ブリッジレポート
(4709)インフォメーション・ディベロプメント/尾崎 眞民社長
2004年5月18日(火)

インフォメーション・ディベロプメントの決算説明会に出席しました。 船越専務が決算概要、今後の展望などを説明されました。


尾崎社長と舩越専務
2004年3月期ハイライト
個人情報保護の体制作りを進め、プライバシーマークを認定取得しました。
ISO9001の対象をグループに広げました。
厚生労働省が実施している「多様就業型ワークシェアリング導入モデル事業」のモデル企業へ指定されました。
日本IBMのコアパートナーへ任命されました。(運営・開発部門)
自社株を7月1日22,600株、8月13日58,500株取得しました。累積で156,725株となりました。
大手アウトソーシング顧客を獲得しました。
2004年4月、中国・武漢にID武漢を設立しました。低コストで高い技術力を使うことを目的としています。


1年間の株価推移

1年間で株価は約30%上昇。ジャスダック指数には及びませんが日経平均とほぼ同じでした。株主数は2,302名と137名増加しています。個人株主は2,249名で88名の増加でした。2004年3月末の大株主に、最近新聞・雑誌などで取り上げられている名古屋の個人投資家「竹田和平さん」が登場しています。


業界動向および同業他社

決算状況 平成14年度後半から前年割れとなっていた業界の売上高は、平成15年度後半から回復基調に入ってきたように見えます。ただ、昨年の水準が大変低かったことから一概にそうも言い切れないようです。
また、今回は製造・流通といった企業の投資回復が中心であり、同社の得意とする金融分野は今ひとつであることから、楽観はできないと考えています。

同業他社の決算状況を見てみると、2003年3月期は「増収・増益」の企業が約半分でしたが、2004年3月期は3分の1に減少し、「減益」の企業が増加しています。
メーカー・商社系など系列企業は業績悪化の傾向が顕著です。独立系は売上高が前年並みで利益が若干マイナスの傾向となっています。


2004年3月期決算概要

<連結>
(単位:100万円)
 
実績
対前期比
売上高
11,203
−4.0%
営業利益
625
+4.6%
経常利益
628
+6.2%
当期純利益
203
−25.6%

<単体> 
(単位:100万円)
 
実績
対前期比
売上高
10,106
−3.5%
営業利益
552
−7.5%
経常利益
566
−4.5%
当期純利益
188
+2.1%

単体は、受注単価の下落と金融機関の低迷による案件の減少で減収・減益となりました。
子会社SDも減収・減益でしたが、同じく子会社のプライド社が黒字転換、スペースリンク社が初の単年度黒字化になったことにより、連結では増益を達成できました。
受託業務解約清算損などの特別損失で当期利益は減少しました。

顧客別推移
金融の構成比が44.6%と前期に比べ約5%減少し、50%を割りました。一方で、通信、製造・流通といった顧客が構成比を上げています。

同社の優位性
前回のレポートでも紹介しましたが、同社は安定的な収益セグメントである「BPO/ITアウトソーシング」が売上の60%を占めており、これによってグループ全体の収益性が安定しています。 アウトソーシングに関しては、既存顧客からの値下げ要請もありますが、新規顧客獲得もあるため安定した収益性となっています。


2005年3月期業績予想

<連結>
(単位:100万円)
 
予想
対前期比
売上高
11,670
+4.2%
営業利益
662
+5.9%
経常利益
650
+3.5%
当期純利益
270
+32.4%

<単体>
(単位:100万円)
 
予想
対前期比
売上高
10,500
+3.8%
営業利益
580
+5.0%
経常利益
580
+2.4%
当期純利益
250
+32.9%

以下のような活動によって単体・連結ともに増収・増益を計画しています。

<今期活動のポイント>
1. 既存顧客への浸透:BOOの推進
以前から何度か紹介していますが、同社のBOO戦略は以下のような概要です。
通常、システム開発プロジェクトでは、同社が単独または同業のA社、B社などのアウトソース先としてシステム開発を行います。
開発の後には必ず保守・運営が必要であり、同社は単独またはアウトソース先として顧客システムの保守・運営を行います。
こうして24時間・365日、顧客のシステムを保守・運営することから顧客責任者と強いチャンネルを構築することができ、その後の新規案件(新たなシステム開発、アウトソーシング、保守・運営)の獲得に繋がります。

