ブリッジレポート
(4767)テー・オー・ダブリュー 川村 治社長
2002年8月8日(木)

六本木・ORIBEホールで行われたTOWの平成14年6月期決算説明会に出席しました。

平成14年6月期決算
「厳しい環境ながらも、当初計画を上回る決算を達成」

川村社長が、平成14年6月期決算の内容とポイントを解説しました。

売上高
8,600百万円
前期比
+13.8%
営業利益
902百万円
前期比
+19.3%
経常利益
883百万円
前期比
+20.8%
当期純利益
440百万円
前期比
+18.5%
EPS
50.15円
 


川村 治社長
  • オフィス移転による賃借料増、人件費増がありましたがそれを吸収し、増収・増益を達成。売上、利益共にピークを更新しました。
  • 株主資本比率も53.8%と50%を超しました。
  • またこの期から子会社ティー・ツー・クリエイティブが加わり、連結決算を発表。営業利益940百万円、経常利益 920百万円と早速貢献しています。
<平成15年6月期予想(単体)>
売上高
10,100百万円
前期比
+17.4%
営業利益
1,169百万円
前期比
+29.7%
経常利益
1,184百万円
前期比
+34.1%
当期純利益
644百万円
前期比
+46.4%
EPS
73.39円
 

<平成15年6月期予想(連結)>
売上高
10,200百万円
前期比
+18.6%
営業利益
1,252百万円
前期比
+33.2%
経常利益
1,247百万円
前期比
+35.5%
当期純利益
674百万円
前期比
+46.1%
EPS
76.88円
 


平成14年6月期の特色と傾向
「企画力、制作力で他を圧倒。不景気をフォローの風に」

1.引き続く発注サイクルの短期化
長引く不況に加え、昨年9月の米国同時多発テロ事件の影響で、企業のイベントなどに対する姿勢は冷え込み、同社の期首の制作見込残は3,220百万円と11億円減少しました。
企業は無意味な予算を削減し、その効果を厳しく見るようになっています。同時にあまり先の発注はしなくなっており、サイクルの短期化が顕著です。
こうした環境下、同社は期中制作高を5,380百万円獲得し、上記の11億円の減少を補って余りある売上8,600百万円を達成しました。
これは、提案営業に注力し「広告代理店担当者の更なる開拓」、「SP(セールスプロモーション)への集中」を行ってきたことによるものですが、そのベースには同社の高い企画力、制作力があることはいうまでもありません。
*同社では、イベントの規模、実施時期などが確定している案件を「A」、金額、実施時期などに不確定要素のある案件を「B」、80%以上の確度で自社が受注する見込みの案件を「松」と呼んでいます。制作見込残、期中制作高はその合計です。

2.小型案件の増加・中規模案件の獲得へ
この不況の中で、新規クライアントの獲得や広告代理店の新規担当者の開拓を進めました。
2000万円以下の案件は全体の82%を占めています。
新規顧客はさすがに最初は少額ですが、同時にこの新規顧客をリピーターとすることにも力を入れました。この結果、5000万円―1億円の大型案件も、この環境下にもかかわらず45%増加しています。

3.企画競合案件の勝率上昇
いわゆるコンペの勝率は平成13年6月期が22.1%だったのに対し、平成14年6月期は27.7%と前の期を上回りました。今後は30%を目指していくそうです。

4.提案案件獲得の増加・随意契約案件の増加
案件を「競合」、「提案」、「指定」と分類すると、提案案件は件数で前期比+78%、金額で+101.5%と大幅に伸びており、構成比も前々期13.2%(金額ベース)が前期は23.4%となっています。
景気低迷の中、待っていて仕事がやってくる環境ではなく、提案営業に注力しています。今期に入っても効を奏しているということです。

5.エンドユーザーの拡大
先ほどの新規顧客とも重なりますが、ワールドカップを契機としたエンドユーザーの広がりも見られます。韓国HYUNDAI自動車はワールドカップのオフィシャルスポンサーでしたが、モーターショーのブース受注など大型案件に結びついています。
またエネルギー、流通、素材など、いままであまり関係の深くなかった業種にもユーザーが拡大しています。

6.売りに結びつくイベントへ
企業は売上に結びつく「効果」を大変重要視しています。そのためSP(セールスプロモーション)の提案を積極的に進めています。
販促および制作物の売上高構成比は、前々期49.1%が前期は62.0%へ上昇しています。

以上のような特色・傾向は「企業にとって価値のあるイベント・SPを創造できる優れた企画力、制作力」があってこそであり、同社の強み・特徴がこの不況を逆にフォローの風に変えてしまったといえるでしょう。

 

今後の対応(中期事業計画をもとに)
続いて真木副社長が中期経営計画の数字とポイントを解説しました。

<連結>
 
平成14年6月期
平成17年6月期(予想)
売上高
8,600百万円
14,600百万円
営業利益
940百万円
1,990百万円
経常利益
920百万円
1,985百万円
当期純利益
462百万円
1,066百万円
EPS
52.9円
121.5円

この計画実現のために2つの基本方針を掲げています。

1.得意先の拡大へ
これまでは大手3代理店に集中することでノウハウと業界内でのプレゼンスを強化してきました。この基盤は完成したので、今後は戦線を拡大していきます。
新しい発注担当者の開拓や、直接取引きにも力を入れていきます。

