ブリッジレポート
(1754)

ブリッジレポート:(1754)東新住建 vol.10

(1754)東新住建/ 深川 堅治社長
2006年2月28日(火)


深川 堅治社長

東新住建の中間決算説明会に出席しました。
深川社長が決算概要、通期業績見通し及び来期に向けての施策について説明されました。

 

会社概要

独自の商品と独自のシステムを駆使して、事業エリアを拡大中のホームビルダーです。1998年にJASDAQ市場に株式を上場しました。
東海3県では、7年連続住宅着工戸数No.1(シェア14.8%)の実績。近畿圏、首都圏へエリアを拡大中で、1998年のJASDAQ上場時に203億円であった売上高は8年後の今期に4.4倍の904億円に、6億72百万円であった経常利益は5.3倍の36億18百万円に、それぞれ拡大する見込みです。
企業グループは、同社の他、連結子会社5社及び中国現地法人1社で構成されています。


<事業セグメント>

住宅建築請負事業 : 賃貸住宅建築事業及び注文住宅事業
首都圏での賃貸住宅事業は100%子会社(株)東新ハイトスが、近畿圏での注文住宅事業は同じく100%子会社の(株)東新ホームズ近畿が手掛けています。

分譲不動産販売事業 : 分譲戸建事業及び分譲マンション事業
分譲戸建事業は、首都圏を強化中です。また、「フレストシリーズ」のブランドで展開する分譲マンション事業は、独自のクランクスラブ工法(実用新案登録済)で差別化を図っているほか、首都圏において究極の都市型プライベートマンション「デュープ」(連棟式分譲住宅)の事業拡大に取り組んでいます。

兼業事業
100%子会社の(株)ブルーボックスが手掛ける不動産売買仲介事業、不動産管理事業、インテリアの販売、及び100%子会社ブルータス保証が手掛ける建物管理、一括借上等が当セグメントに含まれます。

 

2006年6月期中間決算概要

<連結>
(単位:100百万円)
 
実績
前年同期比
期初計画
売上高
37,064
+27.7%
40,472
営業利益
-191
-
754
経常利益
-628
-
358
中間純利益
-763
-
33

売上高は前年同期比27.7%増加しましたが、記録的な大雪により完成引渡しの遅れ、構造計算書偽造問題の影響による購買意欲の減退や引渡し遅れ、更には受注力不足も加わり、当初の計画には達しませんでした。
売上高が計画未達となりましたが、事業拡大に向けた先行投資は計画通りに進めました。具体的には、人件費・採用関係費の増加(161人増加)や新規営業拠点の開設(9拠点新設)等で販管費が17億43百万円増加しました。
また、減損会計の適用に伴う減損損失3億74百万円など特別損失3億99百万円を計上しました。


<中間純利益の減少要因>
(単位:100万円)
利益増加要因
利益減少要因
売上増加
1,190
販管費増加
-1,743
粗利率改善
537
営業外費用増加
-155
法人税等減少
94
特別損失増加
-262
合計
1,821
合計
-2,160
中間純利益の減少額
-341
-
*合計数値が計算と一致しないのは端数処理の関係です。

 

2006年6月期業績予想

<連結>
(単位:100百万円)
 
予想
前期比
売上高
90,443
+25.2%
営業利益
4,441
+41.9%
経常利益
3,618
+43.7%
中間純利益
1,655
+24.6%

増収・増益が見込まれます。
中間決算において利益の計画未達要因となった販管費の増加は、当初から予想されたものです。このため上期の遅延分も含めて下期の引渡しが順調に推移すれば、通期では吸収できる見込みです。


<売上高計画>
(単位:100万円)
   
予想
前期比
分譲不動産販売 中部戸建
45,128
+17.9%
マンション
6,500
+10.7%
デュープ
6,519
+24.6%
首都圏戸建
9,182
+88.7%
住宅建築請負 中部圏借家
6,397
+47.2%
東新ハイトス
6,000
+21.6%
注文住宅
3,526
+33.3%
兼業 本部・賃借売上
7,191
+18.9%


<当期純利益の増減要因>
(単位:100万円)
利益増加要因
利益減少要因
売上増加
3,138
販管費増加
-3,050
粗利率改善
1,221
営業外費用増加
-210
-
特別損失増加
-217
-
法人税等増加
-555
合計
4,359
合計
-4,032
-
当期純利益の増加額
327

 

2006年6月期通期業績見通し及び来期に向けての施策


(1)分譲不動産販売事業の拡大
(2)住宅建築請負事業の拡大
(3)利益率の改善

(1)分譲不動産販売事業の拡大

①HRBシステム
分譲戸建事業では、独自の組織戦略である「HRBシステム」による短期回転型戸建事業を推進します。「HRBシステム」は、集中管理、情報共有化及び安全管理により、用地仕入れ、企画設計、施工、営業、アフターサービスを迅速化、強い供給力と優れた回収力で高い付加価値を生み出しています。
2006年6月期の中部圏分譲戸建(首都圏及びマンションを除いたもの)の売上高予想は、516億47百万円です。これに対して、既に706億53百万円の用地を確保済みです(確保率137 %)。

