ブリッジレポート
(4793)株式会社富士通ビー・エス・シー /兼子 孝夫社長
2006年5月11日(木)

富士通ビー・エス・シーの決算説明会に出席しました。
兼子社長が決算概要、今後の展開について説明されました。


兼子 孝夫社長

2006年3月期決算概要

<非連結>
(単位:100万円)
 
2005年
3月期
2006年
3月期(計画)
2006年
3月期(実績)
前期比
売上高
31,447
33,000
31,551
+0.3%
営業利益
1,352
1,700
1,579
+16.7%
経常利益
1,189
1,400
1,280
+7.6%
当期純利益
662
800
748
+13.0%


増収・増益となりました。

情報・通信関連の大型プロジェクトの減少により受注高は299億30百万円と前期比1%減少しましたが、エンベデッドの売上増加により売上高はわずかですが前期実績を上回りました。
売上計上方法を進行基準へ変更しました。この影響は次の通りです。
売上高 +14億78百万円、経常利益 +1億63百万円、当期純利益 +96百万円。

利益面では、プロジェクト管理の一層の強化と定着により不採算プロジェクトが減少したことで、営業利益は同16.7%増加しました。経常利益が同7.6%の増加にとどまったのは、受取配当金の減少や債権整理損の計上により営業外損益が悪化したためです。
パッケージソフト販売の伸び悩み等で売上・利益共に計画を下回りましたが、不採算プロジェクトの減少などで収益性の改善が進んでいます。

尚、期末配当金を2円増配し、8円とする予定です。これにより、中間配当金6円と合わせた1 株当りの年間配当金は14円となる見込みです。

 

<品目別売上>
(単位:100万円)
 
実績
構成比
前期比
ソフトウェア開発
17,532
55.6%
-4.1%
ソフトウェアサービス
12,212
38.7%
+9.5%
パッケージ販売
1,011
3.2%
-10.0%
システム機器販売
796
2.5%
-11.2%
合計
31,551
100.0%
+0.3%

暗号化ソフトの需要一巡によりパッケージ販売が減少する一方、運用アウトソーシングサービス及び製品の検証サービスの拡大によりソフトウェアサービスの売上高が増加しました。


<顧客別売上>
(単位:100万円)
 
実績
構成比
前期比
富士通
15,521
49.2%
-15.6%
富士通グループ
3,699
11.7%
+8.6%
小計
19,220
60.9%
-11.8%
一般顧客
12,331
39.1%
+27.7%
合計
31,551
100.0%
+0.3%

エンベデッドの売上が伸びたことで、一般顧客の割合が増加しました。


<業種別売上>
(単位:100万円)
 
2005年3月期
原価率
2006年3月期
前期比
原価率
情報・通信
10,129
87%
8,542
-15.7%
86%
産業流通
6,891
90%
8,094
+17.5%
86%
公共・サービス
8,967
86%
7,792
-13.1%
82%
エンベデッド
4,835
85%
6,325
+30.8%
87%
ITサービス
625
86%
799
+27.8%
78%
合計
31,447
86%
31,551
+0.3%
85%

大型プロジェクトの一巡により、情報・通信及び公共・サービス向けが減少しました。
エンベデッドは人手不足の中、ユーザからの価格引下げ要請で原価率が上昇したものの、プロジェクト管理の強化が奏功し、全般的に原価率は改善傾向にあります。



2007年3月期の重点テーマ


(1)お客様の業務システムの安定的な開発
(2)「エンベデッドシステム事業」の拡大
(3)パッケージビジネスの推進
・オンメモリデータベース分野
・セキュリティ分野

(1)お客様の業務システムの安定的な開発

\源裟と品質の向上
PA会によるプロジェクトの徹底的なチェックにより、不採算プロジェクトが減少し、原価率が低減しています。


(上記は、ソフトウェア開発とソフトウェアサービスの合計値


Topjax Solution五つの特徴と目標

オープンフレームワーク「Topjax」の積極的に採用し、開発期間を1/2に短縮(コスト削減)します


(2)「エンベデッドシステム事業」の拡大

2007年3月期は、携帯電話向けが前期に急進した反動で減少するとの前提から、エンベデッドの売上高を前期比2.8%増の65億円と予想していますが、63億25百万円を計上した2006年3月期も期初予想は55億円でした。今期も携帯電話向けを中心に上振れの余地があり、社内的には70億円程度を視野に入れているようです。

エンベデッドシステムの市場動向と対応
・携帯電話
番号ポータビリティ制度の導入やソフトバンクやイーアクセスの新規参入に伴う競争激化が、エンベデッドシステム市場の拡大を促すものと思われます。
・情報家電
デジタルTV、DVDの売上げ拡大により、日本はもとよりグローバルなビジネスチャンスの拡大が期待できます。
・自動車関連
ナビゲーションシステムから車を「走らせる・曲げる・止める」といった車両制御全般の技術に取り組むことで、ソフト開発量の増加と市場の拡大が予想されます。

本年3月には、上海に事務所を開設しました。中国拠点を強化する事でグローバル展開の拠点を確保し、エンベデッド事業を積極的に推進していく考えです。


(3)パッケージビジネスの推進


・オンメモリデータベース分野 : オンメモリデータベース「Oh-Pa 1/3」の展開
従来の磁気テープや磁気デスクよりも高速処理が可能なメモリをストレージに使ったデータベースシステムです。
例えば、磁気デスクなどを使った従来のDWH(データウエアハウス)システムでは、情報量の増大によりバッチ処理が夜間に完了しない、或いは、データ分析に時間がかかる等の問題が現実化しつつあります。メモリをストレージに使ったオンメモリデータベース「Oh-Pa 1/3」は、こうした問題で悩むユーザにソリューションを提供します。

