ブリッジレポート
(2462:東証1部) ジェイコム 企業HP
岡本 泰彦 社長
岡本 泰彦 社長

【ブリッジレポート】ジェイコム vol.5
(取材概要)2007年7月10日掲載
「同社は、携帯電話業界の営業支援に特化することで、他の営業支援会社との差別化を図ってきました。携帯電話業界は依然として販売スタッフへのニーズが強い・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
ジェイコム株式会社
社長
岡本 泰彦
所在地
大阪市中央区西心斎橋 2-1-3
事業内容
携帯電話の販売支援を中心とした総合人材サービス会社
決算期
5月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年5月 9,605 812 786 444
2006年5月 6,657 594 552 274
2005年5月 4,684 284 281 152
2004年5月 3,271 142 141 56
2003年5月 2,222 90 88 45
2002年5月 1,616 77 76 40
2001年5月 1,369 73 70 34
株式情報(7/5現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
309,000円 48,532株 14,996百万円 15.7% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
3,000円 1.0% 12,177.53円 25.4倍 80,127.07円 3.9倍
※株価は7/5終値
 
ジェイコムの2007年5月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
大阪市に本社を置き、販売支援等の総合人材サービス事業と携帯電話キャリアショップ運営のマルチメディアサービス事業を展開しています。
主力の総合人材サービス事業は、携帯電話業界に特化した差別化戦略が奏功。業界動向や顧客ニーズを的確に捉えたサービスと情報の提供が、顧客企業から高い評価を得ています。
大阪本社、東京、東海、中国、東北、九州、北海道の6支社、静岡、栃木のサテライト・オフィス2拠点を展開しています。
 
<沿革>
1993年9月にパッケージ旅行の企画事業を目的に設立され、96年11月に現社名のジェイコム(株)に社名を変更しました。98年8月に携帯電話端末の販売を本格的に開始、同年10月に丸紅テレコムと販売業務に関する委託契約を締結し総合人材サービス事業を開始。2005年12月の東証マザーズ上場を経て、2007年2月23日に東証第一部に指定替えとなりました。
 
<事業内容>
事業は総合人材サービスとマルチメディアサービスに分かれます。2007年5月期決算では前者の売上高が全体の92.1%を占めました。
 
1.総合人材サービス
総合人材サービス事業は、更に営業支援サービスと人材派遣サービスに分かれます。
 
(1)営業支援サービス
ジェイコムスタッフと呼ばれる同社のスタッフが、携帯電話ショップや量販店等販売店での接客、商品説明、販売活動、販売員に対するアドバイスや営業情報の収集・報告といった店舗巡回業務等のサービスを提供します。また、販売業務自体を請負うアウトソーシングサービスも提供しています。
 
(2)人材派遣サービス
営業支援サービス以外のオフィスやコールセンターへのスタッフ派遣が中心で、同社が雇用し、教育・研修を行ったスタッフを派遣します。
 
2.マルチメディアサービス事業
携帯電話端末の販売及び加入契約取次代理店事業を行っています。各通信キャリアと丸紅テレコムとの三者間契約により、関西地区でドコモショップ1店舗、ソフトバンクショップ2店舗を運営しています。
 
 
同社は、営業支援サービス業界のリーディング・カンパニーを目指し、収益の拡大・高品質のサービス提供を行うと共に、健全な財務体質を維持し、株主価値の向上に努めています。
 
2007年5月期決算
 
<ポイント>
1.売上高・利益共に大幅増
引き続き携帯業界向け売上増が牽引し、新支社やサテライト・オフィスの開設、求人費増、営業体制の強化等の先行投資負担を吸収し、売上高・利益は前期実績・業績予想共に大幅に超過、過去最高を更新しました。
 
2.総合人材サービス事業の拡大
(1)ナンバーポータピリティ(MNP)効果等により携帯電話業界向けが牽引しました。
  ・総合人材サービス事業売上高 前期比50.1%増
  ・携帯電話業界向け売上高 前期比53.1%増
  ・携帯キャリア向け売上高 前期比75.1%増
(2)首都圏を含む東日本地区の売上構成比の上昇。
(3)九州支社の開設、サテライト・オフィス(静岡・栃木)の設置を開始。
 
3.株主還元策の実施
株主への利益還元策を明確化するため、当面の年間配当性向として25〜30%を定めました。2007年5月期は中間普通配当金:1,000円、期末普通配当金:1,500円を実施。また、東証1部指定替えを受け、期末に500円の記念配当を実施しました。
 
<業績サマリー>
前期比
携帯業界向けを中心とした総合人材サービス事業が全社収益を牽引し、売上高・利益ともに前期実績を大幅に上回りました。
 
 
予想比
また、売上高・利益共に上方修正した予想値をも超過、過去最高を更新しました。
 
 
<損益計算書>
総合人材サービス事業において、携帯電話業界内での売上高増加を図るべく営業活動を強化しました。特に同社のシェアが低かった首都圏でのシェアアップに注力した結果、大きな成長を上げる事ができました。また、東北、九州も予想以上に伸びました。
一方、マルチメディアサービス事業にいては、ソフトバンクモバイルの積極的な出店の影響を受けたものの、引き続き直営3店舗における販売力強化に努めました。
 