2.業域の拡大:総合プロモーションカンパニーへ
6兆円市場の広告、4.3兆円市場のイベントへ更に事業領域を拡大すると同時に、3兆円市場のセールスプロモーションにより強く傾斜していきます。

そして目標達成のためのポイントとして、
総合的な提案力
多彩な専門能力
専門機能
拠点ネットワーク
実行責任担保力
提案営業の土台となるブランド力
の強化をあげています。

 

中期目標達成のための具体策
続いて草柳専務が「中期目標達成のための方針」についてより詳細に説明しました。

1. 得意先の拡大
大手3代理店に関しては、博報堂営業体制を再構築すると共に、新規部署への営業を進めます。
また東急エージェンシー、大広、読広など第2グループ専門対応チームの設置、ハウスエージェンシー(企業の保有する代理店)・外資系への営業拡大など中堅代理店も新規開拓していきます。
同時に直接取引きの顧客企業先も更に拡大していきます。これには同社の持つ様々な武器(韓国拠点、ISO14001)を活かしていきます。

2. 全員営業・全員企画体制の確立
イベントのみの発想から、顧客ニーズに軸をおいた発想への転換を促進し、提案営業マインド作りを徹底します。
そのために、チーム単位のフラットな組織の構築と、TOW SFA(Sales Force Automation)という営業支援システムの導入を行います。このシステム導入により、顧客情報をデータ化し受注状況を詳細に分析すると共に、社員の行動記録をデータ化して営業・制作活動を効率化します。
また、社員教育の徹底、ナレッジマネジメントの推進、社内報奨制度、採用システムの最適化を進めます。なかでも最大のポイントは全員のレベルアップの為の「社員教育」と考えています。

3. 特にSP分野の開発強化
イベントだけでなく、SP分野における様々な専門能力と専門機能の更なる開発と提案力の強化を図ります。
具体的には、
SP戦略本部の設置
企画提案領域の拡大と企画量産体制の確立を目指し、専門性の高いフリープランナーとの企画顧問契約。現在5人と契約しています。
アライアンスによる制作インフラの更なる整備。様々なSP関連会社とのアライアンスを進めます。
SPメディアの所有・運営。屋外広告ボードはたばこ会社の自主規制などで価格が低下し取得しやすくなっています。流通を確保し、提案できるSPツールを充実させます。
平成14年のSPの売上構成比は63%でしたが、平成17年には72%まで引き上げる考えです。

次に、秋本専務が粗利の状況とネットワーク構築について説明しました。

粗利は平成13年6月期 23.8% ⇒ 平成14年6月期 24.6%と順調に向上しています。従来施策の継続で一層の粗利率向上を目指します。


ネットワークの強化

全国および海外における提携の推進で業務効率と営業力拡大を狙います。
<国内>

  • イベント制作・運営の専門子会社「ティー・ツー・クリエイティブ」の設立で利益をグループ内に留保し、同時に専門的ノウハウを蓄積します。TOW本体は営業・提案に特化することが出来ます。
  • 「IT関連のイベント企画」、「印刷物に関する専門的ノウハウ」、「カスタマーアクセスにおける専門的ノウハウ」、「屋外広告における専門的ノウハウ」などを持つ国内のSPに関する専門会社との提携による専門的ノウハウで、営業力を拡大します。
  • 国内拠点ネットワーク作りにより、全国および地方での実施イベントを獲得します。全国に121名のイベントプロダクション・ネットワークを構築しており、その地方ならではの情報に基づいたイベントなどを提案、制作することが可能です。

<海外>
海外ネットワークの確立は同社にとって大変重要な戦略です。
日本企業のアジア市場への積極的な進出は今後益々拡大すると見られ、大きなビジネスチャンスです。日本の国内大手広告代理店は、広告中心のネットワークでありSP分野は未成熟と捉えており、SPに強い同社には有利な状況です。

STEP1.アジアを中心とした海外ネットワーク
韓国ユニワン・コミュニケーションズとの資本提携(2002年1月)
香港TOW連絡事務所(業務提携 2002年9月予定)
北京TOW連絡事務所(業務提携 2002年10月予定)
上海TOW連絡事務所(業務提携 2002年10月予定)
シンガポールTOW連絡事務所(業務提携 2003年6月予定)
広州の国際モーターショー、ソウルでの日本プリンターメーカーのビジネスショーなどの具体的な案件も既に出てきています。

STEP2.ハワイ、アメリカ西海岸を含めた環太平洋ネットワーク
ハワイTOW連絡事務所(業務提携 2002年10月予定)
ロスアンゼルスTOW連絡事務所(業務提携 2003年6月予定)

こうした国内外の拠点ネットワークによる効率的なイベントの実施により収益力を向上させていく方針です。

 

取材を終えて

この不況下、アゲインストの風の中でこうした実績を出すことが出来る同社の実力は目を見張るものがあります。
短期的には、文中に記した「A+B+松」についても、今期期首制作見込残が5,485百万円、今期売上予想が10,100百万円ですから期中の制作高は4,615百万円となりますが、環境の悪かった前期でも期中制作高は5,380百万円でしたから、前期並みの期中制作高となれば売上はこの水準ではとどまりません。
中期経営計画の目標達成のための各戦略、施策の進捗状況をフォローしていきたいと思います。

 
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