『同社のファーストユーザ事例』

前2006年3月期はファーストユーザで実績を上げました。2007年3月期は日本及び中国で商談が具体化します。

売上予想
(単位:100万円)
     
06/3
07/3予想
08/3予想
パッケージ Data Server 国内
30(2)
400(25)
500(30)
海外
50 (3)
150 (8)
IS-Navi(国内のみ)
150(25)
350(30)
SI
70
400
500
売上合計
100
1,000
1,500
*()内は本数


・セキュリティ分野
セキュリティビジネス(FENCE)ビジネスの実績
(単位:100目円)
 
04/3
05/3
06/3
07/3予想
サービス、他
112
348
336
350
パッケージ
169
891
719
650
売上高合計
281
1,239
1,055
1,000

2003年3月期からの累積出荷本数142万ライセンスに上ります。
2005年4月の個人情報保護法施行に伴う大規模な商談は一段落しました。ニーズの高度化や総合化を反映して商談が長期化するなどの傾向がありますが、今後は、年間10億円以上の安定的販売を目指します。

セキュリティビジネス(FENCE)ビジネスの動向

市場動向
日本版SOX法の施行を睨み、ログ分析、認証強化のニーズが拡大しています。安定期に入り、単価は低減傾向にありますが、総合的なセキュリティ環境構築のニーズは高まっています。

施策
2006年1月、ログ管理機能を強化したFENCE-Tracer Serverを発売しました。販売チャネルの拡大と共にBCL(北京思元軟件有限公司)を活用したオフショア生産によりコスト圧縮に努めます。
また、OEM供給や暗号部品の他パッケージへの提供、更には既導入先への総合化提案に取り組むと共に、「使いやすさ」のより一層の追求に努めていく考えです。


今後の経営方針


(1)イノベーションの現実化


国内販売の拡大とグローバル化の推進により、オンメモリデータベース(Oh-Pa 1/3)の事業拡大に取り組みます。


(2)収益力の向上


プロジェクト審査会によるチェック体制を強化すると共に、Topjax等の導入により開発標準化を進め生産性や品質の向上を図ります。


(3)人材育成、企業としての社会的責任の遵守

同社では、新技術にせよ、特異技術にせよ、社員の技術こそ会社の財産と考えています。また、企業市民としての自覚を持って法令を遵守すると共に環境問題等に取り組んでいきます。

「垂直統合」から「水平分業」へ
IT市場は、IMB Umbrellaに代表される垂直統合から、デファクトスタンダードによる水平分業の時代を迎えつつあります。このため、同社のエンベデッドシステムが富士通だけでなく、IBM、ヒューレットパッカード、サンマイクロシステムズ等のハードに組み込まれたり、「Oh-Pa 1/3」やTopjaxが採用されたりする可能性も高まっています。水平分業の時代を迎え、同社にとって新たなビジネスチャンスが広がっています。

 

 

2007年3月期業績予想

<非連結>
(単位:100万円)
 
予想
前期比
売上高
32,000
+1.4%
営業利益
1,800
+14.0%
経常利益
1,500
+17.2%
当期純利益
850
+13.6%

増収・増益が見込まれます。
業種ノウハウの集中と得意分野への深耕を進め、エンベデッドシステムやセキュリティといった得意分野への集中を進めると共に、オンメモリデータベース製品「Oh-Pa 1/3」の事業化に取り組んでいきます。
また、より一層のリスク管理の徹底と開発フレームワーク「Topjax Solution」の導入による開発効率化を進め、収益力の向上を図ります。

尚、年間配当金は中間配当金8円を含む16円を予定しています。

<分野別売上高予想>
(単位:100万円)
 
予想
構成比
前期比
ソフトウェア開発
18,500
57.8%
+5.5%
ソフトウェアサービス
11,600
36.3%
-5.0%
パッケージ販売
1,500
4.7%
+48.4%
システム機器販売
400
1.3%
-49.7%
合計
32,000
100.0%
+1.4%



取材を終えて

情報サービス業界は、企業収益の改善を背景に情報化投資は増加傾向にあるものの、IT投資の費用対効果に対するユーザの目は厳しく価格面では厳しい状況が続いています。こうした中で、同社はこれまでに培ってきた各種業種ノウハウの活用に加え、セキュリティやエンベデッド(組込み)システムといった得意分野の深耕、更にはオンメモリDB(Oh-Pa 1/3)など新規事業の育成により、売上拡大と収益力強化を図っていく考えです。2006年3月期は売上高が微増にとどまる中で、営業利益が17%弱増加するなど収益力強化の面ではその成果も出ているようです。引き続き同社の取り組みをフォローしていきたいと思います。

足元の状況と共に、新しい芽をいかに大きく実らせていくか、同社の今後を引き続き注目して行きたいと思います。


http://www.bsc.fujitsu.com/

このレポートは公開された企業情報の提供を目的としており、対象企業に対する投資の推奨、勧誘などを目的としたものではありません。投資の最終判断は御自身で行ってください。仮にこのレポートに基づいて投資を行った場合でも、その結果に対し弊社には一切の責任は生じません。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2018 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(4317)レイ vol.9 | ブリッジレポート:(7631)マクニカ vol.16»

ブリッジレポート(バックナンバー)
最新のブリッジサロン動画
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE