ブリッジレポート
(4955)アグロ カネショウ/櫛引 博敬社長
2004年2月26日(木)

アグロ カネショウの決算説明会に出席しました。
櫛引社長、古内常務が説明されました。


今後の経営方針
*事業ポートフォリオの再構築
以下の重点ターゲットへ経営資源を集中投下します。
 ・ 土壌処理剤
 ・ ダニ剤
 ・ 生物農薬


櫛引 博敬社長
 
平成15年度
平成16年度(予)
平成25年度(予)
土壌処理剤
2,000
4,200
7,000
ダニ剤
1,300
1,600
3,000
生物農薬
200
300
1,000
その他
3,800
4,400
5,000
合計
7,300
10,500
16,000

土壌処理剤の強化
1.BASFの土壌処理剤事業を買収
前回のレポートで紹介したように、ドイツの世界的化学メーカー「BASF」から土壌処理剤事業を買収しました。 買収した主要剤は、バスアミド(土壌防菌剤)、DD(土壌線虫剤)、ネマクロペン(土壌線虫剤。日本市場をターゲットに)、メタム(土壌防菌剤。欧州市場をターゲットに)などで、2002年度のBASFの売上高は約59億円でした。
同社が日本、韓国、台湾での販売を行い、ベルギーに新設した子会社「KST」がそれ以外を担当します。
KSTはBSFを始めとした海外メーカーからこれらの剤を仕入れ、販売します。 アグロ カネショウは、バスアミドとDD剤をKSTから仕入れて、会員店に販売します。
今回の買収によって、土壌処理剤における国内シェアは6位から3位へと大きく上昇します。

2.大型剤の上市
新しい大型線虫剤「AKD−3088(ネマキック)」を開発中です。
これはカネマイトフロアブルに次ぐ、自社開発による大型新剤です。
平成10年から登録のための試験を開始しており、約10億円の開発費をかけ、平成16年の申請、平成18年末の登録取得を予定しています。
年商20億円を見込んでいます。

土壌処理剤のマーケットは、以下の3段階で拡大していくと考えています。
・ 平成15年: BASFの土壌処理事業買収
・ 平成17年1月末: 農薬として臭化メチルの使用が原則禁止になり、代替品としてバスアミドの需要拡大
・ 平成19年末: ネマキックの上市

ダニ剤事業の強化
現在の主力商品カネマイトに加えて、平成19年には「AKD−1102」(年商20億円目標)、「AKD−2136」(年商5億円目標)、平成24年には「AKD−2115」(年商10億円目標)が上市される予定で、ラインアップを強化していきます。

生物農薬事業の強化
生物農薬の開発、輸出入を手がける「セルティス ジャパン」は、2004年1月から本格的に営業を開始しています。
何度もこのレポートで紹介しましたが、生物農薬の市場規模は現在、「国内30億円、全世界500億円」ですが、将来は「国内 150億円、全世界 1,500億円」へ急成長するものと予想されています。

*農家密着型営業の強化
「同社」、「農家」、「会員店・販売店・JA」の3者間での密な連携、情報交換を進めるトライアングル作戦を推進し、パーソナルコミュニケーションによる信頼関係を強化します。

*海外展開の推進
主力のダニ剤「カネマイトフロアブル」の海外における登録は、順調に進展しています。
・ 韓国: 平成11年4月登録認可(販売開始)
・ 台湾: 平成12年12月登録認可(販売開始)
・ 南米(エクアドル、チリ): 平成15年10月登録認可
・ アメリカ: 平成15年11月6日 食用分の登録認可
・ ヨーロッパ: 平成15年4月17日 登録申請。平成17−19年登録認可予定


2004年12月期決算概要
<単体>
(単位:100万円)
 
実績
対前年比
売上高
7,322
−6.0%
営業利益
−199
前期 114
経常利益
−178
前期 151
当期純利益
−260
前期  41

<連結> (連結決算は当期からです)
(単位:100万円)
 
実績
売上高
7,322
営業利益
−220
経常利益
−208
当期純利益
−278

経常損益は創業以来の損失となるなど、厳しい決算となりました。
無登録農薬の問題に対応した農薬取締法の改正(2003年3月)、食品の安全性への関心の高まりに伴う食品安全基本法の成立(2003年5月)などがあり、農業生産において農薬の使用を削減する更に強まりました。また、輸入農産物の増加による農産物価格の低迷、水田の減反政策継続などの影響から、農薬市場には厳しい状況となっています。平成15年度の農薬工業会出荷実績は数量で前期比3.1%減、金額でも3.5%の減少となっています。

製品別では、害虫防除剤の新薬「アルバリン」、水田除草剤「モゲトン」は好調でしたが、ダニの発生が少なかったことから「カネマイトフロアブル」の需要が減少したほか、害虫防除剤「マリックス剤」も需要が大きく減少しました。


2005年12月期予想

<単体> 
(単位:100万円)
 
予想
対前年比
売上高
9,100
+24.3%
経常利益
210
前期 −199
当期純利益
150
前期 −178

<連結>
(単位:100万円)
 
予想
対前年比
売上高
10,500
+43.4%
経常利益
500
前期 −208
当期純利益
250
前期 −278

M&Aの効果などから、急速な回復を見込んでいます。
BSAFから譲受けた土壌処理剤事業を早期に軌道に乗せ、「バスアミド」、「D-D92」を全世界へ普及させることをために、市場開拓、技術普及に注力していきます。
国内においても、新たに「D-D92」の販売を本格的に開始します。
トライアングル作戦を通じた農家直結の営業方針を堅持しながら、同社にとって販売のメリットが大きく、なおかつ農家にも「好んで使ってもらえるもの」を積極的に販売していく方針です。


取材を終えて

農薬を取り巻く環境の厳しさから、初の経常損失とはなりましたが、M&Aの効果や研究開発費が当面の山を越えたことなどから、今期は大幅な増収・増益となる見込です。
土壌処理剤事業、生物農薬の開発、販売動向などを今後もフォローアップしていきたいと思います。

 
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