 
<営業利益>
将来に向けた先行投資に伴う販管費増加要因を増収効果で吸収し、営業利益は前期比36.6%と大きく拡大。また、営業利益率も8.5%と06/5期(8.9%)と同程度の高い水準を維持することができました。
 
 
営業利益率8%を必達目標とし、8%を上回る部分については成長の為の投資に充てていく考えです。特に事業拡大余地の大きい首都圏では営業マンの増員やオフィスの増床等の投資が必要です。
 
<貸借対照表>
流動資産
:2,277百万円増
有価証券(999百万円増)及び短期信託受益権(900百万円増)が主な増加要因です。これらは短期(3ヶ月以内の換金可能資産)資金運用の一環です。
 
固定資産
:152百万円増
資金連用及び取引先株式の取得による投賃有価証券の増加(63百万円)、(株)アトランティスの子会社化に伴う(07年6月1日吸収合併)関係会社株式の増加(56百万円)が増加の主な要因です。
 
負債
:325百万円増
期末稼動スタッフ数の増加に伴う未払い賃金の増加(218百万円)が主な要因です。
尚、長短有利子負債残高は無く、いわゆる無借金経営です。
 
純資産
:2,104百万円増
新株発行による資本金・資本準備金の増加(1,698百万円)、及び利益剰余金の増加(400百万円)が主な増加要因です。自己資本比率は75.0%となり、前期比10.3ポイント上昇しました。
 
 
事業拡大に伴い売上債権や法人税等の支払額が大幅に増加しましたが、営業CFは前期を上回りました。投資CFの資金流出が大きいのは、資金運用によるものです。実質的なフリーCFは黒字を維持しています。
 
 
<総合人材サービスの動向>
1.サービス別売上高
販売支援サービスを中心とした営業支援サービスが引き続き売上拡大に寄与しました。
 
 
2.稼動スタッフ数・四半期売上高の推移
2007年5月期は、前期比で1,200名増加しました。スタッフ数の増加を背景に四半期売上高も順調に拡大しました。同社は、経験の有無を問わず、長期で働く事ができるスタッフを積極的に採用していく計画です。
 
 
3.業界別売上高
営業体制強化により携帯電話業界向け売上高が大幅に増加。今期から本格化したカード業界向け売上も伸長。
 
 
4.月次売上高の推移
首都圏を中心とした営業体制強化により大幅な増収を実現。強化された営業体制によるナンバーポータビリティ効果の取り込み等で高い成長率を維持しています。
 
 
5.顧客別の状況
携帯キャリア向け売上構成比が31.8%から36.6%の上昇。流通が変わる可能性を考えて、キャリアとのパイプをより太くする事に注力しました。
 
 
6.地域別売上高
東日本地区が2期連続で倍増となる等、各地域で順調に売上が拡大しました。
 
 
7.営業拠点の状況
九州支社の設立に加え、スタッフの採用・研修・派遣業務に特化したサテライト・オフィスを開始しました。
 
サテライト・オフィス展開の目的は、
 ̄超筏鯏世粒判爾砲茲襯┘螢拡大
∩換・広域案件へのきめ細かい対応
6般各嘆修砲茲觝了酸の向上等です。
栃木サテライト・オフィスでは、短期間に売上高が300万円から1000万円へと急伸しました。
 
2008年5月期業績予想
 
<ポイント>
1.売上高・利益共に大幅増
携帯電話業界向けを中心とした総合人材サービスが牽引し、新支社やサテライト・オフィスの開設、求人費増、基幹システムの構築、新規事業部設立など将来への先行投資負担を吸収。中間期・通期共に売上高・利益は30%を超える大幅な増加が見込まれます。
 
2.総合人材サービス事業の拡大
(1) 営業拠点の拡充
北海道支社が営業を開始する他、四国支社の設立やサテライト・オフィスの設置拡大を計画しています。
(2)首都圏の更なる強化
(3)新キャリア(イー・モバイル)からの受注本格化
(4)携帯電話業界向け、クレジット・カード業界向けキャンペーン受注の強化
 
3.新事業部の設立
携帯電話業界向け営業支援サービスに続く第2の事業の柱を構築するべくMF事業部を新設しました。新規事業領域・新市場への取り組みを本格化し、継続的な高い成長と高収益体質の構築を目指します。
基本は人材の派遣ですが、取引先のニーズを汲み上げる事でビジネスチャンスを拡大させていく考えです。
 
