ブリッジレポート
(4955:東証2部) アグロ カネショウ 企業HP
櫛引 博敬 社長
櫛引 博敬 社長

【ブリッジレポート】アグロカネショウ VOL.18
(取材概要)
「2006年は天候要因で土壌処理剤の販売が想定したほど伸びませんでしたが、研究開発費の計上が少なかったため大幅な増益となりました。計画通りに費用計上・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
アグロ カネショウ株式会社
社長
櫛引 博敬
所在地
東京都港区赤坂 4-2-19
事業内容
農薬中堅。海外の有力化学メーカーからの技術導入に積極的。
決算期
12月
業種
化学(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年12月 12,851 576 497 272
2005年12月 12,154 442 385 114
2004年12月 10,742 536 366 186
2003年12月 7,322 -220 -208 -278
2002年12月 7,792 113 150 41
2001年12月 7,733 242 279 63
2000年12月 8,300 662 709 423
1999年12月 7,821 642 656 224
株式情報(3/13現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
916円 6,702,431株 6,139百万円 2.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20円 2.2% 29.09円 31.5倍 1,627.14円 0.6倍
※株価は3/13終値、ROEは前期実績
※配当を除く1株当たりの指標は連結ベース
 
アグロカネショウの2006年12月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
人と自然と環境にやさしい農薬つくりに取り組む農薬専業メーカー。農家密着型の営業展開により他の農薬メーカーと差別化を図っています。
 
無農薬栽培や有機栽培といった言葉をよく耳にしますが、「農薬による病害虫や雑草の防除対策をしないと、農産物の世界の収穫量の30%以上が失われてしまう」と言われています。例えば、財団法人 日本植物防疫協会によると、農薬を使用しなかった場合の農作物の減収率は、水稲27.5%、麦35.7%、桃にいたっては100%との事です。
また、除草剤が農作業の負担軽減に大きく貢献したことは皆さんもご存知と思われますが、農薬の使用は過酷な農作業からの開放にもつながり、農業を半世紀で25分の1に省力化しました。
ともすると、「農薬=悪」と連想しがちですが、世界的な食糧増産の必要性が叫ばれる中で、環境との調和に配慮しつつ農作物を病気や害虫から守り、食糧増産を進めるために農薬は必要不可欠な存在と言えます。
 
<事業領域>
日本の農薬市場(出荷額)は3,300億円。同社は、この市場の約半分を占める果実・野菜向けを主体としています。
 
 
99年の自社開発のダニ剤「カネマイト」の登録取得や03年のBASF社からの土壌処理剤事業の買収が原動力となり、日本国内の農薬出荷金額が漸減傾向にある中で同社の業績は拡大が続いています。
 
 
<成長ドライバー>
今後の成長ドライバーとして、有望新剤の登録、農家密着営業の強化、海外展開の推進を挙げることができます。
 
1.有望新剤の登録
有望新剤とは、2008年以降の業績寄与が期待できる土壌処理剤「ネマキック粒剤」(土壌を消毒し、線虫を駆除する)と2010年以降の上市が予定されているダニ剤の新製品3剤です
 
「ネマキック粒剤」の年商目標15億円です。
 
 
ダニ剤の新製品3剤を現在開発中です。そのうち1剤は2010年に、他の2剤は2012年以降の上市が予定されています。
 
 
※1剤の開発には約10年の歳月と15億円の費用を要します。
 
2.農家密着営業の強化
(1)北は北海道から、南は鹿児島まで日本全国に張り巡らさせた営業網で農家密着型の営業を展開しています。
 
(2)農家を起点としたマーケティングチェーン
同社、農家、そして直接販売に当たる会員店・販売店・JA等代理店の3者のコミュニケーションを密にして情報を共有するトライアングル作戦を展開しています。
 
 
TCA活動のTはTechnical、Cはcommercial、AはAdviser。同社の営業マンの業務は、技術普及のための農家へのアドバイスが中心。下の写真は技術指導の際に、撮影されたものです。
 
 
3.海外展開の推進
同社の自社開発ダニ剤「カネマイト」は世界中の多く国で使用されています。
 
 
 
 
収益性改善策
 
収益性の改善に向けて、事業ポートフォリオの見直しとKSTの投資回収に取り組みます。
 
1.事業ポートフォリオの見直し
三井物産との折半出資で設立した関連会社 セルティス ジャパン(株)は、同社が扱う化学農薬とは異なる生物農薬等を主に取り扱っていましたが、、事業ポートフォリオの見直しの一環として、この3月に三井物産に全持分を譲渡する事となりました。
 
 
KSTは、2003年12月に独国BASF社の農業用土壌処理剤事業を譲受する際、受け皿会社として設立されました。KSTは借入金の返済を2010年に完了する予定。また、のれんの償却についても、2013年に償却が終了する予定です。償却負担がなくなる2014年以降、大きな収益貢献が期待できます。
 
2006年12月期決算
 
 
前期比5.7%の増収、同29.1%の経常増益となりました。
売上高の伸びに対して、利益の伸びが大きくなっています。これは、着手する予定であった研究開発が1年遅れたため、研究開発費が前期の9億97百万円から8億44百万円に減少した事が大きな要因です。
 
2007年12月期決算
 
 
前期比6.1%の増収ながら、同35.2%の経常減益の予想です。
バスアミドを中心に土壌処理剤の販売が伸びる見込みです。しかし、研究開発費が10億20百万円と前期比1億76百万円増加する事が響きます。また、海外での農薬の登録更新費も増加する見込みです。
 
 
取材を終えて
2006年は天候要因で土壌処理剤の販売が想定したほど伸びませんでしたが、研究開発費の計上が少なかったため大幅な増益となりました。計画通りに費用計上されていれば減益となっていた可能性があります。
2/12期(非連結)から06/12期にかけての4年間で、同社の売上高は77億円から128億円(1.6倍)へ、経常利益は1.5億円から4.9億円(3.3倍)へ、それぞれ拡大しました。自社で新剤を開発する技術力があるため中長期的な成長力は高いと考えます。しかし、新剤の開発には10年の歳月と15億円の費用がかかる事に加え、短期的には天候要因で業績が下振れるリスクもあります。このため、同社へ投資は、長期戦の覚悟で臨む必要があります。もっとも、現在の株価水準であれば、2%を超える高い配当利回りが享受できるわけですから、長期戦でも申し分ないように思います。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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