ブリッジレポート
(4773)

ブリッジレポート:(4773)エー・アンド・アイ システム vol.4

(4773)エー・アンド・アイ システム/ 岡 良貴社長
2003年8月12日(火)

A&Iシステムをフォローアップ取材し、岡社長にお話を伺いました。


岡 良貴社長


2004年3月期第1四半期概況「増収・増益を達成」

<個別>
 
第1四半期実績
対前年同期比
売上高
2,283百万円
+19.9%
営業利益
93百万円
+21.0%
経常利益
91百万円
+21.6%
当期利益
53百万円

総じて厳しい環境ながらも、増収・増益を達成しました。

  • 主力のソリューションサービスの売上は、インターネット系システム構築を中心とするSI(システムインテグレーション)案件が順調に推移し、1,388百万円(前年同期比 +9.1%)となりました。
  • システム開発サービスは、金融機関を中心とした大型案件の受注に成功し、830百万円(同 +47.8%)となりました。
  • コンサルティングサービスは、業界再編の影響で64百万円(同 -7.4%)でした。
  • 今期から「サービス品質管理室」を設置して、より精緻なプロジェクト別品質管理を実施しています。
  • 営業部門の体制強化の費用増がありましたが、新規採用を昨年の73名から44名に減らしたこともあり、販売管理費を抑制することができました。


利益率向上へ向けて

業況に関して岡社長は、「底は打った」と見ていますが、デフレによるサービス価格の低下が続く中で、利益率を上げるために生産性の向上に力を入れています。

IT関連誌「日経ソリューションビジネス(2003年7月15日号)」による、2003年3月期ベースの情報サービス産業の営業利益率による収益力ランキング(売上高100億円以上158社)によると、同社は6.4%で第40位にランキングされています。
岡社長は、10%を超して1軍(おおよそ第10位以内)に仲間入りし、時価総額をまず100億円まで向上させたいと考えています。そのためには規模の拡大を図るより、まずは一人で二人分の働きができるくらい生産性の高い「仕事の仕方」を社員が身に付けることが最重要と認識しています。
そして「仕事の仕方」が身についた上で、M&Aなどで規模の拡大を図るという方針です。

岡社長が自社のSEに対して常に言っているのは「会計のわからない技術屋はいらない」ということです。
デフレ経済の下で、顧客企業のROI(投資対効果)評価が厳しくなり、少額の案件の決済権も一層経営層に近づいていく中で、ソリューションプロバイダーは従来以上に、「在庫が減るとか人件費が下がるといった財務諸表に表れる」経営直結のソリューションが求められているからです。
「単なる専門的な技術知識の提供では顧客は満足しない。経営者感覚に基づいて、顧客企業のビジネスモデルまで意識しながら顧客を開拓できなければならない」と岡社長は考えています。

そこで、同社ではこの経営者感覚を育成するために、管理会計、原価管理の研修を受けさせるほか、経営層の役職者に対して年間4回管理会計の試験を受けることを義務付けています。
岡社長は営業部門のフロアで電灯の消し忘れがあった際、そこにいた社員に「この無駄は損益計算書の5種類の利益のうち、どれに影響するか?」と質問するくらい、日常業務の中でも経営感覚の重要性を社員に意識させています。
また営業とSEの連携を深めて、営業力を強化するために、コンサルティングのできる営業担当者と、提案のできるSEとが新規事業につながる案件開拓にあたっています。

 

取材を終えて

「営業利益率10%超でメジャー入りを果たし、時価総額100億円」は2年以内にも達成したいと岡社長はおっしゃっていました。
また、経営者感覚の育成という点では、その究極の姿としては「個人B/S、個人P/Lの作成」であると考えています。
つまり、社員一人一人が一つの企業として、どのように自己の資産を有効に活用して、高い収益を生み出し、会社に貢献しているのかを明示するということです。

「低成長下でも生きていける会社、社員を育てたい」と考えている岡社長は、「自律と創造」という言葉で、競争が厳しく、低成長を余儀なくされる社会の中で、社員一人一人が自分と会社の明日を考え、真剣に社会と向き合い、自分自身が構造改革を進める必要性を訴えています。
「個人B/S、個人P/L」という考え方は、その点でも社員の意識付けのための有効な手法といえるでしょう。
足元の業績推移と共に、経営者感覚の育成を踏まえた営業力・技術力強化の動向などを引き続きフォローアップしていきたいと思います。