ブリッジレポート
(4709)インフォメーション・ディベロプメント/尾崎 眞民社長

2003年5月20日(火)

 

麹町の本社で開催されたインフォメーション・ディベロプメントの決算説明会に出席しました。 舩越副社長が決算概要、今後の取り組みなどをお話になりました。


尾崎社長と舩越副社長


2003年3月期決算概要

<連結>
(単位:100万円)
実績
対前年比
売上高
11,668
+5.3%
売上総利益
2,270
+22.5%
売上総利益率
19.5%
+2.8ポイント
経常利益
591
+8.3%
当期純利益
274
+0.5%

最大のポイントは「粗利率の向上」です。
同社では前々期のプロジェクト管理の失敗を踏まえ、外注管理の徹底と生産性改善に取り組んできました。その成果が出てきたと考えています。

一方、
営業部門強化のための人員増
SD(ソフトウェア・ディベロプメント)はピーク利益を更新したものの、ソフトウェア開発の低迷でIDnet、スペースリンクといった子会社は業績不振
IDnet社清算に伴う事業撤退損(30百万円)、投資有価証券評価損(81百万円で過去最高)
などの要因で、営業利益以下は一桁の増益にとどまりました。

セグメント別売上では、ソフトウェア開発が8.6%減となったものの、同社の特徴・強みであるシステム運営管理 +12.8%、データ入力 +8.6%と、業界全体が不振な中で、安定した伸びを示しています。 プロジェクト管理強化は大幅に改善。コンサルティング力強化、品質管理力については引き続き改善中です。

そうした中、「営業力の強化」が新しい課題としてあがっています。

 

2004年3月期計画

<連結>
(単位:100万円)
予想
対前年比
売上高
12,506
+7.2%
経常利益
729
+23.3%
当期純利益
384
+40.3%

<部門別売上予想>
予想
対前年比
ソフトウェア開発
5,204
+14.6%
システム運営管理
5,620
+6.4%
データ入力
1,100
−8.1%
その他
582
−11.0%

急速なV字回復ではなく、内部、足元をもっとしっかり固める必要があると、船越副社長は考えています。
子会社では、SDが減収・減益となる一方プライド、スペースリンクの黒字転換を見込んでいます。

また社内システムの改革により、部門別の受注残も公表できるようになりました。

(単位:100万円)
受注残(A)2003.5現在
今期売上計画(B)
A÷B
ソフトウェア開発
1,715
5,204
32.9%
システム運営管理
2,870
5,620
51.0%
データ入力
84
1,100
7.6%
その他
27
582
4.6%

 

新中期ビジネス戦略

まず中期のビジネス戦略を踏まえた上で、今期の具体的な戦略を説明されました。

*短期ビジョン&戦略(2004年3月期)
 <ビジョン>
  売上高    125億円
  経常利益率   5.8%
  <戦略>
   ・ 既存顧客へのBOO展開
   ・ コスト削減による利益率保持

*中期ビジョン&戦略(2006年3月期)
   <ビジョン>
   売上高    160億円
   経常利益率    10%
   <戦略>
    ・ 付加価値業務へのシフトによる売上拡大及び利益率アップ
    ・ 業務工程シフトによる利益率改善。

*長期ビジョン&戦略(2008年3月期)
    <戦略>
     ・ 新規主要顧客開拓による売上高拡大
     ・ 付加価値業務比率の拡大による利益率の更なる改善

中長期的に売上高成長率で年平均10−12%増を目指していきます。

  • 売上原価率78%、販管費率11.2%を中期目標とし、そのために短期的には「生産性の向上」、中長期的には「高収益性売上比率の拡大」と「売上拡大」を目指します。
  • 売上高成長のために、36期(2004年3月期)「既存顧客への売上浸透」、37期「技術シフト:新規製品・サービス売上増」、38期「顧客シフト:新規主要顧客売上増」を進めます。
  • 収益性改善のためには、36期「生産性の向上:業務管理の徹底など」、37期「技術シフト」、38期「業務シフト:開発売上増、上・中流工程への集中」を進めます。
  • 営業キャッシュフローが拡大していく中で、短期・長期の借り入れ返済を増やし、有利子負債の削減を進めていきます。
<中期経営計画の損益計算書>
(単位:100万円)
04/3
05/3
06/3
売上高
12,506
13,972
16,038
経常利益
729
1,036
1,600
経常利益率
5.8%
7.4%
10.0%
当期純利益
384
562
879
ROE
8.4%
11.1%
15.0%

 

2004年3月期のビジネス戦略

アクションポイントとして以下の3点をあげています。

1. 効率的な営業活動
・ 既存顧客へのBOO展開
BOO「ビジネスアウトソーシング」とは、川上から川下まで幅広く業務を受託することで、1社に対しシステム運営管理とソフトウェア開発など複数のサービスを提供します。
現在同社グループには200社の顧客がありますが、その内BOO顧客数は41社で、BOO顧客1社当り売上は2.1億円と非常に高いものとなっています。
そこで残りの159社をターゲットに、BOO顧客数を増加させることで売上増を狙います。

・ 顧客の選択&営業の集中
一口でSIer(システム開発業者)といっても、通信系SIer、本業サポート系SIer(銀行、損保、電力など)はシステム開発、インテグレーションなど得意業務に偏る傾向があります。逆にシステム運営管理など、顧客SIerが手がけていない分野を受託する営業を積極的に展開していきます。

2. 生産性の継続改善
コストマネジメントの徹底を図るために、BSC(バランス・スコア・カード)を導入します。これによって計画数値の達成と問題の早期発見・修正・解決を図ります。
また、人件費管理、プロジェクト管理、外注管理など前期に一定の効果を示した生産性管理・改善をさらに徹底させていきます。

3. 技術競争力の育成
前期からの継続としては、
 ・ 汎用系からオープン系への技術者シフト
 ・ セキュリティエンジニアの育成
 ・ 上級SE/PMの育成
を推進し、加えて
 ・ 中型/オープン系開発案件への積極的な営業展開
 ・ 生産性の向上(コスト削減)
 ・ 不採算案件の改善/整理(選択と集中)
を行うことで、マーケット競争力の高い分野へ技術シフトを進めていきます。

 

取材を終えて

船越副社長の言葉によれば「苦労した1年」でした。
前々期はプロジェクト管理の失敗が発生し、前期はその改善を進めその成果を出すことができましたが、今度は景気低迷の中で営業が思ったように展開できませんでした。
今期以降は、生産性向上の仕組みが出来上がった上で、売上高成長を図ります。
子会社IDnetを清算し、IDに経営資源を集中。社内の仕組みをもう一度見直して来期以降の回復を目指していきたいと決意を表明されていました。

またコーポレートガバナンス委員会を設置して、社員の意識を調査した上で新たな人事制度構築に着手。また意思決定のスピードアップを目指して執行役員性を導入し、取締役を減らしています。

今期の3つのアクションポイントの進捗状況を中心に引き続きフォローアップしていきたいと思います。

 
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