ブリッジレポート

(6914)オプテックス  小林 徹社長
2002年11月18日(月)

滋賀県大津市雄琴にあるオプテックスの技術センターを訪問しました。
IR担当の若林さんに同社のセキュリティ製品を見学させていただきました。
 


小林 徹社長

英国SEL社の屋外セキュリティシステム

昨年11月に英国の屋外センサ専門メーカーSecurity Enclosures Limited(SEL社)を100%子会社としました。
英国はIRA(アイルランド共和国軍)による都市部でのテロ事件などの影響で、公共の場で多くの監視カメラが設置されるセキュリティ先進国となっています。


犯罪抑止を目指した「屋外セキュリティセンサ」市場は今後も成長が期待され、高性能な防犯カメラや画像商品の監視カメラ起動センサの需要は益々高まると考えられ、同社ではSEL社の高性能な監視カメラ起動用センサに注目し、買収しました。

技術センターにはこのセンサシステムが設置されており、2階のロビーでその稼動の様子を見ることができます。
センサの認識範囲は最大200メートルとなっており、センサが動きを認識すると監視カメラが起動し、その様子を同社の画像記録装置であるWondertrackでHD、DVDに記録することができます。
このように非常に広範囲を監視できるため、用途としては工場、複合施設、大規模な駐車場、発電所、空港といった施設が多いということです。
これだけ広い範囲でありながら、対象が自動車であれば運転者の顔、ナンバーも明瞭に記録できますし、また、誤報が非常に少ないという信頼性も同社製品の大きな特徴です。
加えて、通信ボードを使用して画像を遠隔地に電送するシステムを開発、まもなく発売となりますが、こちらも引き合いが活発だそうです。

監視カメラを使ったシステムの伸びは年率15%とも予想されており、特に英国では超高性能監視カメラが成長しています。SEL社は売上の70%が英国国内向けですが、そのブランド力と営業ルートを活用し、来期には英国以外に欧州、北米への拡販を目指しています。また日本でも郊外型施設などで採用が始まっています。
将来的には、監視カメラおよびシステムのコンセプトを全世界に提供することを目指しています。

 

「撃退センサ ワンダーセーフ GT21」

続いて同社の新製品である「撃退センサ ワンダーセーフ GT21」のデモンストレーションを見学しました。

最近の新聞、ニュースなどで見る盗難事件の特徴は、200−300Kgもするような金庫を大人数で短時間内に運び去るというものです。犯人はストップウォッチで時間を計測し、「5分」を目安に犯行を続けるか、諦めるかを決めているということです。
従来の機械警備(侵入者があれば通知し、警備員が現場に駆けつける警備方式)は、警備業法で通知から25分以内に現場に駆けつければよいことになっています。実際には25分かからないにしても、犯行が短時間で行われるようになり、現在の犯罪事情にはそぐわなくなってきているとも言えます。
これに対して同社では「侵入を通知するだけでは不十分で、威嚇、撃退して犯行を未然に防ぐことが必要」との考えで、以前から様々な試行を重ねてきました。その一つの結論がこの「撃退センサ ワンダーセーフ GT21」です。

最大の特徴は、侵入の段階に応じて警告、威嚇方法を変える「段階警備」で、このコンセプトは特許となっています。
図にあるように、内蔵センサの2重検知方式により、A・B2種類の検知エリアを使用することで,侵入の段階に応じて撃退を行います。



ステップ
侵入者がエリアAに侵入すると音声で警告。
ステップ
さらに近づき、エリアBに侵入すると撃退音で威嚇。
ステップ
ステップ△凌号出力より5秒後に撃退催涙ガスを噴射。もしくは、 Bエリアに侵入後、金庫を持ち去ろうとした時に、取り付けられたマグネットスイッチが作動すると、同時に催涙ガスを噴射。

使用される催涙ガスはワサビ成分のガスで、100CCが噴射され、広さ15畳の部屋であれば暫くは入ることができないくらい強力です。(ただし、人体に大きな影響はなく、数日すれば症状はなくなります)
また、他の外部センサと組合わせて連動させることで、監視の範囲をより広げることも可能ですし、もし本体に破壊行為をされた場合は、内蔵した衝撃センサが検知し、直ちに催涙ガスを噴射します。
電源を切断された場合でもバックアップ電源で10時間は稼動します。

会議室で実際の稼動の様子を見せてもらいましたが、大きな音声と警告音の後に、小型ながらかなりの勢いで催涙ガス(実験なので芳香剤でした)が噴出され、威嚇効果を充分に感じることができました。
警察の調べによれば、侵入者の80%は「警告音」で逃げるということで、音とガスを組合わせることで威嚇、撃退の効果をより一層高める仕組みとなっています。
このシステムにより、機械警備の弱点を補強すると共に、自分の資産を自分で守る新しい警備システムを提供するのが同社の目的です。

2001年7月に開発に着手し、この10月に初出荷となった同製品は、ターゲットとして、店舗や事務所内に金庫や重要物があり盗難や犯罪に不安がある等セキュリティ意識が高い業種、具体的には金券ショップ、質屋、スーパー、消費者金融、一般事務所、郊外型独立店舗等を想定しており、警備会社を始め多くの法人ルートを持っている企業を通じての販路を開拓していく考えです。
私の取材中にも、京都のテレビ局からの取材申し込みが来るなど、注目を集めそうな新製品です。

 

「SAFTY & SECURITY WORLD  OSAKA2002」を見学

今度は大阪に向かいました。
大阪国際会議場で「SAFTY & SECURITY WORLD  OSAKA2002」が開催されており、同社を含め約60社が出展していました。
ホームセキュリティ、監視・通報システム、カーセキュリティ、ピッキング対策など様々なセキュリティ関連の製品、サービスが展示されていましたが、目に付いたのはカメラを中心とした画像関連製品でした。
同社のようなメーカーだけでなく商社、代理店も出展していたのですが、若林さんによれば、韓国や台湾メーカーの安価な製品を取り扱っている所も多いということです。
一見するとどれも同じようにも感じますが、性能、信頼性、システム構築といった観点からは日本製品の方が明らかに優れているそうです。また同社では日本の警備会社、メーカーにOEM供給を行っており、その製品も展示されていました。
海外向け売上が全体の約60%と国内での知名度は今一つかもしれませんが、高い技術力、開発力を背景に業界内ではしっかりとその実力が浸透していると感じました。

 

取材を終えて

前回のレポートでも触れましたが、同社はセキュリティ事業に注力して継続的な成長を図っていく考えです。そのベースとなるのが、「セキュリティニーズの変化に対応する」ことです。
機械警備システムには「誤報の多発」や「契約獲得競争激化による料金低下、人件費カットでサービス低下」など既に限界が来ており、誤報低減のための「高信頼性センサ」、「画像監視」や、従来の事後通報ではなく事前プロテクションのための「自己警備」、「アウトドアプロテクション」に対するニーズが高まると同社では考えています。
このニーズに対応した製品として、今回紹介した「撃退センサ」等の製品、システムが送り出されてきたわけで、着実に継続的成長のためのステップを進めていると理解することができました。
販路拡大の進捗状況などを始めとした、今後の拡大、成長の様子を注目していきたいと思います。

 
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