ブリッジレポート
(4317)レイ/ 分部 日出男社長
2002年12月19日(木)

レイの施設見学会に参加しました。
分部社長、渡辺室長に、同社の芝浦テクニカルセンター、五反田のスタジオ「マックレイ」を案内していただき、同社のハイレベルなデジタル技術と、その実際の活用・制作の現場を見学しました。


分部 日出男社長

「POWER OF DIGITAL」

まず六本木の本社で分部社長から、お話がありました。
設立当初は、レーザーを使った演出、ディスプレイが中心でしたが、1990年にデジタル映像に進出し、映像の編集・加工、コンサート・イベントなどにおける演出機器レンタルで大きく成長。1999年からは映画、CM、放送番組、イベント、インダストリアル・デザインを含めたデジタルコンテンツ制作の総合企画へ進出し、デジタル技術を核としたコミュニケーション&コンテンツ企業として更なる成長を目指しています。「POWER OF DIGITAL」という同社のフレーズはその意志の表れです。


現在、デジタルコンテンツの事業構成比は28%となっています。

同社では、10年以上も前からデジタルインフラへの設備投資を行っており、デジタル映像に進出以降累計74億円を投資しています。
この蓄積が、今後の映像のデジタル化、ネットワーク化の中で、大きな競争力になると考えています。
新型デジタル映像演出機器、映像装置に素早く取組み、業界で最も早くデジタル映像インフラを揃えてきた同社は、企画から制作まで一貫して全てを受注できる点が大きな強み・特徴です。

今回の見学会は、「制作現場、そのプロセス」、「中長期的に『映像』がどのように変わっていくか?」を実際に見て、同社の事業内容、技術レベルの高さ、強み、今後の姿を理解してもらうために開催されました。

 

芝浦テクニカルセンター

まず最初に伺ったのは、芝浦にあるテクニカルセンターです。
ショーテクニカルユニットの石幡ユニットマネージャーに説明していただきました。
芝浦以外に東京にもう1ヶ所と大阪の2ヶ所の合計4ヶ所で、同社のレンタル用演出機器が管理されています。

主要な機材としては、以下のものがあります。
・ プロジェクター: 大型DLP(デジタルライト・プロセッシング)プロジェクター
・ モニター: LCD液晶モニター(6インチ〜30インチ)
・ プラズマディスプレイ: 37インチ〜61インチ
・ キューブ: マルチモニター 4面、9面など自由に設計できます。
・ LED: 自発光型大型ディスプレイ(野外用&屋内用)

大型LED
   
・ ウォータースクリーン: エンタテインメントに効力発揮
   
・ エンタテインメントロボット
  
  エンタテインメントロボット「イラノ」

 

 

 

 

 

 

 

 

これらの機材を使い、イベントの目的や状況に最もふさわしい演出を総合的に提案しています。
従来は、ハイエンド機器のレンタルとオペレーターで大型コンサートやビジネスショウなどを構成するのが中心ビジネスでしたが、昨年からはこれに加え、「良質なプレゼンテーションはビジネス成功の鍵」をキーワードに、一般企業向けにプレゼンテーション専門の映像機器レンタルを行う「プレント(Presentation+Rental)」というビジネスを立ち上げました。
オフィスでのミーティングはもちろん、展示会、セミナー、パーティー、ショーイベントまで、あらゆるビジネスコミュニケーションの場で効率的なサポートを提供することを目的としています。
プレント事業の特徴は以下の3点です。

  1. 低価格、シンプル&スマート
  2. 機器の幅広いラインアップ(半年毎最新機器に更新。パッケージで選びやすく。個別ニーズにも対応など)
  3. 全ての運用をフルサポート

昨年10−11月の月次受注は計画を上回る、120−130件となり、順調な立ち上がりのようです。
大手企業が低価格を武器に進出してくることも予想されますが、同社では運用サービスを付加していくことで差別化を図り、今後はハイエンド機器とプレントによって「映像演出機器レンタル業者のナンバーワン」を目指していく考えです。