<業績予想>
当期を第2創業の年と位置付け、総合人材サービス事業を中心に大幅な増収・増益の達成を目指します。
 
 
<業績予想のポイント>
新支社、サテライト・オフィスの開設や新規事業に伴う先行投資負担を吸収して大幅増収・増益の見込みです。
 
1.上半期
(1)売上高
  引続き携帯電話業界向けや営業支援サービスへの需要拡大が予想される他、新キャリア「イー・モバイル」からの受注も本格化します。
(2)営業利益
  東京支社の移転・増床、人員増強等を検討中です。北海道支社の運営費や、新規事業部立ち上げ費用等も発生しますが、増収効果で吸収します。
2.下半期
(1)売上高
  携帯電話業界向け営業支援サービスは、東日本地区のシェア拡大に加え、新支社の収益貢献により引続き拡大。また、キャンペーン売上の増加や新規事業の寄与で売上高は大きく増加します。
(2)営業利益
  四国支社の開設やサテライト・オフィスの設置地域拡大等の費用増加を増収効果により吸収、大幅な営業増益が見込まれ、営業利率も高水準を維持する見込みです。
 
*総合人材サービス事業地域別売上高予想
 
<全国営業網の確立>
四国支社の設立に加え、2007年5月期から開始したサテライト・オフィスの開設を複数地域で検討しています。
 
早期の全国営業網確立に向けて、下期に四国支社(高松)を設立する予定である他、群馬、鹿児島、岡山等5ヵ所前後のサテライト・オフィスの開設を検討しています。
また、支社については、北陸支社の設立を検討中です。
 
新たに進出した地域では、これまでの営業支援サービスのノウハウを活かして、早期のNo.1シェア獲得を目指します。
また、営業地域拡大による受注機会創出や全国・広域条件の受注機会の増加により、全国的なシェアの拡大を図る考えです。
 
<首都圏の更なる強化>
最大市場であり、同社にとってシェアや取引先の拡大余地が大きい首都圏を更に強化します。首都圏シェアNo.1へ向け、次に示す施策に取り組みます。
 
1.主要クライアントとの関係強化
⇒ 中核取引先での同社スタッフ稼働率をトップへ
 
2.フロント・スタッフ、窓口スタッフの一括受注提案の強化
 
3.キャンペーン受注の拡大
 
4.スタッフ・クオリティの維持・向上(研修体制強化による受注拡大)
⇒ 派遣スタッフ数の増加に伴うスタッフ・クオリティの低下を防ぐため、研修体制を更に充実
 
5.管理体制、コンプライアンスの維持・強化
<イーモバイルからの受注開始>
新キャリア「イー・モバイル」が、2007年3月より営業を開始しました。ジェイコムも既に受注・サービス提供を開始しています。今後、「イー・モバイル」の営業本格化・販促拡大に伴い、ジェイコムへの発注量も徐々に拡大する見込みです。
 
 
<新事業部の設立>
東証1部への指定替えを機に、当期を第2の創業と位置付け、新業界・領域への事業展開を開始します。
この一環として、MF(Moving Forward)事業部を2007年6月に設立しました。携帯電話業界向け営業支援サービスで得た「経験・ノウハウ」と「研修・教育力」を活かし、新業界・新領域・幅広い世代を対象とした新たな事業の柱を育成します。
 
 
今後の戦略
 
 
達成すべき4つのKey Word
1.携帯電話業界における圧倒的なシェアの獲得
2.MF事業部を核とした新規事業・業界への注力による第2の創業
3.採用・教育体制の整備と、キャリアアップに強い会社としての認知度アップ
4.コンプライアンスの徹底及び基幹システムの整備
 
<ロードマップ>
 
*未だ拡大余地大きい携帯電話業界向け
携帯電話業界向け営業支援サービスは、今後3年間で100億円の拡大余地があると同社では見込んでおります。
 
 
首都圏における事業拡大を最大の経営課題として掲げ、経営資源を積極的に投入し、関東エリアでのシェアアップを図ります。更に、既に支社を開設した東北、九州、北海道に続き、四国、北陸等全国への支社展開による事業拡大を計画しており、全国主要都市においてもシェアを伸ばしていく考えです。また、関西、東海地区においても、相次ぐ家電量販店の新規出店や携帯電話環境の複雑化による販売スタッフへのニーズの高まり、他社シェア獲得による既存得意先でのシェア拡大、携帯電話ショップへの営業活動促進等により、売上拡大の余地は十分にあります。
 
 
当期よりスタートするMF事業は、2010年5月期までに、全社収益への本格的な貢献を目指しています。2008年5月期の売上目標は2億円。既に金融向けのサービスがスタートしています。
 
取材を終えて
同社は、携帯電話業界の営業支援に特化することで、他の営業支援会社との差別化を図ってきました。携帯電話業界は依然として販売スタッフへのニーズが強いことから、同社の更なるシェアアップも可能であると思われます。しかし、特定の業界へ依存するリスクを回避する必要もあります。このため、情報通信業界、金融業界等、携帯電話以外の業界に対しても積極的な事業展開を行っていく考えです。新たに設立されたMF事業部の"MF"は、Moving Forwardの頭文字をとったものです。Moving Forward(=前に出る)つまり、クライアントからのオーダーに応じて行動するだけでなく、クライアントが望むサービスを積極的に提案・提供していこうという同社の思いが込められています。MF事業部の今後の展開に期待したいと思います。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2017 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.17 | ブリッジレポート:(4766)ピーエイ vol.2»

ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE