ブリッジレポート
(4773)

ブリッジレポート:(4773)エー・アンド・アイ システム vol.8

(4773)エー・アンド・アイ システム/ 岡 良貴社長
2004年12月20日(月)

 

A&Iシステム岡社長に中間決算概要、今後の取り組みについてお伺いしました。


岡 良貴社長

2005年3月期中間決算概要
<連結>

(単位:億円)
科目
中間実績
対前年同期比
売上高
64.4
+22.4%
営業利益
1.6
+204.7%
経常利益
1.3
+169.0%
当期純利益
0.7
+59.6%

売上高
・ Web系システム構築案件が増大しました。
・ IBM・zサーバー関連商品も増加しました。

経常利益
・ 品質管理の拡充により、SIサービスのコスト・オーバーランが低減しました。
・ 販売費は前年同期とほぼ同水準。一般管理費は品質企画管理室の設置で増加しました。
・ 新人SE採用が前期の44名から21名となり、教育費は減少しました。

当期純利益
・ 経常利益の増益に伴い増大しました。
・ 社債発行費用が発生しました。
・ 前年同期に比べ、投資有価証券売却益が減少しました。

<セグメント別動向>
SS(ソリューション・サービス) 

売上高  43.6億円(前年同期比 +27.8%)
償却前売上総利益 5.8億円(同 +71.1%)

前述のWeb系システム構築案件およびIBM・zサーバー関連商品が増大しましたが、経営支援ソリューション「Kizuki」/人材派遣ソリューションコアは減少しました。
品質管理の拡充により、SIサービスにおけるコスト・オーバーランが減少したほか、IDC/ASP/ISP事業の生産性が向上しました。
一方で、SIサービスの競合が激化するとともに、ソリューションコアが減少しました。

SD(システム開発サービス)
売上高  19.3億円(前年同期比 +12.9%)
償却前売上総利益 2.0億円(同 -51.7%)

公共、金融、運輸・通信業界向け受注は堅調でしたが、金融、運輸・通信業界における大型システム統合案件の一巡、およびSEサービス価格の低下で利益は減少しました。

CS(コンサルティング・サービス)
売上高   1.4億円(前年同期比 +8.1%)
償却前売上総利益 0.1億円(同 +2.4%)

金融、製薬業界における企業変革などの案件が増大し、売上、利益共に堅調に推移しました。

<トピックス>
流動性の向上などを目的として、'04年6月に30,000株、9月に300,000株の立会い外分売を実施しました。この結果、今中間期末の株主数は2,700名と大幅に増加しました。
'04年7月にネクサンティス株式会社と情報セキュリティ分野での付加価値リセーラー契約を締結しました。同社のIDC事業におけるセキュリティ対策に対する顧客ニーズに対応し、「セキュリティ・スキャン・サービス」を拡充し、顧客がより安心して利用できる情報システム環境の提供を目指すものです。
'04年8月に上限;400,000株、4億円の自己株式の取得を決議しました。


2005年3月期通期見通し
<連結>
(単位:億円)
科目
通期予想
対前期比
売上高
150.0
+19.2%
営業利益
6.9
+34.1%
経常利益
6.5
+28.7%
当期純利益
3.9
+33.9%

通期でも増収・増益を予想しています。 主な要因は前述のとおりですが、特に下期は
  ・ 通信業界向け汎用系大型案件の発生
  ・ 大型SIサービス案件の生産性向上
  ・ 上期に低迷した高利益率ソリューションコア案件の増大
などが見込まれています。


中期経営計画
<ビジョン>
'00-'09年を「成長期」と位置付け、以下のようなビジョンを掲げています。

「気づき」と「対話」を通じて事業、人材及び経営の構造改革を推進し、中期的に経常利益率10%超を継続的に達成する。

また、'10年以降の成熟期は、「自律」と「創造」を通じて新たな事業を展開し、長期的に経常利益率15%を達成することを目指しています。

こうしたビジョンの下、以下のような戦略を進めます。
<全社戦略>
・ 技術: 現在全世界で一人勝ちとなっているIBM技術圏をベースにして、高い生産性を確保します。
・ 営業: 金融、サービスおよび官公庁をターゲットとします。
・ 経営: 資本政策のもと、事業会社とのシナジーを生かして営業力を拡充します。

<事業戦略>
コンサルティングから運用/保守までの一貫したソリューションの提供を行います。
サービス品質の更なる向上を図ります。
ソリューションコアを活用した高付加価値SIサービスを推進します。

<構造改革>
3つの構造改革を進めます。
構造改革とは単年度でその効果が出るものではなく、企業の継続性を念頭に置き、毎年着実に進めて成果を出していく考えです。

1.事業の構造改革「高付加価値・高利益事業への展開」
引き続き高付加価値・高利益事業への展開を推進し「SEサービスからSIサービスへ」と事業構造の改革を進めます。
同社が高収益企業へと成長していくためには「人月商売」であるSEサービスではなく、顧客にきっちりとした成果物を提供するSIサービスをより拡大していく必要があると考えています。
そのために、他社との差別化を図り、同社独自のプロジェクトマネジメントシステムや開発方法論「CVJ-123」を活用して、情報システム構築の4つの基本スキル領域である、プロジェクトマネジメント・スキル、ソフトウエアエンジニアリング・スキル、アプリケーション・スキル、ビジネス・スキルの向上を図ります。また、プロジェクト失敗の原因の約80%は人の問題とも言われ、優秀なプロジェクトマネージャーの育成が重要な経営課題だと考えています。

2.経営の構造改革「価値創造経営」
価値創造経営を目指し、ステークホルダーの立場での長期的価値を追求すべく、継続的な発展のための仕組みづくりとして「バランススコアカード」による経営を推進します。

また、ビジョンの実現を支える経営基盤(インフラ)である「ナレッジマネジメント」の展開にも注力します。ナレッジマネジメントの基盤として「対話」を誘発する仕組み、「気づき」を誘発する仕組み、また「自律」的に「創造」できる人材を採用、育成、活用する仕組みを具備した自社開発の社内総合情報システム「Kizuki」が有効です。

3.人材の構造改革「戦略的人材マネジメント」
成果主義を基本とした「目標評価」、「役割評価」および「行動評価」の複数評価軸によるミッション達成評価の仕組みを確立し、今年4月から全社員を対象に移行するとともに、全社員年俸制を導入しました。
人材育成制度および人事制度には情報サービス産業の標準である経済産業省の「ITスキル標準(ITSS)」を採用しました。
このことにより社員の技術力が業界標準の客観的な尺度で表現され、市場価値との連動が可能となりました。


取材を終えて
対前年同期比で大幅な増収・増益となりましたが、この水準に決して満足しているものではありません。
ただ通期では、同社が中期経営計画の中でも重視している、「高付加価値ソリューションコア」案件の増大を見込むなど明るい方向性が出てきているようです。
競争は今後も厳しいようですが、他社との差別化を図り、三つの構造改革を更に進めて高い収益力達成を目指す同社の動向を今後もフォローしていきます。

http://www.aandi.co.jp/