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ブリッジレポート:(8911)創建ホームズ vol.8

(8911:東証1部) 創建ホームズ 企業HP
丸本 吉紀 社長
丸本 吉紀 社長

【ブリッジレポート】 vol.8
(取材概要)
「低金利や住宅ローン減税等による政策的な後押しに加え、都心回帰の動向やニューリッチ層の底堅い需要等もあり事業環境は良好。同社の売上・利益も順調に拡大しており、2007年2月の業績には不安はないようです。・・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
創建ホームズ 株式会社
社長
丸本 吉紀
所在地
東京都杉並区荻窪 2-32-8
決算期
2月
業種
不動産業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年2月 38,553 2,068 1,654 989
2005年2月 27,296 1,177 1,014 584
2004年2月 21,541 808 647 372
2003年2月 16,535 640 451 253
2002年2月 13,698 520 394 222
2001年2月 8,673 472 348 200
2000年4月 6,227 337 292 160
株式情報(1/9現在データ)
株価 時価総額 発行済株式数
170,000円 22,789百万円 134,056株
創建ホームズの2007年2月期第3四半期業績について、会社概要と共にブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
東京城南・城西地区など高級住宅街で戸建分譲・注文住宅事業を展開、新規事業としてマンション事業及びアセットマネジメント(以下AM、注)事業を新規事業として育成中です。
 
 
<沿革>
1994年1月、不動産会社に勤務していた丸本社長が独立、同社を設立しました。会社設立以来、品質に対して強いこだわりを持っており、設立から10年を経ない2001年8月に国際標準化機構の品質基準であるISO9001の認証を取得。更に翌02年7月には同機構の環境基準であるISO14001を取得しました。
03年2月にJASDAQに株式を上場。05年2月の東京証券取引所第2部上場を経て、06年2月、東証1部に指定替えとなりました。
 
<同社の特徴>
高級住宅街にエリアを絞り込み、分譲・注文住宅を中心にマンション事業及びアセットマネジメント(以下AM、注)事業を手掛けています。
 
1.エリア深耕型ビジネス
地価の高いエリア、具体的には、東京城南・城西地区及び横浜田園都市線沿線の高級住宅街に特化しています。本店、東京西、自由ヶ丘、横浜、ふじみ野の5事業部を展開しており、エリア特性に根ざした商品の供給を行っています。つまり、各事業部でデザイン性が異なります。
 
2.事業部の独立性
各事業部は、それぞれの事業部長が5億円の仕入決済権限を持つ他、営業、設計、施工、及びメンテナンスの各職種が配置されており、各事業部は一つの会社のように自身で事業を完結することができます。
事業部長に5億円の仕入決済権限を持たせることで、スピーディな判断が可能となるため、情報収集力がアップします。なぜ、スピーディな判断をする事によって情報収集力がアップするかと言うと、ビジネスチャンスを逃さないため、情報提供者はスピーディな判断ができる事業者へ優先的に持ち込むからです。
 
3.ものづくりへのこだわり文化
同社は厳格な自社施工基準を基に創建ブランドの確立を目指しています。強いものづくりへのこだわり故に、同社自身は企画、設計、施工、アフターメンテナンスに特化。同社の一級建築士資格保有率は80%に達し、社員の約70%が生産ラインに従事しています。
一方、土地等の仕入れは不動産仲介会社や人的ネットワークをフルに活用、販売も不動産仲介会社等にアウトソーシングしています。不動産仲介会社等との仕入れ・販売での提携による関係の緊密化は土地情報入手の面で大きなメリットがあります。ただ、販売のアウトソーシングは売り切る力が弱いと言うデメリットもあり、特に大型現場の販売でこの傾向が顕著となることから、今後はアウトソーシングの活用と並行して自社販売を強化していく考えです。
 
<展開エリアと平均販売価格>
都区内の城南・城西エリア、横浜田園都市線沿線、及び埼玉南部に特化しており、今後もエリアは広げず、既存エリア内の深耕に注力する考えです。12月にはエリア事業部の分化と言う位置付けでたまプラーザ事業部を出店しました。
 
 
<新規事業:マンション事業及びAM事業>
戸建事業で培った情報収集力、仕入力、企画力を活かし、事業領域の拡大を図ると共に、生活スタイルの多様化に伴う様々な顧客ニーズに応えます。新規事業の特徴として次の5点を挙げる事ができます。

(1)戸建分譲に適さない士地情報を利用
(2)既存エリア内でのみ展開
(3)構造計算は自社内も含めトリプルチェックを実施
(4)戸建住宅同様デザイン性・グレード感を重視
 
マンション分譲事業
設計コンセブトは、面積だけで捉えず、体積=空間にこだわった設計。例えば、メゾネット、吹抜け、ロフトを取り入れた設計や二世帯住居等です。
 
アセット・マネジメント事業
安定した経営基盤と収益性の向上を目指し、優良資産の企画開発を目指します。7%程度の投資利回りを目標に物件開発を行い、ファンドへの売却や安定収益源として自社保有します。
 
<グループ戦略(関連会社の状況)>
同社と、創建アビリティ及びエヴァンソンマッコイホームズの連結子会社2社で企業グループを形成しています。連結子会社の概要は次の通りです。
 
創建アビリティ 株式会社 2003年9月設立
リフォーム事業(戸建住宅リフオームからマンションの内外装まで手掛けます。)
同社グループでは引渡し後のアフターメンテナンス(創建ホームズの無償サービス + 創建アビリティの有償サービス)によるきめ細かい顧客フォローを企業存続の生命線と位置づけ取り組んでいます。
 
エヴァソンマッコイホームズ 株式会社 2006年7月100%株式取得
注文住宅事業
駒沢(東京都世田谷区)、中川(神奈川県横浜市)、藤沢(神奈川県藤沢市)に住宅展示場を所有し、注文住宅事業強化のプラットフォームという位置づけになります。欧風デザインを得意とし、創建グループの商品ラインナップ充実を図ります。
 
2007年2月期第3四半期業績
 
 
増収・増益となりました。
 
<事業環境>
低金利や住宅ローン減税等による政策的な後押しに加え、都心回帰の動向やニューリッチ層の底堅い需要等もあり、住宅業界の販売は概ね順調に推移しました。
 
<販売実績>
 
分譲住宅の販売棟数が減少したのは、比較的高額な案件の取り扱いを増やしたためです。
 
 
注文住宅の受注及び分譲住宅の契約共に順調です。
 
 
積極的に分譲用地の取得を進めた結果、棚卸資産が増加。この資金を借入金や社債でファイナンスしました。
 
<キャッシュ・フロー>
 
分譲用地取得に伴うたな卸資産の増加等により、営業活動によるキャッシュ・フローは77億57百万円の流出。有形固定資産の取得及びエヴァソンマッコイホームズ株式の取得等により、投資活動によるキャッシュ・フローも4億96百万円の流出となりました。
一方、長短借入金の純増及び社債の発行により、財務活動によるキャッシュ・フローは81億48 百万円の流入となり、事業拡大に向けた旺盛な資金需要を賄いました。
 
2007年2月期業績予想
 
<連結>
 
業績予想に変更はありません。
足下の受注及び契約も順調に推移しています
 
取材を終えて
低金利や住宅ローン減税等による政策的な後押しに加え、都心回帰の動向やニューリッチ層の底堅い需要等もあり事業環境は良好。同社の売上・利益も順調に拡大しており、2007年2月の業績には不安はないようです。来期を見据えての分譲用地の仕入も進んでいるようです。