ブリッジレポート
(1754)

ブリッジレポート:(1754)東新住建 vol.9

(1754)東新住建/ 深川 堅治社長
2005年8月23日(火)


深川 堅治社長

東新住建の決算説明会に出席しました。
深川社長が決算概要及び重点施策について説明されました。

 

2005年6月期決算概要

<連結>

(単位:100万円)
 
実績
前期比
売上高
72,227
+22.6%
営業利益
3,130
+21.9%
経常利益
2,518
+25.3%
当期純利益
1,328
+34.2%

首都圏での事業拡大に加え、地盤である中部圏も堅調に推移、売上高・利益共に高い伸びを示しました。
地盤である東海3県での分譲戸建シェアは、14.8%となり1.1ポイント上昇。7年連続シェアNo.1を達成しました。

また、首都圏進出に続いて、近畿圏での事業展開を図るために、6月2日付けで100%子会社 株式会社東新ホームズ近畿を設立しました。中部圏・首都圏でのノウハウを生かして、早期に近畿圏でのブランド確立を図る考えです。


<重点施策と成果>

重点施策として取り組んだ分野が、そろって高い伸びを示しました。

 
前期比
施策
東新ハイトス
+49%
拠点展開、営業マンの積極採用
首都圏戸建
+34%
エリア特性に応じた用地購入、商品投入
デュープ
+30%
安定した生産体制の確立
マンション
+22%
新商品フレストアルファの投入
中部圏戸建
+14%
名古屋市内、西三河等の訴求力のある地域へ重点シフト
*1 デュープ:一棟に2戸が入った分譲住宅
*2 東新ハイトス:首都圏での借家販売専門子会社

 

<売上高分析>
売上分析
(単位:100万円)
   
2004/6期
2005/6期
前期比
分譲不動産販売 中部戸建
33,537
38,283
+14%
マンション
4,811
5,873
+22%
デュープ
4,018
5,230
+30%
首都圏戸建
3,631
4,867
+34%
住宅建築請負 中部圏借家
3,598
4,346
+21%
東新ハイトス
3,326
4,935
+48%
注文住宅
1,898
2,646
+39%
兼業 本部賃借売上
4,102
6,047
+47%
合計
58,925
72,227
+23%

 

 

2006年6月期業績予想

<連結>
 
予想
前期比
売上高
90,443
+25.2%
営業利益
4,441
+40.6%
経常利益
3,629
+43.0%
当期純利益
1,655
+20.5%

引き続き、売上高・利益共に高い伸びが見込まれます。
尚、期末配当金は、普通配当25円を予定しています。設立30周年を記念して1株当たり5円の増配です。

<売上高計画>
売上高計画
(単位:100万円)
   
2005/6期
2006/6期
前期比
分譲不動産販売 中部戸建
38,283
45,128
+18%
マンション
5,873
6,500
+11%
デュープ
5,230
6,519
+25%
首都圏戸建
4,867
9,182
+89%
住宅建築請負 中部圏借家
4,346
6,397
+47%
東新ハイトス
4,935
6,000
+22%
注文住宅
2,646
2,700
+2%
兼業 本部賃借売上
6,047
8,017
+33%
合計
72,227
90,443
+25%

首都圏での戸建事業が前期比89%増加するほか、中部圏の借家事業も高い伸びが見込まれます。

 

<用地仕入の状況>
分譲用地確保状況(06/6期分)
(単位:100万円)
 
目標売上高
確保済用地
確保率
中部圏戸建
45,128
48,995
108 %
デュープ
6,519
7,627
117%
首都圏戸建
9,182
11,476
125%
合計
60,829
68,098
112%
既に販売目標の1.1倍の用地を確保済み

仕入競争が激しくなっていますが、分譲不動産販売事業においては、既に今期売上目標の1.1倍の用地を確保しています。

 

<重点施策>

収益体質の強化と首都圏での事業拡大で分譲系事業を、拠点拡大と営業マンの増強及び営業の効率化・商品力強化により賃貸系事業を、それぞれ強化します。また、原価低減及び販売単価の引き上げにより、利益率アップを図る考えです。

(1)分譲事業の拡大《売上高:554億円(05/6期) ⇒ 695億円(06/6期)》

①更なる高収益体制を目指した体質改善
・リードタイムの更なる短縮
⇒これまでのノウハウの蓄積により、地域に適合した商品をパターン化
・商品戦略⇒高付加価値戦略商品の投入
・販売拠点の拡大及び城主型リーダーの育成強化

②首都圏での分譲戸建事業の拡大
・売れ筋ゾーンに向けての拠点展開(横浜、さいたま)
・地域業者との情報共有推進
・エリア特性に応じた用地購入戦略

③新商品「デュープ」の販売拡大、大都市圏への投入
・都内への30代~40代の人口流出減少、マンションと戸建の中間二一ズの掘り起こし
・マンション一次取得者を主なターゲットとした営業展開
・東京都23区内での販売開始

(2)「ザ・借家」事業の拡大《売上高:92億円(05/6期)⇒123億円(06/6期)》

①営業拠点の拡大と営業マンの増強(点から面への展開)
・営業拠点数 :19(05/6期)⇒26(06/6期)へ
・営業マン :142人(05/6期)⇒180人(06/6期)へ
首都圏(東新ハイトス)の営業拠点数 :9⇒12、営業マンを82人⇒100人ヘ増強
静岡⇒分譲で認知された浜松から静岡全域へ展開
関西⇒ポテンシャルの高い地区への出店

②見込客発掘システムによる営業の効率化

③商品カの強化「ザ・借家ハイネクサス」に次ぐ商品の開発

(3)利益率アップ

①原価率の改善
・自社施工パネル比率の引き上げ(48%⇒60%へ)
・自社工場(愛知、中国工場)のノウハウ蓄積、稼働率向上による工期短縮・原価削減

②販売単価のアップ
・高付加価値商品(ハイトス工法)の本格投入による販売単価アップ及び利益確保

③販売管理費の抑制
・賃貸計の拠点展開加速、営業マンの積極採用で、人件費は上昇する見込みだが、本部コスト比率は低下
・知名度の向上、販売ノウハウの蓄積による営業の効率化

以上により、05/6期から06/6期にかけて
営業利益率:4.3%⇒4.9%への改善
経常利益率:3.4%⇒4.0%への改善を目指します


中期目標
同社グループは、中期的な目標として2008年6月期に連結売上高1,000億円、経常利益率5%の達成を掲げています。この目標達成に向けてポイントとなるのが、中部圏・首都圏の賃貸住宅(借家)事業、及び首都圏・近畿圏の分譲住宅事業の強化であると考えています。




取材を終えて
消費者の本物志向の高まりを受けて、住宅業界も品質、環境、価格での競争が激しさを増しています。このため、安さにプラスアルファの付加価値を提供できるか否かで、今後、住宅メーカーの業績も2極化していくものと思われます。
こうした中、一棟に2戸が入った分譲住宅「デュープ」やメゾネットに特化した賃貸住宅「ザ・借家」等、独自の商品企画で付加価値の創造を続ける同社の今後に期待したいと思います。

http://www.toshinjyuken.co.jp/