ブリッジレポート
(4955)アグロ カネショウ/櫛引 博敬社長

アグロカネショウの決算説明会に出席しました。
櫛引社長が決算の概要及び重点施策について説明されました。



櫛引 博敬社長

2004年12月期 実績
<連結>
(単位:100万円)
 
'03/12期
'04/12期
前期比
売上高
7,322
10,742
46.7%
営業利益
-220
536
黒字転換
経常利益
-208
366
黒字転換
当期純利益
-278
186
黒字転換

相次ぐ台風の上陸、地震、洪水など自然災害の多発に加え、輸入農産物の増加、減農薬志向等により、農薬業界は厳しい状況が続きました。一方、農薬取締法の改正に伴い、果樹、畑作では適用範囲の広い薬剤への移行が進みました。その結果、2004年の農薬工業会出荷実績は数量ベースでは前年比2.6%減少したものの、金額ベースでは3.0%増加しました。

こうした中、同社は前期に続き、農家、会員店・販売店・JA、同社グループの連携による「トライアングル作戦」を展開し、需要開拓と販売促進に努めました。この成果が現れてきたことと、前の期に設立した連結子会社 カネショウ ソイル トリートメント(KST)の業績がフルに寄与した事などにより、2004年12月期は売上高が大きく伸長、営業損益以下の各段階で黒字転換しました。

<セグメントの動向>
事業セグメント別売上高
(単位:100万円)
 
'03/12期
'04/12期
前期比
農薬事業
7,322
10,528
43.8%
害虫防除剤
2,571
2,653
3.2%
病害防除剤
2,499
4,835
93.5%
除草剤
1,261
1,351
7.1%
その他
989
1,688
70.7%
その他事業
-
213
-
合計
7,322
10,742
46.7%

(1)農薬事業
害虫防除剤
害虫防除剤「アルバリン剤」が引き続き好調に推移、脱皮阻害剤「デミリン水和剤」や「レターデン水和剤」、生物農薬剤「デルフィン顆粒水和剤」、「ファイブスター顆粒水和剤」、「チューンアップ顆粒水和剤」も伸びました。また、ダニ剤では主力の「カネマイトフロアブル」が順調に売上を伸ばしました。

病害防除剤
営業権を取得した土壌処理(消毒)剤「バスアミド」及び「D―D92」等が寄与したほか、販売推進プロジェクトの成果もあり、土壌処理剤の売上が増加しました。病害防除剤として従来から使われていた臭化メチルが咋年12月末で原則使用禁止となったことに伴い、今後代替剤として「バスアミド」の需要拡大が期待できます。

除草剤
水田分野では全国的な高温により藻類の発生が多かった事から「モゲトン粒剤」「アークエース粒剤」等が伸長、非農耕地分野では「カソロン剤」の売上が増加しました。

その他
ダニ剤「カネマイトフロアブル」の輸出増加に加え、ダゾメット剤を中心とした原体バルク販売の売上が大幅に増加しました。

(2)その他事業
医薬、農薬及び動物薬の中間体、機能性材料、他機能性化学品、表面処理薬剤の拡充に努めましたが、全般的に売上が伸び悩みました。


2005年12月期 予想

<連結>
(単位:100万円)
 
'04/12期
'05/12期予想
前期比
売上高
10,742
11,800
9.8%
営業利益
536
600
11.9%
経常利益
366
450
23.0%
当期純利益
186
240
29.0%

土壌処理剤をけん引役に増収増益が見込まれます。
「バスアミド」、「D-D92」の販売を全世界へ拡大します。また、各国で登録取得が進んでいるダニ剤「カネマイトフロアブル」については、技術の普及に努めることで市場を開拓し、販売拡大につなげていく考えです。
一方、国内では、バスアミド、ガスタード微粒剤等の土壌処理剤の販売と原体供給を行うと共に「D-D92」の拡販を図ります。


重点施策

土壌処理剤とダニ剤のラインナップ拡充及び生物農薬への取り組みを強化しています。

(1)土壌処理剤
前期に連結されたカネショウ ソイル トリートメントが、農業用土壌処理剤として強いブランド力のあるBASF社のダゾメット剤「バスアミド」及び「D―D92剤」の全世界での販売を開始しました。これにより当社グループの土壌処理剤のラインナップの拡充が図られましたが、これ等に2007年の上市が予定されて線虫剤「ネマキック」を加えることで、さらに土壌処理剤市場での地位強化を図る考えです。

(2)ダニ剤
主力の「カネマイトフロアブル」は、海外展開を推進中で、米州、欧州、アジア、中東など世界各国で登録申請を行っています。また、ダニの種類に応じたダニ剤が必要となるため、ラインナップの拡充を計るべく研究開発を進めており、2008年から2012年にかけて新剤が上市される予定です。

 AKD-1102」
果樹、園芸用ダニ剤。多くの種類のハダニに高い効果が見込まれます。抵抗性(続けて使用することで効果が無くなってしまうこと)がつきにくく、商品寿命が長いのが特徴です。2008年の登録取得に向けて開発中で、年商10億円を目標としています。

◆AKD-2136」
みかん、りんご、茶のサビダニに効果が高く、ハダニとの同時防除も可能です。2008年の登録取得に向けて開発中で、年商5億円を目標としています。

「AKD-2115」
茶、りんご、野菜をはじめ、多種のハダニに効果があり即効性があり、長く効果が続きます。2012年頃の販売開始を予定しており、年商15億円を目標としています。

(3)生物農薬
生物農薬の国内外からの導入、登録取得、維持管理を行う持分法適用会社 セルティスジャパンでは、既存商品に加え、フェロモン剤(発生予察用)の商品化を進めています。生物農薬の市場規模は、現在、国内30億円、全世界500億円ですが、将来的には国内500億円、全世界1,500億円にまで拡大すると期待されています。

この他、2004年12月期に三和化学工業を連結子会社化したことで、農薬原体及び中間体に加え、医薬、化学品分野への展開にも道が開かれました。


取材を終えて
無農薬栽培や有機栽培といった言葉をよく耳にしますが、「農薬を利用した病害虫や雑草の防除対策をしないと、農産物の世界の収穫量の30%以上が失われてしまう」とも言われています。例えば、財団法人 日本植物防疫協会によると、農薬を使用しなかった場合の農作物の減収率は、水稲27.5%、麦35.7%、桃にいたっては100%です。
日本国内の農薬出荷金額は漸減傾向にあります。ともすると、「農薬=悪」と連想しがちですが、世界的な食糧増産の必要性が叫ばれる中で、環境との調和に配慮しつつ農作物を病気や害虫から守り食糧増産を進めるために農薬は不可欠な存在と言えるのではないでしょうか。

 
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