ブリッジレポート
(4317)レイ/ 分部 日出男社長
2005年6月23日(木)

 

レイの施設見学会に参加しました。
分部社長、川崎取締役ご同行の下、マックレイ株式会社の森澤取締役、株式会社プレントの石幡取締役が、それぞれの施設及び事業の概要を説明されました。


分部 日出男社長

 

グループ概要

同社グループは株式会社レイと5つの事業会社で構成されるデジタル映像制作企業グループです。
キャンペーンや展示会等いわゆるセールスプロモーション(販売促進)の企画やエンターテイメントの映像演出及びテレビCMや映画・DVD等のデジタル映像制作を行っています。

<スタートアップ>
80年代に入った頃からでしょうか、展示会等のイベントでレーザー光線を使った派手な演出が増えてきたのは。このレーザー光線の動きはパソコン等のコンピュータによって制御されるわけですが、こうしたイベントの企画・制作を行うセールスプロモーション業界はいわゆる文系人間の集まりで、コンピュータに疎い方ばかり。今で言うデジタルイデバイドの状態でした。しかも、当時はパソコンがオタクの高価なおもちゃであった時代、パソコンでさえ、めったに触れるものではありませんでした。
こうした中、早稲田大学レーザーディスプレイ研究会での活動をベースに頭角を現したのが、同社の前身である螢好織献・レイでした。

<映像演出から企画・制作へ展開>
レーザー光線による演出の実績を元に、90年代に入ると、コンピュータ技術を生かしてデジタル映像編集スタジオを立ち上げました。また演出面でも映像演出のソリューション事業を展開、その一環として大型映像機材のレンタルも手がけるようになりました。当時のコンピュータの処理能力では映像加工が非常に重かったものの、デジタル加工の強みを生かしたセールスプロモーション用のビデオ制作などで高い評価を受けました。
98年には、映像のデジタル化技術を生かしコンテンツのDVD化事業にも進出。五反田事業所(スタジオ)を設置したほか、2000年にテレビCMやDVD化を行うデジタルサイト蠅鮖匆饉匆宗プレイズユニット(事業部門、後にプレイズとして分離・独立)の立ち上げや螢Εぁ璽此Ε屮譟璽鵑M&Aによりセールスプロモーションの企画部門を強化しました。

<現在の事業内容>
上記の多角化及びM&Aの結果、現在の事業は、セールスプロモーションの企画・制作及び映像機器を活用した演出を行うビジネスコミュニケーション事業と、DVDの企画及び映像の企画制作編集を行うデジタルコンテンツ事業が二本柱とし、両事業はそれぞれプロデュース部門(企画)とプロダクツ部門(制作)に分かれています。また、それぞれの部門毎に子会社が設立されており、螢譽いグループを統括しています。

(1)ビジネスコミュニケーション事業
キャンペーン、展示会、博覧会、ショールーム等セールスプロモーションの企画・制作及び映像機器を活用した演出を行います。
プロデュース部門 :株式会社プレイズ 株式会社ウイ−ズ・ブレーン (企画・制作)
プロダクツ部門 : 株式会社プレント (映像演出機材のレンタル及びオペレーション)

(2)デジタルコンテンツ事業
DVDの企画及び映像の企画制作編集行います。
プロデュース部門 : デジタルサイト株式会社 (DVDの企画および映像の企画制作)
プロダクツ部門 : マックレイ株式会社 (映像編集スタジオ)




施設見学

今回見学した施設は、2004年12月にオープンした天王洲スタジオとこのスタジオを使って映像の編集・加工を行うマックレイ株式会社、及び映像機材レンタルやこれ等の機器を使ったショーコントロールシステムの構築を行う株式会社プレントの機材センター(平和島)です。


(1)天王洲スタジオ&マックレイ株式会社 (説明 : マックレイ株式会社 森澤取締役)


‥群洲スタジオ


<施設の概要>
寺田倉庫が手掛ける再開発地区にあり、南西側が運河に面し、裏手にはクレーンも残っている品川D号倉庫。今ではレストランやギャラリー等が入居するこの建物の一角に天王洲スタジオはあります。SOHOスタイルの洒落たデザインのスタジオは、倉庫を改造しただけに天井が高く開放感が抜群です。広さは230坪。

<施設の特徴>
映像の制作・編集とコンテンツのデジタル化(DVD化等)、更にCG(コンピュータ・グラフィック)制作等も行うことができます。
キーワードは、「フルデジタル」、「HD(High Definition:高密度・高精細)」、「非圧縮」。HD24P(注)撮影からCG、編集、MA、納品(テープ、DVD、ファイル)までの作業に関して、ワンストップソリューション(一気通貫のサービス)を提供できます。
同社グループは先進のフルデジタル・ノンリニア編集システム「INFERNO(インフェルノ)」を日本で初めて導入した実績を持ち、同スタジオにはHD対応にアップグレードされた最新のシステムが導入されています。「INFERNO(インフェルノ)」は、ハードウェアによる違いやソフトウェアの互換性・記録媒体、映像フォーマット等の違いを気にすることなく、HD撮影素材を非圧縮で制作・編集することができます。現在同社グループでは「INFERNO(インフェルノ)」6システムが導入済みで、国内最大の処理能力を誇ります。
また、コンテンツ・サーバを導入してネットワークで各端末とつないだパイプライン制作システムを採用することで、効率化良く作業を進める環境が整えられています。コンテンツ・サーバに蓄積されたコンテンツを必要な時に何時でもネットワークを介して取り出して作業ができると言うわけです。


