ブリッジレポート
(2680)

ブリッジレポート:(2680)日本オプティカル vol.4

(2680:JASDAQ) 日本オプティカル 企業HP
長村 隆司 社長
長村 隆司 社長

【ブリッジレポート】日本オプティカル vol.4
(取材概要)
「2007年も医療費改正の影響が続く見込みで、2007年12月期も減益見込みです。ただ、2007年12月期のポイントは、利益よりも薬系5MINIを中心とした出店が計画・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社日本オプティカル
社長
長村 隆司
所在地
名古屋市中区栄 4-2-29
決算期
12月 末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年12月 19,268 612 638 -251
2005年12月 19,240 845 800 226
2004年12月 16,198 635 594 299
2003年12月 14,204 707 665 278
2002年12月 13,890 377 375 112
2001年12月 12,647 477 465 182
2000年12月 10,755 446 449 193
1999年12月 9,232 402 396 142
株式情報(4/13現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
530円 9,791,600株 5,190百万円 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
7円 1.3% 11.07円 47.9倍 285.83円 1.9倍
※株価は4/13終値、ROEは前期実績
※配当を除く1株当たりの指標は連結ベース
 
日本オプティカルの2006年12月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
国内外に201(FCを含む)店舗を展開し、コンタクトレンズ、メガネ、及びコンタクトケア用品その他の小売販売を行っています。
グループは同社の他、連結子会社3社。北海道・東北及び関西等でのコンタクトレンズ・メガネ小売販売を行う(株)ノプト、消耗品・事務用品販売の(株)ノプトサービス、及び中国でコンタクトレンズ・メガネ小売販売を手がける現地法人です。
 
<店舗展開>
コンタクトレンズは、主に" ハートアップ "というブランド名で展開している実店舗とインターネット上の仮想店舗で販売しています。
具体的には、協力医療機関(眼科医)隣接型の販売店舗「ハートアップ コアショップ」、協力医療機関が隣接しない販売店舗「ハートアップ Webショップ」、ドラッグストアチェーン等とのタイアップによる小型店舗(2坪ショップ)「ハートアップ 5MINI(ファイブミニ)」、及びインターネット上の仮想店舗「EYE-D mall」です。
グラス(眼鏡)事業は、従来型眼鏡店に加え、顧客ターゲットをライフスタイルによって絞り込んだコンセプチュアルショップ(注)の集合体「ハートアップ ビジョンスクエア」、及び「ハートアップ ビジョンスクエア」を進化させた新業態(新ブランド)「グラスコード」の店舗展開を進めています。
 
(注)コンセプチュアルショップ
年齢・性別やライフスタイルによって異なる「コンセプト」を追求したグラス(眼鏡)ショップ
 
<「EDNS」を利用した販売>
コンタクトレンズ事業の特徴は、コンタクトレンズ処方箋データの登録・管理・配信・販売システム「EDNS(Eye-Data Network System)」を利用した販売にあります。
 
同社は、眼科医が発行した使い捨てコンタクトレンズ及び定期交換コンタクトレンズの処方箋データを、「EDNS」のデータベースであるEYE-DATA BANKに登録し集中管理を行っています。眼科医が定めた処方箋の有効期限や顧客の目の状態(眼科医の診断による使用制限指示など)に問題がなく、本人認証ができれば、インターネット上の店舗「EYE-D mall」で処方箋通りのコンタクトレンズを購入することができます。また、通勤・通学等の途中に、駅前等のWebショップでも時間をとらずに購入できます。この一連のシステムが「EDNS」です。
 
<ビジネスモデル特許の取得>
処方箋データの登録によって安全性を担保しながら、顧客のライフスタイルに合わせて購入方法を選択できる「EDNS」は、2003年8月にビジネスモデル特許を取得しています。同社では「Eye-Data Network System」がコンタクトレンズ購入のスタンダードになると考えています。
 
<ビジョン産業の動向>
コンタクトレンズ(CL)市場(左グラフ)・・・販売単価の上昇と装用人口の増加で成長
眼鏡(GL)市場(右グラフ)・・・ゼロサム市場の中で販売単価が上昇
 