倉庫内には、大型のLEDやプラズマディスプレイ、モニターなどが所狭しと並べられていました。LEDでは、同社が手掛けているコンサートの様子が映し出されていました。また、テレビ等でおなじみのエンタテインメントロボットもあり、リモートコントローラーで動いていましたが、このロボット操作の裏方も多くのケースで同社が受け持っているそうです。

 

「マックレイ」五反田スタジオ

続いて、五反田東口の東京デザインセンター内にある「マックレイ」五反田スタジオへ向かいました。
ここでは、デジタルコンテンツ事業担当の小田原専務に案内していただきました。


小田原専務が
「パワーカクテル」の前でレクチャー

マックレイの特徴
マックレイは、先端のフルデジタル映像加工技術を備えた次世代の総合スタジオで、フルデジタル・ノンリニア編集システム「インフェルノ」を日本で始めて導入し、これを高速LANでネットワークさせています。この制作環境は、デジタル映像の表現力、制作業務の効率化、円滑化を飛躍的に高めているということです。
スタジオの中では、NHKのドキュメンタリー新番組のタイトル部分の制作や、携帯電話のCM制作が行われていました。

また、3次元CG(3DCG)制作のためのLinux OSを採用した「パワーカクテル」を独自に開発し、クラスターリンダリングサーバーとして導入しました。
3DCG制作においては、レンダリングという作業に非常に時間がかかり、制作者が拘束されてしまい実際の作業に集中することができないのが問題だそうです。パワーカクテルは、この時間のかかるレンダリングを効率的かつ超高速に処理し、使用されるコンピュータ群から全てを自動的に管理します。これによって制作者は煩雑なレンダリング作業から開放され、主たる制作作業に専念することができます。これをユーザーにレンタルするビジネスも開始しました。

*レンダリングとは?
画像を生成する計算処理のこと。
3DCGソフトは、生成される画像の画素単位に、その画素に写る形状や形状の明るさを順番に計算していく処理を行ないますが、この作業をレンダリングと呼びます。レンダリングは時間がかかることがあるが、これを行わないと最終的な画像が得られない必須作業です。

DVDコンテンツ発売
以前から東芝と協力してDVDの研究開発、市場浸透に携わり、様々なジャンルのDVDを制作してきましたが、グループ会社デジタルサイトが2002年8月にオリジナルレーベル「DreamTime」を立ち上げました。
これはDVDで映像付きの音楽コンテンツを提供することを目的としたもので、第1弾として「We Are The World」を昨年12月に発売しました。
このDVDの注目すべき点は、音楽が5.1ch化されているという点です。約20年前のレコード、ビデオ発売時はステレオサウンドだったのですが、デジタル技術によって、より深みと広がりを感じることができる5.1chへと生まれ変わったのです。
マックレイには6.1chサラウンド対応のMAスタジオがあり、そこでステレオとサラウンドの違いを実際に聞かせてもらいました。
2つの音を聞き比べてみると、その違いは極めて明白でした。見学会の記念にこのDVDを頂いたので早速家に帰ってから聞いてみると、懐かしいあの曲を当時とは違う迫力で体験することができ、非常に嬉しく感じました。また当然ながら画質も大変きれいでした。
新レーベルは、音楽作品において可能なかぎり5.1ch化していくそうです。現在は世界中からコンテンツを集めているところで、30−40歳のユーザーをコア・ターゲットに、アニメ、音楽、映画DVDを発売していく考えです。
DVDの画質・音質の向上、ハードの低価格化などからDVDユーザーは今後急速に拡大することが予想されています。

各種映像を体験
最後に同社が制作した様々なデジタル映像を見せていただきました。

<3DCG>
テーマパーク等でおなじみの特殊メガネをつけての鑑賞でした。映像中のキャラクターが、同社のデジタルによるHD(高精度)画像がどのようなシーンで使われているかをわかりやすく解説してくれました。質感に溢れた大変リアルな映像でした。