このように同社は、
・ 直接取引きによる営業チャネルの優位性
・ 大規模な運営体制(約800人体制。業界有数)
といった強みを持っており、これを「安定的な売り上体制の確立」、「優先的な新規案件の獲得」、「顧客からの高い信頼の獲得」につなげています。

*ケース1
当初はBPOと開発を受注していたA銀行に対して、信頼性の向上からBOO案件が拡大し、ここ3年間の売上高は、2億円、5億円、6億円と高い伸びを示しています。
今期は、金融機関以外の既存顧客(エネルギー系会社、保険系会社、製造系会社など)に積極的にBOO展開を推進していきます。

2.新規顧客の開拓:戦略的パートナーの開拓
同社の課題は、「新規顧客セグメントの開拓」と「マーケットニーズへの対応(技術の多様化・複雑化)」と認識しており、その対応として<Win−Win>の関係となる「戦略的協業パートナーの開拓」が必要と考えています。

*ケース2「コア・パートナー」
現在は、日本IBM、日本ユニシス、NTT関連企業などの大手SIerのコアパートナーとなって、ITアウトソーシング、BPOのアウトソース(下請け)を受けています。大手企業の営業力を顧客開拓に使わせてもらっている状況です。

ただ、コアパートナーといっても同社以外にも複数社あるわけで、新規顧客開拓のためにはもう一歩先の戦略が必要であり、それが「戦略的協業パートナーの開拓」です。

これは、相互の顧客セグメントの共存および技術スキルの補完により、営業チャネルの拡大、マーケット対応力の強化を狙うものです。 理想の協業パートナーは、開発業務が主で、技術スキルの補完ができる企業です。
同程度の事業規模で同社の事業領域と大きくバッティングすることのない企業になります。

ITアウトソーシング/BPOの売上比率が約60%の同社が、開発が90%のA社とパートナーになれば、双方に大きなメリットが生まれます。
<IDの狙い:マーケット開拓>
・ パートナー先の顧客におけるITアウトソーシング/BPO業務の拡大
・ パートナーとの技術補完による同社顧客における開発業務の拡大

<A社の狙い:マーケット開拓>
・ IDの顧客における開発業務の拡大
・ パートナー先顧客における保守・運営・BPO業務の拡大(収入/収益安定性の改善)

<共通の狙い:マーケットニーズへの対応>
協業パートナーとの技術スキルの補完による技術の多様化・複雑化への対応

<今期見通しについてのポイント>
船越専務は今期の見通しについて、プラス面とマイナス面を以下のように指摘しました。

プラス面
・ 下期以降の顧客動向の本格回復期待
・ 不採算案件が消滅

マイナス面
・ 受注単価の下落傾向
・ 受注残の減少
・ 外形標準課税の導入によるコスト増(約30百万円)と体制強化のためのオフィス移転(約1億円)


中期ビジネス戦略(中期計画)

今期を初年度とする中期ビジネス戦略を策定しています。

 
04年3月期
05年3月期(予)
06年3月期(予)
07年3月期(予)
売上高
11,203
11,670
12,700
13,850
経常利益率
5.6%
5.6%
6.7%
7.6%

<業績目標>
2007年3月期(連結)
売上高
138億円
2004年3月期比
+23.6%
経常利益
10億円
+68.7%
ROE
10.0%
現在
4.7%

<業界目標>
2007年度業界売上高ランキングで100位以内!(現在114位) コンサルティング力の強化、ITアウトソーシング/BPO、教育・研修、CSRの強化などに3年間で約10億円の投資を考えています。


取材を終えて
「大変苦しい3年間でしたが、今までで一番すっきりとした決算を迎えることができた」と船越専務は冒頭の挨拶でおっしゃっていました。
やや明るさが見えてきたことに加え、プロジェクト管理の失敗による不採算案件もゼロとなり、今期からは再び成長を目指して事業に取り組んでいける環境が整いつつあるようです。 これからも、同社の動向をフォローしていきたいと思います。

http://www.idnet.co.jp

 
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