②首都圏分譲戦略
値上がりした住宅用地に付加価値を付けるノウハウ(用地を活かす力)を強みに事業の拡大を図ります。
東京地区では、地価上昇により関東流「低価格住宅」販売の行き詰まりとパワービルダーの失速が見られます。中部圏で培った分譲戸建事業のノウハウを活かして、今後予想される高付加価値・高品質住宅への需要シフトを捉えることで、首都圏でのシェア拡大を図ります。
具体的には、駅近・平坦の好立地を取得(希少性の高い用地の購入)し、ハイトス工法、DUPにより付加価値の高い高品質物件を投入することで、他社ビルダーとの差別化を図ります。
2006年6月期の首都圏分譲の売上高予想は、91億82百万円です。これに対して、既に138億54百万円の用地を確保済みです(確保率151%)。

③分譲マンション
独自のクランクスラブ工法(実用新案登録済)の強みをアピールすると共に住宅性能保証制度を活用した「安全・安心」な商品の提供により、住まい方の提案を進めます。

④都市型戦略商品「デュープ」
首都圏において、都市型戦略商品「デュープ」の販売を強化します。「デュープ」は1985年の発売以来、独自のノウハウを蓄積してきた連棟式分譲住宅です。好立地ながら、連棟式にすることでリーズナブルな価格を実現、それでいて戸建感覚を満喫できることが高い評価につながっています。


(2)住宅建築請負事業の拡大

①ザ・借家の事業展開
・「ザ・借家」の強み
「ザ・借家」と競合他社(大手リース会社や建築会社)との差別化のポイントは、「コンセプト」、「KKT」、「建築目的」の3点です。
「コンセプト」は、テラスハウス等による「古きよき長屋文化の継承」。この「コンセプト」が、伝統を重んじる古くからの地主に受け入れられています。「KKT」とは、オーナー高収益(K)、高品質(K)賃貸住宅、入居者低家賃(T)。また、建築目的は、競合他社が相続税対策型の営業・建築であるのに対して、同社は収益性を追求しています(収益重視型)。

・「ザ・借家」のブランドの浸透
拠点展開のノウハウを確立した後、一気に全国展開を図る考えでした。今上期に営業拠点の拡大と営業マンの増強による経営資源(人、モノ、金)の先行投資が一巡、今下期より刈り取りが始まります。
2006年6月期の「ザ・借家」の受注は前期比61.6%増の162億円を計画しています。

・「ザ・借家」事業の拡大
「ザ・借家」事業は、売上高が120億円(変化ポイント)を超えると収益性が一気に高まります。今期の売上高は123億97百万円を計画しており、120億円の変化ポイントを超える見込みです。

(単位:100万円)
 
'03年
6月期
'04年
6月期
'05年
6月期
'06年
6月期
'07年
6月期
'08年
6月期
将来計画
売上高
6,073
6,990
9,303
12,397
15,400
20,000
50,000
営業利益
205
242
434
576
1,100
2,000
8,000
棟数
164棟
204棟
270棟
337棟
510棟
660棟
700棟
拠点数
14拠点
17拠点
19拠点
26拠点
32拠点
40拠点
60拠点
営業人員
91名
132名
142名
180名
240名
280名
500名

②注文住宅
環境共生住宅「樹流」、高耐久・高性能住宅「ダグラス」シリーズの販売を強化すると共に、中部圏から近畿、更には首都圏へとエリアの拡大を図ります。

(3)利益率の改善

原価削減、高付加価値商品の投入、販売管理費の抑制により、2005年6月期に3.4%であった経常利益率を4%に引き上げる計画です。

①原価削減
自社工場(愛知、中国工場)の稼働率向上による原価削減、及び現場ノウハウ・スケールメリットによる原価削減に努めます。1998年に操業を開始した愛知工場はノウハウの蓄積が進んでおり、高品質・高付加価値パネルの開発にも成功しています。

②高粗利・高付加価値商品の本格投入による利益率の改善に努めます。

③管理部門の効率化のしくみを構築することで、販売管理費を抑制します



取材を終えて
今中間決算は大雪等の影響による引渡の遅れと積極的な先行投資が重なり、利益面で期初計画を大きく下回りましたが、もともと、この業界は下期偏重型の収益構造です。用地の仕入れも順調なようですから、下期の引渡が順調であれば通期の業績は心配ないようです。
また、少し気が早いかもしれませんが、来期業績にも期待がかかります。と言うのも、今期中に「ザ・借家」事業の売上高が、収益性改善のブレークスルーポイントとも言える120億円を突破する見込みだからです。独自の商品企画で差別化を図る同社の事業展開を、引き続きフォローしていきたいと思います。

 

http://www.toshinjyuken.co.jp/

このレポートは公開された企業情報の提供を目的としており、対象企業に対する投資の推奨、勧誘などを目的としたものではありません。投資の最終判断は御自身で行ってください。仮にこのレポートに基づいて投資を行った場合でも、その結果に対し弊社には一切の責任は生じません。