- 株式情報(8/4現在データ)-
株価
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時価総額
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発行済株式数
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単元株数
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845円
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11,008百万円
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13,027,000株
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100株
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6月28日に発表された2006年6月期業績予想の修正と直近のトピックスについてレポートします。
○ 同社の特徴
独自の商品と独自のシステムを駆使して、事業エリアを拡大中のホームビルダーです。1998年にJasdaq市場に株式を上場しました。東海3県では、8年連続住宅着工戸数No.1(シェア14%)の実績。首都圏、近畿圏へのエリア拡大効果もあり、2001年6月期に317億円であった売上高は5年後の今期に2.9倍の904億円に拡大した模様です。
首都圏、近畿圏で営業エリアの拡大余地が大きい事、及びテラスハウス形式等を取り入れた高収益の賃貸住宅建築(商品名「ザ・借家」)等が同社の特徴です。
<事業セグメント>
住宅建築請負事業 : 賃貸住宅建築事業及び注文住宅事業
首都圏での賃貸住宅事業は100%子会社(株)東新ハイトスが、近畿圏での注文住宅事業は同じく100%子会社の(株)東新ホームズ近畿が手掛けています。
分譲不動産販売事業 : 分譲戸建事業及び分譲マンション事業
分譲戸建事業は、首都圏を強化中です。また、「フレストシリーズ」のブランドで展開する分譲マンション事業は、独自のクランクスラブ工法(実用新案登録済)で差別化を図っているほか、首都圏において究極の都市型プライベートマンション「デュープ」(連棟式分譲住宅)の事業拡大に取り組んでいます。
兼業事業
100%子会社の(株)ブルーボックスが手掛ける不動産売買仲介事業、不動産管理事業、インテリアの販売、及び100%子会社ブルータス保証が手掛ける建物管理、一括借上等が当セグメントに含まれます。
○ 2006年6月期業績予想
<連結>
(単位:100万円)
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売上高
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経常利益
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当期純利益
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前回発表予想 |
90,443
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3,618
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1,655
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今回修正予想 |
90,740
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1,013
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-160
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増減額 |
297
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-2,605
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-1,815
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増減率 |
+0.3%
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-72.0%
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-
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前期実績 |
72,227
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2,518
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1,328
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売上高は首都圏で事業を展開する(株)東新ハイトスの販売が好調に推移した結果、わずかですが前回予想を上回る見通しです。
ただ、分譲不動産販売事業において、都市部を中心とした地価の上昇や仕入競争の激化による土地原価の上昇分を販売価格に十分転嫁できませんでした。このため、売上総利益が予想に達しませんでした。
一方、販売費及び一般管理費については、販売競争に伴い広告宣伝費が増加したことに加え、今後の業容拡大に向けた営業所・展示場の新規出店を加速したことで、計画を上回る見通しです。このため、経常利益は前回発表予想を大幅に下回る見通しです。
加えて、減損損失や連結子会社の赤字幅が予想以上に拡大したため、当期純損失となる見通しです。
<個別>
(単位:100万円)
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売上高
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経常利益
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当期純利益
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前回発表予想 |
84,566
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3,397
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1,558
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今回修正予想 |
84,116
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1,261
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200
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増減額 |
-450
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-2,136
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-1,358
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増減率 |
-0.5%
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-62.9%
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-87.2%
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前期実績 |
68,257
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2,211
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1,153
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販売はほぼ計画通りに推移しましたが、価格競争の激化により、売上高は前回予想を下回る見通しです。
○ カメヤグローバル株式会社の株式の取得(子会社化)
4月12日に、カメヤグルーバル株式会社(本社:大阪府岸和田市、http://www.kameya-g.co.jp/)の株式の取得(子会社化)について発表がありました。
カメヤグルーバル(株)は近畿南部エリアで地域密着ハウスビルダーとして注文住宅事業を展開しています。「カトラン」というブランドで、注文住宅事業のノウハウを提供する住宅フランチャイズ(FC)・システムも有しており、FC本部として設計・施工を一括して行い、販売は各フランチャイジーが行ないます。10年間で12,000棟を超える販売実績があり、特に昨年発表の「カトラン・ゼロハウス」は次世代型住宅として注目されています。
東新住建グループでは、昨年6月に注文住宅事業を主力とする100%子会社 (株)東新ホームズ近畿を設立。千里住宅総合展示場(大阪府吹田市)にモデルハウスを出展し、近畿圏北部を中心に営業活動を展開しています。今回の株式取得により、近畿圏の北部と南部のエリアをカバーできる体制が整い、近畿圏全体での展開が可能となります。同時に、カメヤグローバル(株)が有する営業ノウハウと建築技術は、東新住建グループの注文住宅事業の拡大に寄与すると共に、近畿圏における分譲住宅事業や土地活用事業の展開においても、シナジーが期待できます。
<「カトラン・ゼロハウス」の七つのゼロ>
(1)次世代オール電化と防犯対策で危険度ゼロ
オール電化を標準としています。IHクッキングヒーターは、火を使わず空気も汚さず安心・安全。防犯セキュリティー対策にも配慮しています。
(2)高気密、高断熱で建物内の温度差ゼロ
次世代省エネ基準と地熱利用で夏は涼しく冬は暖かな快適空間。
(3)太陽光発電とエコキュートで光熱費ゼロ
環境に優しい太陽光発電で、太陽の恵みを家庭に。月々のランニングコスト(光熱費)0を目指します。
(4)住む人に優しい床段差ゼロ
段差の解消、手摺りの設置、車椅子等の使用も考えた通路・出入り口幅の確保など、高齢者や障害を持つ方の安全性、利便性に配慮しています。
(5)安全快適な健康家族の家はホルマリンゼロ
全ての仕上げ材や下地材にホルムアルデヒド放散量が最も少ない最高等級F☆☆☆☆建材を使用。24時間換気と空気さわやかシステムでアレルゲンやウィルスも排除。
(6)地震に強く倒壊ゼロ
国が定める「住宅性能表示制度」の「耐震性」で最高等級3(阪神淡路大震災の1.5倍の地震力でも倒壊・崩壊しない強さ)、「耐久力」も最高等級3(構造躯体で3世代、75年~90年劣化を防ぐ対策を施している)の基準で造ります。
(7)定期点検と長期保証で入居後の不安ゼロ
第三者機関である(財)住宅保障機構等による10年間の瑕疵(欠陥)保障に加え、NPO法人「住宅長期保障センター」のサポートによる継続点検と構造躯体の保障をいたします。
○ 株主優待制度
同社では6月末を基準日として、その時点での株主の方を対象に、株数に応じて「お米ギフト券」をお送りしています。
○ 取材を終えて
一部の物件において仕入原価の上昇分を十分に価格転嫁できなかった事が今回の修正の要因ですが、利益確保に固執して在庫を抱えるよりは良かったのではないかと思います。また、販管費の増加や広告費の増加の他に、営業所・展示場の新規出店による費用増加が影響しておりますが、これらは前向きな投資でもありますので、今後の展開を期待したいところです。
価格競争や仕入れ価格の上昇を吸収するためには、付加価値をいかに高め、他社との差別化をしていくかが重要だと思います。その意味では4月に買収した発表したカメヤグルーバル(株)の事業コンセプトはユニークであり、その固有技術と品質管理技術を取り込むことによって、東新住建グループの競争力が強化され、業容の拡大につながるものと思います。
在庫を整理し、2006年6月期を終えた同社の2007年6月期に期待したいと思います。
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