ブリッジレポート
(7707:大証ヘラクレス) プレシジョン・システム・サイエンス 企業HP
田島 秀二 社長
田島 秀二 社長
企業基本情報
企業名
プレシジョン・システム・サイエンス株式会社
社長
田島 秀二
所在地
千葉県松戸市上本郷88
事業内容
精密機器DNA抽出自動化装置の製造など
決算期
6月
業種
精密機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年6月 3,636 12 18 -250
2005年6月 3,215 132 111 64
2004年6月 2,506 -126 -174 -181
2003年6月 2,433 66 60 56
2002年6月 1,345 -517 -529 -583
2001年6月 1,643 -239 -287 -292
2000年6月 1,530 -103 -133 -136
株式情報(10/12現在データ)
株価 時価総額 発行済株式数 単元株数 決算データ年月 1株配当
127,000円 5,438百万円 42,820株 2006年6月
配当利回り PER(連) 1株利益(連) PBR(連) 1株株主資本(連) ROE(連)
-22.10倍 -5,926.68円 1.91倍 68,414.70円 -8.29%
田島社長に現況及び今後の展開などを取材しました。
 
マグトレーションテクノロジーの評価
 
イギリスの調査機関「英国立遺伝学レファレンスラボラトリー(NGRL)」が、DNA抽出を行なっている研究所向けに、「DNA自動抽出方法についての情報の普及」を目的として、各装置メーカーの機種を調査・評価しました。
NGRLは、英国における遺伝学研究所の活動をサポートするために保健省の主導で2002年に設立されました。英国全土の遺伝学に関わりある組織と密接に提携しながら活動しています。
 
調査の結果、同社がOEM供給している「ロシュ:MagNA Pure Compact」と「キアゲン:BioRobot EZ1」が高い評価を得ました。
両社共通で以下の点が報告されました。
・取扱が簡単
・抽出時間が早い(25分以内)
・良好な抽出結果(プレパック方式で、コンタミネーション(混ざり合い)がない。)
これらは、以前から田島社長が主張してきた同社製品の特徴です。
 
またロシュ製品は「臨床診断検査用途に有望な機種」、キアゲン製品は「遺伝子研究用途に有望な機種(Bestに挙げられる候補)」とのコメントが付けられました。
 
この調査は、同社製品・システムの先進性、優秀性を第三者が中立的に高く評価したものとして、今後のビジネスの拡大を強力に後押しするものと考えられます。
 
米国において新規OEM供給が相次いでスタート
 
同社では以前から、新規OEM先の開拓に注力してきましたが、ここにきて有力なOEM先との契約が続いて
 
インビトロジェン社(米国)
平成18年7月に、DNA自動抽出装置に関するOEM契約を締結しました。
これは、マグトレーション・テクノロジーを利用して、インビトロジェン社が開発した核酸抽出・精製試薬に適合する専用のDNA自動抽出装置を開発し、OEM供給するものです。
これまでの6社OEM先は国内、欧州企業でしたが、7社目となるインビトロジェン社は初の米国企業であり、これによりバイオインダストリーの主力市場である日・米・欧でのOEM供給がスタートしたことになります。
インビトロジェン社は積極的な事業展開によって近年急成長しているグローバル企業で、2005年売上高は、約12億USD(約1370億円)となっています。
 
ベックマン・コールター社(米国)
平成18年8月、マグトレーション・テクノロジーを用いて、ベックマン・コールター社が保有する核酸抽出技術を搭載可能な装置を開発し、OEM供給することに合意しました。
インビトロジェン社に次ぐ米国2社目のOEM契約先で、これによりOEM契約先は海外・国内合計8社となりました。(欧州4社、米国2社、国内2社)
 
ベックマン・コールター社は、グローバル展開するライフサイエンスリサーチ及び臨床診断システムの大手メーカーであり、ニューヨーク株式市場にも上場しています。
2005年の売上高 24億USD(約2800億円)となっています。
 
田島社長が1年前におっしゃっていた、海外有力OEM契約が相次いで実現したことは、同社の自動化技術の実績がグローバル市場で認知・評価され、またバイオ研究の進展に伴いますます遺伝子関連分野での自動化ニーズが高まってきたことが背景にあると、同社では考えています。
 
インビトロジェン社にとって核酸抽出・精製試薬は新規参入のフィールドであり、ベックマン・コールター社とともに、目先の販売動向に関しては読みにくい部分もありますが、今後の業績拡大に寄与してくることを期待しています。
 
PSSキャピタルの設立
 
平成18年7月、バイオベンチャーへの投資・育成を目的とした100%出資子会社PSSキャピタル株式会社を設立しました。
あわせて、株式会社トランスサイエンスとPSSキャピタルが共同で運営・管理を行なう「バイオコンテンツ投資事業有限責任組合」に対し、総額500百万円の出資を決定しました。(内訳、PSS450百万円、PSSキャピタル 50百万円)
 
<設立の背景・目的>
上記のように、同社の「マグトレーション・テクノロジー」は世界的なバイオ企業にその優秀さを認められるものとなり、同技術を利用したDNA自動抽出装置の累計出荷台数は4,000台以上となり現在も拡大中です。
同装置は言ってみれば、PSSのインフラ技術の上に、OEM先のコンテンツ技術が搭載されたもので、コンテンツの応用範囲は順次拡大しており、事業展開のおけるキーポイントは「どのようなコンテンツを搭載していくか」が大変重要なポイントとなっています。
 
これまではコンテンツの提供を大手OEM先に求めてきましたが、そのため事業進捗がOEM先に大きく左右される上、同社技術の応用範囲もOEM先ビジネスにより限定的なものとなっていました。
その一方で、現在同社の周辺には搭載可能な技術やコンテンツを保有する大学教授や研究機関、バイオベンチャー企業の情報が集積しています。
 
同社ではこうしたコンテンツホルダーに対し、技術のみでなく資金・人材も含め総合的に支援・育成していくことで、キャピタルゲインの獲得を狙うとともに、PSSグループの事業フィールドの拡大を図ることを目的とし、PSSキャピタル及びファンドを設立しました。予防医療やテーラーメイド医療などの早期実現、バイオ産業全体の活性化にも貢献できると考えています。
 
当該ファンドの運営・管理は、トランスサイエンス社、PSSキャピタル2社が共同で行います。
トランスサイエンス社はバイオベンチャーへの投資・育成を専門とする独立系のVCであり、そのファンド運営のノウハウ、経験、ネットワークと、PSSの「目利き力」やワールドワイドのネットワークを付加し、投資先の発掘、スクリーニング、事業化までのハンズオン支援を、より適切かつ効果的に実施していきます。
 
2007年6月期業績見通し
 
<連結>     (単位:100万円)
  見通し 対前期比
売上高 3,900 +7.2%
経常利益 30−60 +58.7〜+217.4%
当期純利益 0−30
 
キアゲンは引き続き減収見通しながらも、他のOEM先は堅調な動向を予想しています。
開発費は前期とほぼ同水準の380百万円と見込んでいます。
現在の売上高は、損益分岐点に近い水準にあるため、小幅な費用変動が利益を大きく左右するため、経常利益、当期純利益予想に30百万円の幅を持たせることとしています。
 
取材を終えて
田島社長が以前から仰っていた海外有力企業とのOEM契約が相次いで実現しました。同社の技術・システムの優秀性が改めて世界的に評価された形になっています。
ただ、田島社長はそれに甘んじることなく、PSSキャピタルの設立など更なる展開を積極的に目指しています。
技術開発も一段落した状態で、収益の底入れ・拡大を目指す同社の今後を引き続きフォローして行きたいと思います。
 
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