<デジタル映像によるCM>
いつもテレビで見ているCMですが、「これもデジタルで制作されているんだ」と気付かされました。
マックレイのHD撮影部は一昨秋から100本以上のCM制作に参加しています。
HDの第1のメリットは、利便性やコストパフォーマンスです。1,000コマのスロー画像もフィルムの場合は翌日でないと内容確認できないのが、デジタルであればその場でのチェックが可能であるなど、フィルムで撮影する場合に比べ、現像、フィルム費が省ける上に、長時間や低照度の撮影も手軽にできるため機動力が大幅にアップします。
こうしたCMのテープレス化は、コスト削減意欲の高い企業ニーズに応えて急速に進んでいます。また、映像のクオリティも極めて高い水準に達してきており、一度使った企業はリピーターになっているそうです。
昨年の春頃には月10本の制作でしたが、現在では20本にまで増加しています。
また経済的メリットのみではなく、マックレイの最新機器とその能力を十二分に発揮させる同社のノウハウ、マンパワーが業界では高く評価されているということです。

<デジタルシネマ「アカルイミライ」>
2003年1月公開予定のこの映画は、グループ会社のデジタルサイトとアップリンクが共同制作、マックレイが製作協力を行った、デジタルシネマです。
撮影はすべてHDカメラを使うため、ライトはほとんど使用せず外光だけで撮影したにもかかわらず、クオリティは高く「往年のハリウッドスタジオでのフルライト撮影を再現したような感じ」と黒澤清監督も満足だったそうで、従来のフィルムにはない新しい作風を生んでいくものと期待しています。
2004年までに全国で都市型コンプレックスに78スクリーンが増設される見通しで、そのうち半分はDLP(デジタルライト・プロセッシング)の導入が検討されており、コンテンツをデジタルで保有し、配信する重要性が増していると考えています。

*DLPとは?
微小な鏡を100万枚以上備え、高速で光を反射して画面に映像を映し出す方式で高画質を可能にします。PDP(プラズマディスプレー)、液晶、FED(電界放出型ディスプレー)など他の様々なディスプレー方式に比べ、大型化に最も適しているテレビ技術です。

最後に、分部社長、小田原専務が質疑応答も交えながら、ポイントについてお話くださいました。

<地上波デジタルの開始>
先日新聞記事にもなったように、2011年をもってアナログ放送は終了し、地上波も全てがデジタルHD時代になるなど、デジタルの波が大きく広がる時代に期待しています。 そうした環境下で、企画制作、撮影からフィニッシュワークまで映像制作全般についてサービスを提供していくワンストップソリューションを目指しています。またこれに加え、エンコーディングやネット配信などもサービスとしてサポートしていき、コンテンツ制作全般に関するアドバイス、コンサルティングも行っていきます。
こうした「ワンストップソリューション」を提供できるのは、同社くらいのもので、この強みを十分に発揮していきたいと考えています。

<15%成長>
グループ全体として毎年15%程度の成長を目標としています。

<コンテンツ制作におけるリスク管理について>
同社はコンテンツ制作における使用機材は全て自社のものを使用します。
一見すると投資リスクが高いように思われますが、実際にはその機材のレンタル収入も見通した上で、採算が合うと判断した場合のみ制作を行い、逆であれば制作に踏み切りません。結果としてリスクは少なくなっています。

 

見学会を終えて

今回の見学会は、同社の事業内容、技術力の高さなどを知る上で大変参考になるものでした。特に五反田スタジオで見たデジタル映像や5.1chサラウンドへの変換は大変インパクトがありました。
また、DVDに関しては、「We Are The World」のほかにも、「genesis」、「ロックンロール伝説ライブ」、「ブリティッシュ・ロック・シンフォニー」などのラインアップが今後予定されています。当時レコードを買って聞いていた自分としては、映像も音楽も鮮明になって再び聞くことができるのは個人的にも嬉しい状況です。
取り巻く環境は厳しいものがありますが、プレント事業も順調に立ち上がっているようで、引き続きウォッチしていきたいと思います。

 
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