ブリッジレポート
(7542)

ブリッジレポート:(7542)ビスケーホールディングス vol.5

(7542:JASDAQ) ビスケーホールディングス 企業HP
岸田 登 社長
岸田 登 社長

【ブリッジレポート】ビスケーホールディングス vol.5
(取材概要)
「中間決算は営業損益以下の各損益段階で損失を計上しましたが、不採算ブランドの整理やコスト削減が進んでいます。今期は、利益面で下期にかかるプレッシャー・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社ビスケーホールディングス
社長
岸田 登
所在地
東京都世田谷区玉川 1-17-9
決算期
8月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年8月 7,246 -389 -403 -565
2005年12月 10,127 -132 -145 -743
2004年12月 8,667 -78 -107 -203
2003年12月 6,510 559 501 194
2002年12月 6,953 526 543 3
2001年12月 7,662 939 932 407
2000年12月 7,415 1,016 1,019 509
1999年12月 7,098 1,479 1,533 716
株式情報(4/19現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
357円 8,988,000株 3,209百万円 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10円 2.8% 382.62円 0.9倍
※株価は4/19終値。発行済株式数及びBPSは4月25日の第三者割当増資を考慮。
※配当を除く1株当たりの指標は連結ベース
 
ビスケーホールディングスの2007年2月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
同社グループは、持株会社である(株)ビスケーホールディングスと連結子会社13社で構成され、婦人服・紳士服の企画・製造及び販売を主要な事業としています。独自性・創造性に富んだブランド展開が特徴です。
 
 
 
事業は、ミセス事業、ヤング・キャリア事業、インポート事業、メンズ事業に分かれ、上記ブランドを展開しています。
 
 
2007年2月期決算
 
 
売上高はほぼ期初計画を達成、販管費の抑制(計画比△86百万円)により販管費比率も計画を下回りましたが(計画44.2%→43.1%)、売上総利益率の低下(計画45.0%→実績42.4%)により、経常損益及び当期純損益が計画を大きく下回りました。
 
※売上総利益率計画未達要因
・ミセスブランド事業における専門店市場の市況低迷
・インポートブランド事業におけるセール販売比率の増加
 
 
1.売上高の増加
ヤング・キャリア事業をけん引役に前年同期実績を上回りました。また、ミセス事業に下げ止まり感があります。
2.売上総利益率の低下
ヤング・キャリア事業の過年度在庫評価損、インポート事業のセール販売比率上昇、及びユーロ高等
3.販管費比率の低下
効率性改善に対する意識がグループ各社に浸透してきました。
 
 
 
 
 
新ブランドの拡大によりミセス事業依存度が低下しています。また、直営店及び百貨店での小売比率が上昇、販売チャネルの多様化も進んでいます。
 
<中間期の活動のポイント>
ヤング・キャリア事業
新規出店及びイベント参加により知名度の向上に努めました。また、「デイライル」は『東京ガールズコレクション』への参加を契機に、携帯サイトの売上が増加しています。
 
 
 
インポートブランド事業
ブランド力向上を目指し、出店・リニューアルを推進しました。
07年2月に東急渋谷本店にオープンした「シャンテクレール」の国内第1号直営店の立ち上がりが好調です。
同じく、07年2月、東武百貨店池袋本店に「ポール・カ」の新店をオープン。また、広島三越店とジェイアール名古屋タカシマヤ店を07年2月に、高島屋新宿店を07年3月に、それぞれリニューアルしました。
 
 
 
06年8月末に比べて、資産が7億87百万円減少しました。主な減少要因は、投資有価証券売却代金の入金による流動資産のその他の減少、及び無形固定資産の連結調整勘定の減少等です。一方、負債・純資産では、負債が6億26百万円(うち有利子負債の減少が約5億円)、純資産が1億61百万円減少しました。
 
 
棚卸資産の増加、仕入債務の減少、及び法人税の支払等により営業活動によるキャッシュ・フローが1億31百万円の流出となる一方、投資有価証券の売却による収入等で投資活動によるキャッシュ・フローが3億02百万円の流入。また、借入金の返済や社債の償還により、財務活動によるキャッシュ・フローは5億18百万円の流出となりました。
この結果、中間期末の現金及び現金同等物の期末残高は12億03百万円と、06年8月末に比べて3億49百万円減少しました。
 
2008年2月期業績予想
 
 
通期の業績予想に変更はありません。
不採算ブランドの整理が完了(ミセス2ブランド;中間の赤字額41百万円)した事に加え、販管費の減少(経費節減努力の継続により上期比50~70百万円削減見込み)により、のれん償却負担を吸収して下期は損益が大きく改善する見込みです。
 
 
<下期の取組ポイント>
ミセスブランド事業
引き続き専門店販路の返品・値引き抑制へ注力すると共に、「羽化」、「キュート・ブルー」、「ステラ・ディ・ブルー」といった新ブランドンの育成に取り組みます。
 
ヤングキャリアブランド事業
上期に出店した店舗の戦力化に努めると共に、携帯サイトの強化に取り組みます。また、4月27日には「アナディス」の新丸ビル店がオープンします。
 
インポートブランド事業
スペインブランド「AILANTO AILANTHUS ALTISSIMA」のトライアルを、うめだ阪急店で開始するほか、「シャンテクレール」の催事を多数計画しています。
※シャンテクレール」の催事計画
4月17日~4月23日 三越日本橋本店
5月23日~6月9日 日本橋高島屋
 
メンズブランド事業
関西発のブランド「ドゥニーム」の東京事務所を開設しました。首都圏への出店へ向け、プロモーションを強化します。
 
長期ビジョン
 
 
アパレルを核としたジャパニーズブランドビジネス
市場規模やブランドバリューに見合ったブランド展開を図り、小粒でも良質な利益を獲得できるブランドの集合体(Portfolio)を形成します。
 
 
アパレルをコアとしたファッションブランドの構築を目指します。
 
<独自のブランド&事業ポートフォリオ>
トレンドの変化や多様化が著しいファッション業界にあって、いつの時代も確実にマーケットを獲得し、継続的な成長を可能にする"ビスケーポートフォリオ"の整備は終わりました。今後は、各ブランドの潜在価値の顕在化に努めます。
 
 
 
<豊田通商との資本・業務提携>
両社の得意分野を生かした共同事業創出への取組やシナジーの発揮を目指して、資本・業務提携を締結しました。
 
資本提携
更なる事業拡大を図るべく、豊田通商に対し、第三者割当増資(3百万株)を1株当たり340円で実施しました。調達した資金は、共同事業への取組資金及び運転資金に充当する考えです。
 
 
業務提携
アパレルを核としつつも、ライフスタイル全般に事業を拡大していく考えです。具体的には、次のような事業展開を考えています。
 
・国内外アパレル・関連商品事業展開
・ライフスタイル全般に関する事業展開
・上記に付随する関連事業全般
・双方の機能提供・活用による効率化の推進と企業価値向上
 
 
取材を終えて
中間決算は営業損益以下の各損益段階で損失を計上しましたが、不採算ブランドの整理やコスト削減が進んでいます。今期は、利益面で下期にかかるプレッシャーが大きいため、若干の不安はありますが、体質改善が進んでいるため、来期以降の展望が開けてきました。更に、今後の豊田通商との提携効果に期待すれば、1株当たり純資産(BPS)を下回る現在の株価は魅力的と思われます。