ブリッジレポート
(8911)

ブリッジレポート:(8911)創建ホームズ vol.1

(8911)創建ホームズ 丸本 吉紀社長
2004年10月15日(金)

創建ホームズの中間決算説明会に出席しました。
丸本社長が決算概要や今後の取り組みを説明されました。

事業概要
東京城西・城南地区を地盤に、横浜、埼玉にも展開し、注文住宅、分譲住宅などを手がけています。
土地などの仕入れには仲介業者や人的ネットワークを活用し、「企画・設計・施工」に特化し、アフターメンテナンスまでの自社一貫体制を構築しています。
販売に関しては、自社による販売部隊は持たずアウトソーシングしています。


丸本 吉紀社長

 


特色
家は「売る」ものではなく、「創る」ものであるという丸本社長の想いから、自分の家を創るという気持ちで家創りに取り組む「お客様第一主義」を理念としています。
この理念をベースにした「創建ホームズ宣言」が同社の行動規範となっています。

1. 私たちは、ハウスメーカーとしての視点を明確に持ち、お客様に快適な住空間を創造し提供することにより「お客様の満足」を追求します。
2. 私たちは、地域社会・環境との調和を目指し、私たちがお客様と社会の支持によって成り立っていることを常に自覚し「社会・文化への貢献」を行います。
3. 私たちは、的確なマネジメントを実践することにより「高い経営効率」を達成し適正な収益を確保します。また収益の一部は社会へ還元します。
4. 私たちは、経営が社員の厳粛な信託によるものであることを認識し、社員が働きがいのある労働環境を整備し、その充実に努め「社員とその家族の幸福」を実現します。

こうしたビジョンの下、以下のような点が同社の特色となっています。
<組織体制>
ハイクオリティな家創りに徹するために企画設計と施工に経営資源を集中して、品質向上に努めています。平成15年にはリフォーム工事の子会社を設立し、サービスをより強化しました。同業他社に比べ技術スタッフが多いのも特徴です。

<一貫体制>
顧客と向き合い、一邸一邸の家創りに誠実に取り組むために、企画から設計、施工、アフターメンテナンスまでの一貫体制をとっています。 厳しい品質管理の徹底による高品質の家創りは自社の大きな責任と考えています。

<人材教育>
家創りに対する使命感と情熱を持ったスタッフが不可欠と考え、新人時代から現場での実践を重ね家創りの基本を肌で学びます。また権限委譲による組織の活性化を図っています。

<エリア事業部制>
きめ細かい対応をするために、地域密着型の事業部制を導入しています。本店事業部、東京西事業部、自由が丘事業部、横浜事業部の4つの事業部がエリアに特化した事業を展開し、そのエリアにふさわしい暮らしの提案をしています。

<4つのクオリティ>
品質の維持・向上のために、「意匠(デザイン)」、「構造」、「アメニティ(省エネルギーと快適性)」、「セイフティ(健康への配慮とバリアフリー)」の4つの要素に関し、社内指標が設けられ厳密に守られています。
また、品質の維持・向上のために「建築技術部」と「生産管理部」が事業部を品質面、業務管理面からバックアップしています。
建築技術部構造課では通常は外注することが多い構造計算を、木造2階建てを含む全棟に行い信頼を高めています。


強みと弱み
丸本社長が考える同社の強みと弱みは以下の点です。

強み
1. エリア担当の事業部に大幅な権限委譲を行い、より地域特性に根ざした事業展開を実行している。事業のスピード。
2. 大量生産販売に伴う過度な規格化を回避し、顧客の多様なニーズに対応できる。
3. 社員の半数以上が技術系で、優秀なエンジニア(設計、施工)を擁しており、顧客の高い要求レベルに対応できる。
4. 企業理念「創建ホームズ宣言」に対する社員の信奉があり、社員のモラル、ロイヤリティが高い。

弱み
1. 知名度、ブランド力が相対的に劣る。そのためクオリティ実現のためのコストを十分に販売価格に転嫁できないでいる。
2. 建築資材の購買について大量集中購買によるコスト圧縮力に劣る。
3. 自社設計、自社施工を原則とし、また高い設計基準、施工基準を設定しつつ多様なニーズに対応しているため人的生産性が低い。

強みを伸ばし、弱みを改善していくことが課題と認識しています。
購買力をつけるために、2年後500棟の着工を目標とします。


平成17年2月期中間決算概要

<連結> 
(単位:100万円)
 
中間実績
対計画比
売上高
11,928
+3.7%
営業利益
421
+5.2%
経常利益
359
+19.6%
中間純利益
206
+21.2%
*中間連結作成初年度なので前年同期との比較は行なっていません。

注文住宅、分譲住宅を中心とした分譲請負事業において、クオリティの高い住宅と良質なアフターサービスの提供に加え、商品企画(特にデザイン)に注力し、顧客満足度の向上、地域・顧客層を絞った高付加価値経営に取り組みました。
さらに、事業エリアの拡大を図るため、新たに埼玉県に「ふじみ野事業部」を平成17年6月に開設することとしました。

<事業部門別動向>
完成工事事業部門
売上高 520百万円
継続的に受注の選別を行い、比較的高額な案件の取り扱いを重視しました。

不動産事業部門
売上高 11,407百万円 自社分譲案件の増加が寄与しました。
BS上では、総資産回転率と自己資本比率を重要な指標と捉えています。
今中間期はそれぞれ0.8回、19.7%でしたが、目標は
「総資産回転率 2.0回/年」、「自己資本比率 20%」とおいています。
6ヶ月を超える滞留在庫はゼロとなっています。


平成17年2月期通期業績予想

<連結>
(単位:100万円)
 
予想
対前期比
売上高
26,600
+23.5%
営業利益
1,165
+44.0%
経常利益
970
+49.7%
当期純利益
554
+48.7%

大幅な増収・増益を見込んでいます。 一定の需要が見込まれる地域に限定した事業展開を推進し、価格競争に巻きこまれにくい比較的高価格帯の商品企画を充実させる計画です。


中期展望

今後の事業戦略

<エリア戦略>

東京城西・城南、横浜における深耕とともに、新規エリアへの進出として前述のように、埼玉県南部の深耕を目指し、平成17年6月に「ふじみ野事業部」を開設します。
単価4500万円程度の10-20棟の面的開発を行い、コミュニティのグレードアップを図ります。
来期25億円程度の売上を見込んでいます。

<カテゴリー戦略>
高品質住宅による差別化として「意匠力の向上」を図ります。
また、事業領域拡大のため「マンション分譲事業」へ参入します。セキュリティの問題などから都市型生活を考える上では、マンションという選択肢を外すことは出来ず魅力的な市場と考えています。

目指すブランドイメージ
商品面では「高い完成度」と「洗練されたデザイン」を目指します。 企業と人という観点では、「志ある経営」と「誠実でチャレンジングな人達」が目標で、企業の社会的責任を十分に果たしていきたいと考えています。

今来期業績目標
<連結> 
(単位:100万円)
 
平成17年2月期(予想)
平成18年2月期(計画)
売上高
26,600
32,000
経常利益
970
1,340
当期純利益
554
761

*平成18年2月の売上高計画32,000百万円にはマンション分譲事業は入っていません。
*利益率の向上を目指します。


取材を終えて
「家創りに」特化・集中するという独自の事業形態が大きな特徴です。
平成15年2月にジャスダックへ上場した現在は、おっしゃるように「ブランドの向上」と「スケールメリットの追求」が今後の課題・目標となります。
今期も好調な業績を見込んでいる同社を、引き続きフォローしていきたいと思います。

http://www.sohken-homes.co.jp