<事業セグメント>
上場他社が眼鏡を中心に展開しているのに対して、同社はコンタクトレンズを核としてビジョン産業全般へ展開しています(同社作成資料より)。
 
同社は、独自の事業展開と積極的な新業態開発等で成長を続けています。
 
2006年12月期決算
 
 
コンタクトレンズ・グラスの販売は堅調に推移しましたが、業務受託料等の減少で売上高が伸び悩む中、眼科支援経費(保険医療機関は対象外)の増加が利益を圧迫しました。
 
<営業利益増減要因>
1.コンタクトレンズ販売
利益重視の施策により売上は6.3%増にとどまりましたが、EDNSの浸透によりネット販売は堅調に推移しました。
2.グラス(眼鏡)販売
購入客数の回復と施策の充実が奏功し、売上高が増加しました。
3.医療費改正の影響
業務受託料の大幅な減額となる一方、眼科支援金が発生。売上高・利益共に影響を受けました。
 
1.コンタクトレンズ販売
(1)粗利重視の施策
利益重視の販売施策(価格の安定と販売促進費抑制)に加え、医療費改正後の影響が予想以上に長期化したことによる来店客数の減少、及び不透明な事業環境を鑑みてコアショップの出店を抑制した事等が影響して売上高が想定ほどには伸びませんでしたが、利益重視の販売施策の成果で売上総利益が前期比14.6%増加。売上総利益率も59.4%と同4.3ポイント上昇しました。
 
 
(2)EDNSの浸透によるネット販売の安定
EYE-D mailの認知度向上により購入客数が前期比22.5%増加。新商品のランナップ拡充と全社的な価格安定策により販売単価も上昇しました。また、注力しているPB(プライベートブランド)商品の売上構成比は、23.4%と1.2ポイント上昇しました。
 
 
2.グラス(眼鏡)販売
期を通して購入客数が回復、各種の販売促進策が奏功したこともあり、売上高が増加しました。具体的には、コンタクトレンズ顧客を基盤とする同社の特色を活かした眼鏡の同時購入促進、新業態(グラスコード)の開発、店舗毎の催事・イベント等の施策、更には人員の強化と仕入先拡大やSPA商品開発による品揃えの充実等です。
 
 
3.医療費改正の影響
2006年4月施行の医療費改正以降、CL業界は厳しい事業環境が続いています。同社においても、業務受託料の大幅な減額と自由診療制眼科への支援金が発生、売上高・利益共に影響を受けました。
 
(1)CL診療料金の崩壊
医療費改正のルールを守らない眼科が非常に多いため、①CLユーザーにとってCL診療料金がわかり難く、②コンプライアンスを遵守している正しい眼科ほど、厳しい経営環境化に陥っています。
(2)同社への影響
業務受託料の減額要請に対応したため、その他売上が減少しました。加えて、経営の合理化が間に合わない協力医療機関に対して、"CL処方箋の発行クリニックの保全"及び"適正なCLの流通を担保"するため、眼科支援金による救済措置を実施しました(保険医療機関は対象外)。
一方、利益確保のための対策として、徹底した価格コントロールによる粗利重視の価格安定化政策を実施すると共に、EDNS顧客の囲い込みや薬系5MINIの出店を進めました。
(3)今後の見通し
①行政
全国での不正な請求に対する厚生労働省・社会保険庁の監査、指導の動きがあります。また、詐欺的要素の強い場合には、刑事事件に発展する可能性も否定できません。
②CL業界
依然厳しい環境は続くものの、今年度中にはCL診療の適正な料金体系が確立され、業界が正常化するものと予測しております。
 
 
積極出店に伴い、棚卸資産及び敷金・保証金が増加しました。
 
 
<設備投資の状況と店舗推移>
 
 
2007年12月期業績予想
 
 
引き続き医療費改正の影響が残ると見ています。
また、店舗の減損処理を行うため、当期純利益の水準が低くなる見込みです。
 
中期計画に基づく2007年12月期経営基本方針
 
中期計画に基づく2007年12月期経営基本方針として、次の6項目に沿ってご説明します。
 
1.医療費改正後のコンタクトレンズ市場の動向
2.2007年12月期重点施策(Summary)
3.出店戦略-薬系5MINlの積極的出店-
4.コンタク卜レンズ販売
5.グラス販売
6.内部統制の強化
 