非圧縮・高品質デジタル映像
デジタル方式による撮影は、従来のアナログ方式(フィルム映像)に比べて、編集の際のテレシネやフィルム費が省ける上、長廻しや低照度での撮影も可能です。例えば、曇天を晴天に修正するのはもちろん、昼間に撮影した映像も簡単に夜間撮影の映像のように修正できます。
ただ、高速デジタルカメラで撮影した高品質デジタル映像はデータ容量が大きく、記録時のハードにかかる負荷も大きくなります。このため、これまでのデジタル映像は撮影データを圧縮して小容量化していましたが、圧縮されると画質の劣化が避けられません。これに対して、同スタジオは、高品質映像を非圧縮で記録できる最新鋭の高速デジタルカメラと後述するフルデジタル・ノンリニア編集システム「INFERNO(インフェルノ)」を備えた国内で数少ないフルデジタルのスタジオです。

(注)HD24P
HD24Pとは、デジタルデータを記録する際のフォーマットで、次代のデジタルコンテンツ制作の世界標準とされています。1秒当たり24フレームのレートで非圧縮・高品質のデジタル映像を撮影・保存することができます。

「INFERNO(インフェルノ)」
修正・加工が容易なデジタル画像ですが、問題はハードやソフトの互換性です。身近な例を挙げると、Apple社製Mackintoshパソコンで作成したファイルをWindowsパソコンでは開くことができなかったり、或いは同じWindowsパソコンでもOSやアプリケーションのバージョンが違うと、ファイルを開くことができなかったりします。また、家庭用のハンディビデオ(カムコーダー)でも、ソニーの記録用テープをビクターのビデオカメラで使うことはできません(メディアに互換性がない)。
業務用のデジタルビデオカメラでも同じようなことが言え、記録メディアに互換性がない上、記録されたデータもメーカー毎にフォーマットやファイル形式が違います。これを編集・加工するためには、先ず同一フォーマットのファイルに作り変える必要があり、これが一苦労です。しかも、その過程でアナログに変換せざるを得ないこともあり、この場合、画質の劣化が避けられません。
しかし、「インフェルノ」であれば、ハードウェアによる違いやソフトウェアの互換性・記録媒体、映像フォーマット等を気にすることなく、しかも編集・加工作業に取り掛かることができます。


▲泪奪レイ株式会社

映像の編集・加工工場とも言えるスタジオは、今回見学した天王洲のほか、西麻布、五反田の3施設があります。そして、この3施設を管理し実際の業務を行っているのが、マックレイ株式会社です。
マックレイは、テレビではNHK「新シルクロード」のオープニングタイトル等、テレビコマーシャルでは自動車や化粧品など、多数の作品の編集・制作を手がけています。また、映画部門では公開が予定されている「待合室」の制作を担当しました。「待合室」では、日本で初めてデジタル・シネマ・カメラシステム"Viper"を使用して撮影し、ハードディスクに非圧縮HD収録を行いました。


最先端の機材も使いこなせる人材の有無がポイント


同スタジオは、撮影から加工までの一貫した制作基盤を持つ国内では数少ないに総合デジタルスタジオです。資金を投じればスタジオを持つこと自体はできますが、最新の機器をフルに活用できる人材の育成は一朝一夕にはできません。いち早くフルデジタルの施設を持つことは、他社に先駆けて人材の育成と技術やノウハウの蓄積を図ることができるということです。
また、フルデジタルにすると映画の制作コストはアナログの5分の1に抑えることができるそうです。
デジタル関連の人材不足と映画館側の対応の遅れ(プロジェクター等の新規投資が必要になります)から、依然としてアナログが幅を利かせている状態です。しかしながら、デジタル化は時代の流れ。同社グループは足下の需要に応えつつ、中期的な市場拡大を見据えて人材の育成と技術やノウハウの蓄積を図っているわけです。
http://www.mcray.co.jp/index.html

 


(2)機材センター&株式会社プレント (説明 : 株式会社プレント 石幡取締役)

<機材センター(平和島)>

〇楡澆粒詰
株式会社プレントは、技術力の向上と高品質サービスの提供を目指し、この3月に東京テクニカルセンター(機材センター)と東京オフィス(営業)を「東京流通センター(TRC)」へ移転統合し、「東京事業所」として営業・技術・機材管理の各セクションを集約しました。

