ブリッジレポート
(9374)

ブリッジレポート:(9374)軽貨急配 vol.6

(9374)軽貨急配/ 西原 克敏社長
2004年12月1日(水)


西原 克敏社長

軽貨急配の中間決算説明会に出席しました。
西原社長が、中間決算概要と現在取り組んでいる事業構造改革について説明されました。

2005年3月期中間決算概要
<連結>
(単位:100万円)
中間実績
前期比
売上高
19,847
+3.0%
営業利益
242
-54.0%
経常利益
139
-74.4%
中間純利益
-1,068
-

長期未収債権の削減による財務の健全化を優先したため開発事業は減収となりましたが、好調な軽貨物積合せ部門「B2Bエクスプレス」をけん引役とした運送事業の伸びでこれを吸収しました。
利益面では、逆ザヤ取引の排除、値上げ交渉、営業経費の削減など採算性向上施策を進めましたが、収益性の高い開発事業の減収が響き、営業利益は54%減少しました。
また、課題であった長期未収債権の一部について処理を進めたことに伴う損失や、オーナー・オペレーター(委託事業者)の開発代行契約終了に伴う整理損失など特別損失15.6億円を計上したため、中間純損失となりました。

<セグメント別動向>
(単位:100万円)
中間実績
前年同期比
 一般軽貨物部門
8,672
-0.2%
 軽貨物積合せ部門
4,060
+75.0%
 運輸付帯サービス部門
1,378
-3.0%
 その他
698
-56.0%
運送事業
14,808
+5.6%
開発事業
5,039
-3.9%
合計
19,847
+3.0%

(運送事業)
「B2Bエクスプレス」の売上高が4,060百万円と前年同期に比べ75.0%の増収となりました。協和軽貨急配(株)の子会社化により、サブ・コントラクターが充実し、業務委託ネットワークの機能強化と分野拡大が図られたことが要因です。
協和軽貨急配は、リストラ損や「さいたま物流センター」の新設費用等の計上により291百万円の中間純損失となりましたが、売上原価低減等により売上総利益が増加したことに加え、支店統廃合や人員整理等による販管費削減効果もあり、セグメント営業利益は752百万円と前年同期に比べ118.8%増加しました。

(開発事業)
引き続きオーナー・オペレーターの採用を慎重に行った結果、オーナー・オペレーターへの車両販売(商品売上高)が3,305百万円と前年同期に比べ18.5%減少しました。リース料収入の増加や広告出稿量の見直しなどによるコスト削減を進めましたが、減収による影響を補いきれず、セグメント営業利益は264百万円と前年同期に比べ72.8%減少しました。
また、商品販売にかかる長期未収債権の新規発生額は、1,028百万円と前年同期に比べ626百万円(37.8%)減少しました。これは前期より取組んできた施策の効果によるもので、課題である「長期未収債権問題」は解決の兆しが見えてきました。

2005年3月期業績予想
<連結>
(単位:100万円)
予想
前期比
売上高
43,963
+11.0%
営業利益
930
+13.8%
経常利益
760
+43.9%
当期純利益
-515
-

下期も、引き続き軽貨物積合せ部門「B2Bエクスプレス」が好調に推移する見込みです。同部門の売上高は前期比41.8%増の105億円弱が見込まれます。
利益面では、年初からの営業費用(人件費・広告宣伝費・賃借料等)の圧縮効果が現れるほか、提携企業との間で結んでいたインディペンデント・コントラクター(請負スタッフ)向け車両の利用契約を解除したことで、車両利用負担が月間2億円減少する見込みです。
ただ、構造改革の一環として、引き続き財務体質の強化に取り組む考えで、もう一段の特別損失計上の可能性もあるとのことです。


事業構造改革

収益基盤の強化に大きく貢献してきた開発事業ですが、事業拡大と共に資金調達負担や長期未収債権の増加など財務面でのリスクが懸念されるようになってきました。一方、市場規模6,500億円(2003年)の軽貨物自動車運送市場でリーディングカンパニーとしての不動の地位を確立するなど運送事業は年々充実度を高めており、開発事業に依存しない収益体質が整いつつあります。
今後、総合物流アウトソーサーを標榜し、市場規模11.3兆円(2003年)の貨物運送業全般への事業拡大を目指す考えですが、そのために次の4項目を軸に構造改革を進めていく考えです。

 (1)多機能型ダブル・アウトソーシング体制の確立
 (2)総合物流アウトソーサーとしてグループの整備
 (3)開発事業における保証スキームの改革による保証リスクの軽減
 (4)一段の経費削減による収益体質の強化

(1)多機能型ダブル・アウトソーシングへの体制の確立
荷主の高度化・多様化するニーズに応えるため、主力の個人事業主であるオーナー・オペレーター(委託事業者)に加え、サブ・コントラクター(委託事業会社)、インディペンデント・コントラクター(請負スタッフ)といったタイプの異なる委託先の開拓を進めます。また、子会社で必要最小限のアセットを保有する等、ダブル・アウトソーシングの多機能化により、差別化され、しかも低コストで高品質なサービスを提供できる体制の早期確立を目指します。

(2)総合物流アウトソーサーとしてグループの整備
総合物流アウトソーサーの地位確立のために、2トン車や4トン車も活用した軽貨物積合せ部門の強化や配送拠点の整備を、軽貨急配シーエスや協和軽貨急配を含めたグループ全体で進めます。また、M&Aやアライアンス等にも柔軟に対応し、今まで以上に幅広い物流サービスを提供していく考えです。

(3)開発事業における保証スキームの改革
これまで、車両販売債権を買い取る信販会社に対して債務の履行を保証してきましたが、このスキームの全面的な見直しを行いました。具体的には、オーナー・オペレーターを組織化した軽貨急配事業協同組合を設立し、車両販売等の事業を移管しました。このため、今後、同組合が車両販売に伴うリスクを負うことになりますが、毎期開発事業収益の25%を拠出して支援を行うと共に、再保証をつける等して保証リスクの軽減を図ります。
この見直しに伴い、今中間期に信販会社から債権を全額買い取り、長期未収債権の償却を行い債権の健全化を図りました。

(4)一段の経費削減による収益体質の強化
2004年9月末の人員および全国拠点数は、2003年9月末に比べて313人(1016人→703人)、33店(148店→115店)減少。今中間決算における人件費、広告宣伝費、賃借料等の削減に寄与しました。引き続き、経費削減を進め、更なる収益体質の強化を図ります。


取材を終えて
総合物流アウトソーサーを目指して一段の事業拡大を図るために、構造改革に取り組んでいます。特別損失の計上が響き、通期でも当期純損失となる見込みですが、財務の健全化に向けた前向きなものです。
大手運送会社の宅配便等と異なり、非標準・規格外・役務附帯を特徴とするサービスは強い競争力を有し、注力分野である「B2Bエクスプレス」も順調に拡大しています。既に営業損益や経常損益の段階では、構造改革の成果が一部顕在化しつつあり、来期以降の業績拡大に期待がかかります。

http://www.keikaexp.co.jp/