ブリッジレポート
(9374)

ブリッジレポート:(9374)軽貨急配 vol.3

(9374)軽貨急配/ 西原 克敏社長
2003年5月20日(火)


西原 克敏社長

軽貨急配の決算説明会に出席しました。
西原社長が決算概要、今後の取り組みをお話になりました。

 


決算の概要

<連結> 
 (単位:100万円)
実績
対前年比
売上高
36,111
+12.1%
営業利益
1,197
-46.7%
経常利益
1,257
-46.4%
当期純利益
541
-48.6%

<セグメント別状況(連結)>
売上
前年比
営業利益
前年比
運送事業
25,379
+13.1%
365
-55.0%
開発事業
10,732
+9.8%
2,437
-12.4%

運送事業
物流コスト削減意識が一層強まっており、低コストでの小口配送ニーズや企業の物流アウトソーシング需要の拡大を背景に積極的に需要を取り込みました。
既存事業の一社専属型の運送サービスは、16,073百万円(前期比 +5.2%)と堅調に伸びました。これに加え、新たに開始した法人向け軽貨物積合せ小口配送便「軽貨急配B2BEXPRESS」も3,592百万円(前年比 +59.5%)と計画(1,300百万円)を大きく上回る伸びとなりました。
また、付帯作業、倉庫作業などの運輸付帯サービスも2,684百万円(前年比 +42.2%)と順調に伸びています。

一方、契約ドライバーの確保が特に関東圏で難しく、前々期に1400台導入した提携会社への貨物軽自動車の運送売上保証料が過大となり、運送原価を上昇させました。
提携会社の車両稼働率は当期末で65.9%(期初 42.2%)となっており、今上期には100%稼動の見込みです。

開発事業
「委託事業主開発業務等」は、個人の与信状況の悪化や長期未収入金の増加などから、輸送品質の向上を最重視し、希望者の適正など、より慎重な審査を実施して、開発台数は前年並みとしました。
一方「軽貨物運送開業支援事業(同社の開発事業の一部を他社に外部委託すること)」は、順調に拡大し、提携会社からのリース料収入などが増加しました。
前の期の特殊要因だった法人向け軽自動車の大口販売がなかったため、営業利益は前年比でマイナスとなっています。

長期未収入金への対策は以下のように行っています。

  • 一定の延滞した債務者から車両を中古車として販売斡旋、債務に充当し発生を抑制します。
  • 債務者には独立請負人として軽作業や契約ドライバーとして業務請負を委託し、事業者を保護します。

これらの結果、244件、269百万円の回収を行うことができました。
また長期未収債権43億円を流動化しました。

 

今後の展開

<今期見通し:連結>
(単位:100万円)
04/3期予想
対前年比
売上高
43,391
+20.2%
営業利益
2,056
+71.7%
経常利益
2,006
+59.5%
当期純利益
1,163
+114.9%

<今期見通し:セグメント別状況(連結)>
売上
前年比
運送事業
33,371
+31.5%
開発事業
10,091
- 6.6%


運送事業
「B2BEXPRESS」をさらに拡大させ、首都圏のほか、近畿・中京へと展開し、既存事業の一般軽貨物部門、運輸付帯サービス部門と共に事業の柱として注力していきます。

04/3期予想売上
前年比
一般軽貨物部門
18,150
+12.9%
軽貨物積み合せ部門
8,297
+131.0%
運輸付帯サービス部門
3,801
+41.6%

開発事業
現在の雇用環境から、開業希望者は多いものの希望者の与信状況についてはさらに留意していく必要があり、自社による開発件数は減少する方向です。
しかしオーナーオペレーターの確保は必要であり、委託事業主開発業務の一部を他社にアウトソーシングする「軽貨物運送開業支援事業」を拡大。加えて、長期未収債権の債務者が保有する軽自動車を同社が代理で新規委託事業主に販売し、販売代金を債権充当することで早期回収を図る「委託販売」も推進していきます。
今期は、開業支援会社による開発件数 1,000件(前年 600件)、委託販売による開発件数 600件(前年 240件)を見込んでいます。

 

取材を終えて

以前のレポートでも触れましたが、同社では第2ステージの成長を目指し、新・中期経営計画(2003年3月期~2005年3月期)を策定。その柱は「次世代型ダブル・アウトソーシングへの進化」です。
これは、自社が直接行うダブル・アウトソーシングに加え、各種の形態で業務提携を行った委託先企業を絡めてダブル・アウトソーシングを複合的に展開することにより、「利用の経営を」更に拡大することを目指すというものです。
具体的な戦略としては、B2BEXPRESSに代表される「マーケットの拡大」と、業務提携、開発支援事業の推進による「事業基盤の再構築」をあげています。

その中期経営計画の下、以下のような数値計画を立てています。

03/3期実績
04/3期計画
05/3期計画
売上高
36,111
43,391
50,655
営業利益
1,197
2,056
3,715
経常利益
1,257
2,006
3,814
当期純利益
541
1,163
2,112

計画の柱の一つである「B2BEXPRESS」は今期も順調な拡大を見込んでいます。
中期経営計画の目標達成に向けた同社の動向を引き続きフォローアップしていきます。