機材センターは、800アイテム、5000台以上の映像機材や備品を揃えています。プロジェクター、スクリーン、プラズマディスプレイ、ノートパソコン、液晶テレビ・液晶モニター、ビデオカメラ、プレーヤー&レコーダー、映像周辺機器、音響機器、プレゼンサポート機器等が梱包され整然と並んでいる様子は壮観です。また、機器の接続に使うコード類等の多いこと。

 

DLP 方式マルチディスプレイ
DMD チップを搭載し、高解像度を実現。フルXGA(1024×768ドット)対応するDMD チップを搭載しXGA高解像度 でフルデジタル表示が可能です。

ウオータースクリーン
幅40m、高さ15mの巨大扇型スクリーン。大型ポンプ6台を使用し、 一つの特殊ノズルから水を吹き出すことにより扇型スクリーンを形成します。

 

∋楡澆瞭団
今回の移転により機材センターの拡張と営業部門・技術部門の集中統合を実現し、機材置場のすぐ脇にデモンストレーション・スペースを確保できたことでプレゼンテーション能力が格段に高まりました。一方、家賃がこれまでの1.5倍に増加したことから、物流及びコスト管理の効率化を図り収益性を高めていく考えです。

また、貸出し前や返却受入後に行う機器の検品スペースを十分に確保できたことに加え、検品スペースに搬送用トラックを直付けできるようになったため、検品から積込み、受入から検品の流れがスムーズになり作業の効率化も進みました。



<株式会社プレント>

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2004年9月にレイのショーテクニカル事業部が分離・独立する形で設立されました。
事業は、大規模な展示会での映像演出等に関するプロフェッショナル・ソリューション・サービスを提供するショーテクニカル事業部と、一般企業向けにビジネスプレゼンテーション機器のレンタルを行うレンタル事業部に分かれます。


∩篭隼のビジネスを継承するショーテクニカル事業部http://showtech.jp/

同社グループを統括するレイのルーツは、レーザー光線を使ったイベントの演出であることは既に説明したとおりですが、継続的な事業拡大を可能にしたのは映像演出における提案力(=ソリューションの展開力)です。と言うのは、レーザー光線の操作技術だけではキャッチアップされるのも比較的早く、長期的な差別化が難しいからです。
その後、同社グループは撮影・編集・加工等の映像事業への展開により収益の多角化を図りましたが、創業時からの映像演出ソリューション事業を引き継いでいるのが、株式会社プレントです。
現在では、ユーザー各社でもコンピュータの操作技術に優れた人材は揃いつつあり、ビジネスの軸足は、レーザー光線の操作からハードのレンタルとイベントの演出等に関するプレゼンテーションを含めたソリューションへと移っています。


小口分散で収益の平準化に寄与するプレント事業


ただ、ショーテクニカル事業は、大規模イベント等の有無で業績が大きく振れてしまうことが問題でした。そこで、機材の稼働率を高めて収益の平準化を図るべく、一般企業の広報等の通常プレゼンテーションをターゲットに機材レンタルを行うプレント事業を、レイの新規事業として2002年1月に開始しました。

ショーテクニカル事業部が積極的な提案営業を展開するのに対して、プレント事業部ではWebサイト(http://www.prent.jp/)の広告・宣伝及び受注活動が中心となっています。いろいろ試してみた結果、コストパフォーマンスはもちろん営業効果の面でもWebがもっとも効果的であったとの事です。
また、機材単品のレンタルに加え、展示会・イベント用セット、店舗ディスプレイ用セット、研修会・ミーティング用セット等のセット商品も用意されており、様々な企業ニーズを想定して初めての方でも目的にあった機材の準備がしやすくなっています。

前期からWebでの顧客開拓を本格的化しましたが、ここに来てその営業成果が現れつつあり、前期末950件であった登録件数(レンタル希望者は先ずWebサイトで登録する必要がある)が現在1,500件に伸長、1日のページビューも2,000〜2,500に達しているとの事です。また、8月にはWebサイトをリニューアルすると共に個人向けにも進出する計画です。既に、プレントの売上高及び粗利は全体の20%に達しており、2〜3年後には30%以上に引き上げたい考えです。



見学を終えて

スタジオにしても機材センターにしても固定費の塊みたいなものでから、景気が踊り場にある今みたいな時期は大変です。ただ、映像のデジタル化は着実に進んでおり、中期的な展望に立てば、同社は「いいポジションをとったな」と言った感じです。
20数年前、「ホログラムって面白そうだぜ」から始まり下北沢のアパートで創業、2001年10月にはJASDAQ上場(日本証券業協会に店頭登録)を果たした同社。ご説明頂いた森澤取締役、石幡取締役はもちろん、同行して頂いた分部社長、川崎情報開示担当役員、渡辺コーポレートプランニング室長に至るまで、皆さん一様に明るい。これが企業文化というものでしょうか。
施設見学となると、準備の都合もあり、おいそれとはいきません。その代わりと言っては何ですが、ぜひ一度、同社のWebサイトを訪問して、企業文化に触れてみて下さい。(http://www.ray.co.jp/

http://www.ray.co.jp/

 
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