ブリッジレポート
(4767)テー・オー・ダブリュー/川村 治社長
2003年2月7日(金)

テー・オー・ダブリューの2003年6月期中間期決算の説明会に出席しました。
川村社長を始めとした経営陣が決算概要、今後の展開などをお話になりました。


川村 治社長

平成15年6月期中間決算の概要
「計画をほぼ達成し大幅な増収・増益」

まず川村社長が、決算概要について説明されました。
不況が長引く中、決して良好な経営環境ではありませんでしたが、前年同期比で大幅な増収増益となりました。ワールドカップがあったということもありましたが、当初からこれを計画に入れたうえで、売上、利益ともほぼ計画どおりに達成することができました。
営業利益率が、前中間期9.7%から今中間期12.1%へと上昇したことが注目されます。これは同社の強みである企画提案力の成果と、川村社長は考えています。


また財政状態においても株主資本比率が単体で51.1%と50%超を初めて超えました。 なお今中間期から連結決算を発表しています。

<単体、単位:100万円、%>
実績
前年比
売上高
5,001
+30.0
営業利益
606
+62.9
経常利益
606
+69.7
中間当期純利益
278
+69.5

<今中間期の特色>
1.発注サイクルの短期化続く
景気低迷を受け、企業の発注サイクルが引き続き短期化しています。実施直前まで大幅な増減が起きています。例えば、ある大型ビルのライトアップ計画(1億円規模)があり、数回のリハーサルを行ったにも拘わらず実施の10日前にキャンセルとなりました。反対に、あるパチンコメーカーに対して、従来とは違うパーティー形式の代理店向け新製品展示会を提案したところ、10日前に発注があったそうです。
このように、企業はぎりぎりまで意思決定を行わないという傾向が益々強くなっています。 これに対し同社は、SP(セールスプロモーション)への注力によって短期案件を獲得すると共に、企画提案力を強化して受注の積み上げを図っています。

2. 機動力・体力のあるプロダクションの優位性
制作会社にとっては厳しい環境ではありますが、同社のような大手にはかえって有利と川村社長は考えています。
発注の短期化に柔軟に対応できるのは機動力、体力に勝る企業であり、そうした企業は同社を含めてそうないということです。
同社では正社員、契約社員合わせて15名の企画プランナー体制をとっており、この結果、企画本数は407本(前年同期275本)、案件獲得数104本(前年同期76本)と大幅に増加しています。
また、商品の売上に直に結びつくSPも3,788百万円(前年同期比 +63.0%) と拡大しています。
ただ、2001年9月のテロ事件後は、1000万円稼ぐのにテロ前の1.5倍の労力が必要という状況にはなっているそうです。

3.小型案件の増加・中規模案件の獲得
大型の案件が減少している中で、1000万円から5000万円といった中小規模の案件が順調に増加しています。1件あたりの単価はほぼ横這いとなっています。

4.エンドユーザーの拡大
顧客の業種を見ると情報・通信が1,701百万円(前年同期比 +41.6%)と伸びましたが、従来の携帯電話会社ではなく、NTTグループに新規の営業を行ったところ受注が獲得できました。自動車も予定どおり伸びました。
また、食品・飲料・嗜好品といったセクターで、ピンポイント営業が成功したばこなど新たなユーザーを獲得することができました。

5.提案案件、随意契約案件の増加
前年同期比
競合
1,714百万円
+21.8%
提案
1,247百万円
+33.7%
随意
2,006百万円
+37.3%
企画提案力を引き続き強化した結果、競合にならない案件が増加しました。
この提案ができる会社は数少ないのが現状です。提案を受け入れてもらうには、顧客の性質、状況などをしっかりと理解していることが必須であり、そうでないと、的外れの提案となってしまいその時ばかりでなく、その後も評判を落としてしまうそうです。

<制作見込み残高>
同社では制作見込み残高を発表しています。
受注がほとんど確実なものの合計が2月5日現在で7,768百万円(前年同期7,009百万円)、競合案件と50%以上の確率で受注できる見込みの合計が2,485百万円(前年同期1,641百万円)となっており、着実に積みあがっています。

