要望に応えることができない恐れがある」と言うのがMBOに踏み切った理由。ただ、業績改善後に再上場する事で、改めてキャピタルゲインを得る目的もあるのでは?とも言われていた。
 
(3)レックス・ホールディングス
外食産業の競争激化と会社急成長に伴う不振から事業再構築を図るべく、2006年11月に代表取締役社長西山知義氏がアドバンテッジ パートナーズ有限責任事業組合をパートナーとするMBOを実施、非上場化を発表。その後、次のような複雑な手法がとられた。
先ず、アドバンテッジパートナーズが運営主体となる、投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズ エム・ビー・アイ ファンド三号が、新たに(株)AP8を設立。このAP8が株式公開買い付け(TOB)を実施して、当時の筆頭株主だった(有)エタニティーインターナショナル(当時の代表者は西山知義夫人の西山和枝、所在地は西山知義の住所)保有の株式16.74%のうち0.29%、当時の第2位の株主だった西山知義保有の株式12.97%全てを含む、同社株式75.43%を取得し筆頭株主となった。更に、AP8が(有)エタニティーインターナショナルの全株式を取得してエタニティーインターナショナルの完全親会社となったため、AP8は間接保有を含めてレックス・ホールディングスの株式91.78%を保有するに至る。
更に、AP8は株主総会の特別決議を経て、レックス・ホールディングスを種類株式発行会社に変更した上で、すべての発行済み株式に全部取得条項を付けて全部取得条項付種類株式とした。そして、この条項に従い、株式の全部取得と引き換えに別の普通株式を交付したが、この際、AP8以外の株主は1株未満の端数となるように交換比率が決定された。このため、AP8以外の株主は金銭交付を受け株主ではなくなるため、AP8がレックス・ホールディングスの全株式を取得。2007年4月、レックス・ホールディングスの株式はジャスダック証券取引所を上場廃止となった。
 
尚、西山知義氏は、2006年12月にAP8が行った第三者割当増資によりAP8に対して33.4%を出資。この結果、レックス・ホールディングスの事実上の筆頭株主の地位に再び就いた。また、当時、MBO実施の際の買い付け価格が意図的な業績下方修正等で不当に安く設定されたという疑念が生じていた他、MBOのために実施されたTOBに応じなかった株主への株式買取金の支払いが当初予定されていた2007年7月下旬から2007年8月15日に遅延し、上場廃止から支払い日までの期間が4ヶ月にも及ぶ極めて異例な事態となった。
 
(4)サイバードホールディングス
事業内容は、携帯電話サイトの運営。10月31日。買収ファンドと組みMBOを実施すると発表した。同社株式は、ファンド子会社がTOBと買い取り等で全株式を取得し上場廃止となる予定。
 
MBOの理由は、大きな成長が見込める広告事業の強化に向けて積極的な投資を行っていくため、一時的なコスト増やキャッシュ・フローの悪化を招き、短期的な業績への影響が予想される。このリスクを一般株主に負わせる事を回避するため、との事。ただ、今後必要となる投資額や業績への影響は触れていない。
 
TOB期間は12月13日までで価格は60,000円。過去3カ月間の終値の平均値に40.8%のプレミアムを乗せたと言うが、過去3ヶ月間の株価は株式分割を考慮したうえで、上場来の安値水準。11月21日に発表された08/3期中間決算は主力の占いサイトの会員数が順調に推移、前年同期比80.6%の増収、同期61.8%の営業増益、経常利益に至っては前年同期の19億45百万円の赤字から4億45百万円の黒字に転換した。今後、業績の回復による株価上昇も期待できる中での上場廃止である。
 
 
大株主が賛同した場合、少数株主はMBO賛同せざるを得ないケースが多く、少なくとも昨今の新興市場に置けるMBOでは、少数株主が不利益を被るケースが多いように思われる。ただ、疑念を生じるようなMBOによる損失を回避する方法となると難しい。
 
手前味噌と言えばそれまでだが、ブリッジサロンのような機会を利用して、実際に経営者の話を聞き、その人となりに接してみる事は必要ではないかと思う。また、一度話を聞いたから良いというのではなく、機会がある毎に何度でも聞いて、一貫性があるか等を話す態度や受け答えの様子等も含めて再確認してみるべきではないかと思う。
また、質問の時間が設けられている場合、些細な疑問でも構わないので遠慮せずに質問して頂きたい。素朴な質問にも誠意を持って答えてくれているかどうか、それだけわかっただけでも収穫である。また、会社側にしても、質問される事によって、個人投資家がどのような事を考え、どのような疑問を持っているか等を把握する事ができ、ひいては個人投資家の理解、個人投資家向けIRの充実につながる。
 
今回例示された企業の経営者が不心得と言うわけではないが、仮に不心得な経営者がいたとしても、不心得な経営者よりも、会社の発展を考え目標に向かって努力する経営者の方が圧倒的に多い事は事実。一部の不心得な経営者によって投資家心理が萎縮し、新興市場を中心に株式市場に対する不信感が募る事は憂うべき事である。
 
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