1.医療費改正後のコンタクトレンズ市場の動向
同社では、医療費改正後のコンタクトレンズ診療は、自由診療が主流になると考えています。行政指導の強化等もあり、今後、保険診療の適正な料金体系が浸透していくものと思われます。しかし、現行のCL診療報酬の料金体系では医療機関の経営が成り立たないため、欧米同様、日本においてもCL診療の自由診療化の流れが形成されると想定されます。結果として、不公正な競争環境の是正と競合店の淘汰による業界の再編が見込まれ、EDNSを核とした同社のビジネスモデルがより展開しやすい環境が生まれると思われます。
 
 
3.出店戦略-薬系5MINlの積極的出店-
薬系5MINIのパイロット店舗の出店から、本格出店へ向けた基礎固めに移行します。2007年2月19日現在の提携先ドラッグストアチェーンは次の6社、919店舗です。
 
 
4.コンタク卜レンズ販売
5MINIの出店を加速させドミナント形成を図ると共にリフレプラン(定額会員制システム)をスタートさせます。また、PB商品開発による高収益化にも取り組みます。
 
(1)リフレプラン(定額会員制システム)
リフレプランとは、「宅配つき定額制コンタクト」(現在20店舗で実施)の事で、定額の会費で自動的にコンタクト、ケア用品が宅配されるシステムです。顧客囲い込みのための重点施策であり、会員数の目標を全購入者の10%としています。
 
同社のメリット
①メーカー系において類似するシステムはありますが、使い捨てレンズの全メーカー・全商品を扱えるのは同社だけであり、競合他社との差別化が可能です。
②販促削減効果(チラシ等の投下量を減らすことができます)。
③薬系5MINlの店舗展開において特殊レンズを含めた在庫コントロールが可能です。
④今後の顧客ビジネスヘの布石ともなり得ます。
 
(2)PB商品開発による高収益化
市場が拡大中の1Monthlyレンズと大きなシェアを持つ2WeeksレンズのPBを投入すると共に、MPS、点眼薬などコンタクトレンズ周辺商品のPB商品群の拡販を図ります。
 
5.グラス販売
集客力を重視した大型店の出店を進めると共に、CLユーザーとの接点を活かし、眼鏡の楽しみ方を提案していきます。「眼鏡を買えば、コンタクトが安くなる」など独自の併売戦略により、CLとの同時購入者が増加傾向にあります。
 
6.内部統制の強化
内部統制強化に向けた施策として、次の6項目を掲げています。
(1)コンタクトレンズトレーサビリティシステムの稼動と拡充
(2) コックピット・ストアマネジメントの完成へ(SOMS:Store Operation Monitoring System の更なる活用)
⇒コックピットでのマネジメントにより複数店舗の同時モニタリングを可能とし、画像と音声による"店舗⇔本社"のリアルタイムコミュニケーションを実現。
⇒訪店によるマネジメントロスタイム(移動など)を極小化。
⇒戦略立案に必要な内外のデータを集約し全店舗をリアルタイムに遠隔指導
(3) マネジメントバイブル及び店舗マネジメン卜規格の運用
⇒エリアマネージャーの店舗指導等に関する問題点や成功事例の収集と共有化(マネジルトバィブル)
⇒効率的な店舗管理項目の統一と標準化(店舗マネジメント規格)
(4)ノプトコンプライアンスライン(内部通報窓口)の設置
(5)コンプライアンス委員会・内部統制委員会の立上げ
(6)アクションレポート窓口の設置
 
中期計画 展開スケジュール
 
2009年に売上高440億円、経常利益42億円の達成を目指しています。
このため、全国的なEDNSインフラ構築のためのキーショップである薬系5MINIの大量出店を進めると共に、首都圏での戦略展開の一環として、M&A政策や同業他社の営業施設譲受に取り組みます。
 
取材を終えて
2007年も医療費改正の影響が続く見込みで、2007年12月期も減益見込みです。ただ、2007年12月期のポイントは、利益よりも薬系5MINIを中心とした出店が計画通りに進むか否かのようです。大幅な店舗の増加を見込んでいますが、提携先の店舗数が900店舗を超えていますから、十分実現可能と考えているようです。
また、来期以降の業績を考える上でも、キーワードは店舗ネットワーク。積極出店とそれを補完するためのM&A政策や同業他社の営業施設譲受などで推進していきます。計画通りに店舗ネットワークを広げる事ができれば、EDNSが本来の力を発揮してくるものと思います。