<通期見通し>
個別
連結
売上高
10,100百万円
10,200百万円
経常利益
1,184百万円
1,247百万円
当期純利益
644百万円
674百万円
EPS
52.93円
55.45円
指標としては、売上高経常利益率12%をキープしていきたいと考えています。

 

当期の営業戦略:状況と対策
続いて草柳専務が当期の営業戦略を説明されました。

営業上では、提案営業を徹底して行い、全員営業・全員企画の方針の下、以下の2点に力を入れてきました。

1.得意先の拡大
電通、博報堂への営業と同時に、中堅代理店の開拓に力を入れてきました。
結果として、東急エージェンシー、大広といった代理店からの受注が大きく伸びています。
売上高に占める中堅代理店のシェアは前中間期11.1%が今中間期は16.5%となっています。

2.SP分野の開発強化
販促、制作物を合わせたSPの売上高構成比は前中間期61.2%が今中間期 76.2%と約15ポイント上昇。中でも制作物は512百万円が1,080百万円と倍増しています。

下期については以下の3点に力を入れていきます。

  1. 中堅代理店に関しても専任担当営業を強化
    いままでは電通・博報堂に対し行っていた、相手代理店の名刺を持ちデスクも置く、専任担当営業を東急エージェンシーでは昨年9月から、大広には今年3月から配置します。
  2. 企画顧問の拡充
    企画力の優れたプランナーを顧問として囲い込みます。11月時点で4名の顧問を、下期には2名増強する予定です。
  3. SPアライアンスの強化
    印刷、デザイン事務所などSP専任の制作会社から3名の人員を受け入れています。ソフトを充実させるためもう1名増やす方針です。


ネットワークの強化
次に、ネットワークの強化について秋本専務が説明されました。

従来から進めてきた国内外のネットワーク構築は着実に進行しています。

2002年1月: 韓国No.1プロダクション、ユニワン・コミュニケーションズと資本提携
2002年9月: 香港、北京、上海に連絡事務所開設
2002年10月: ホノルルに連絡事務所開設
2003年6月: ロサンゼルス、シンガポールに連絡事務所開設予定

これで今期末にはTOW環太平洋ネットワークが確立されます。

2002年10月には韓国エレクトロニクスショーでパナソニックのブースを、11月には中国・広州モーターサイクルショーのスズキのブース運営を行い実績を積み上げています。
海外のイベントは国内と同じクオリティーを保つことが難しい部分がありますが、同社ではこうしたネットワーク力により、質を落とさず経費をセーブすることができ、顧客企業からも高く評価されているそうです。

一方国内では、昨年設立した制作子会社T2クリエーティブが順調に成長しているとともに、アライアンスの更なる充実、国内テクニカルネットワークの確立等で、ESN(イベントスタッフネットワーク)は、昨年8月 121名が2003年1月には171名まで拡大しています。
この海外・国内ネットワークは他には見られないものであり、これをより強化することで更なる競争力の向上を図っていきます。

 

その他の施策の進捗
最後に真木副社長がその他の施策の進捗状況についてコメントされました。

1. 攻めの環境ISOへの転換
同社は環境ISO14001を3年前に取得しましたが、単に取得しただけでなく「環境」を軸とした受注拡大を進めています。

具体的には、ISO14001を取得している企業からの受注もしくは環境イベントで、イベント・制作の総本数の35%を占めるようにするという目標を立てており、現在のところ目標どおり進んでいます。

2. 採用システムの充実化
昨年は新卒の応募者数が約10,000名に上りました。その中からインターンシップなどを経て、12名を採用しました。
また優秀なプランナーを育成する目的で始めたプランナーズスクールも3年目になり、質的向上が見られます。この出身者から3名を採用しています。

3. ナレッジ・マネジメントの推進
情報、スキルの共有化を積極的に進めています。
「会場」、「講師などの人材」に加え、最大の財産である「企画書」を全員が活用できる仕組みが整備されています。


取材を終えて

決して良好とはいえない環境下で、しっかりと計画を達成する同社の実力がよく理解できた説明会でした。
また、ネットワークの強化も着実に進行しており、これも同社の強さを更に高めることになっていくのでしょう。
今後も引き続きフォローしていきたいと思います。

 
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