ブリッジレポート
(4323) 日本システム技術株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.1

(4323:東証2部) 日本システム技術 企業HP
平林 武昭 社長
平林 武昭 社長

【ブリッジレポート】日本システム技術 vol.1
(取材概要)2007年7月31日掲載
「2008年3月期は、研究開発費の一巡で利益がV字回復する見込みです。続く2009年3月期は開発体制の強化が進んだソフトウェア事業の拡大が見込・・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
日本システム技術株式会社
代表取締役社長
平林 武昭
所在地
〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-7
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年3月 9,711 389 405 138
2006年3月 7,917 111 125 605
2005年3月 8,189 522 502 319
2004年3月 7,767 540 537 67
2003年3月 7,064 676 635 194
2002年3月 6,939 658 606 181
2001年3月 6,285 834 814 282
株式情報(6/27現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
960円 5,035,202株 4,834百万円 3.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25円 2.6% 93.34円 10.3倍 721.94円 1.3倍
※株価は6/27終値
 
日本システム技術(略称JAST)の2007年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
ソフトウェアの受託開発、教育機関向け業務パッケージの開発・販売、及び情報システム関連機器等の販売を行っています。
 
<沿革>
 
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向け学校事務支援統合システム「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークをWeb環境上で実現するパッケージソフト「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場しました。
 
<特徴>
理念重視の経営、幅広い事業領域と専門特化、大手優良企業群との長期取引、国内外へのグループ拠点展開、国内トップシェアの教育機関向け業務パッケージが同社の特徴です。
 
1.理念重視の経営
「情報化の創造・提供による社会貢献」をモットーとして、いかなる企業系列にも属さない完全独立系の立場を堅持することにより、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取組むことを経営の基本方針としています。
また、こうした成長の原動力となるのは従業員ひとりひとりの情報システム開発に対する情熱と顧客への誠心誠意のサービスであり、そのためには人間力の研鑚が何よりも先行すべきである、との信念に基づいた「人づくり」経営に徹することとしています。
 
 
2.幅広い事業領域と専門特化による広範な情報サービスの提供
 
 
3.大手優良企業群との長期取引
 
 
4.グループ拠点展開
 
 
大阪と東京の2本社制を敷いており、早くから海外に開発拠点を展開している事も特徴です。
また、昨年9月末には、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大戦略の一環として、首都圏の大規模大学を中心に、システム機器等の販売で実績のあるアルファコンピュータ(株)の全株式を取得しました。これにより、パッケージ、情報機器及びネットワーク等を一貫して提供する大学向けSI(システム・インテグレーション)事業の大規模展開が可能となりました。
 
5.国内トップシェアの教育機関向け業務パッケージ
 
 
少子化が喧伝されているなか、学生向けサービスの向上や経営品質の向上などのニーズの高まりにより、大学の情報化投資は増加傾向にあります。こうしたニーズに対する最適のソリューションとして、JASTのソフトウェアパッケージ「GAKUEN」シリーズは、文教マーケットでは非常に認知度の高いブランドとなっています。
同社は、94年10月の文教マーケット参入以来、230余校にソフトウェアパッケージを開発・販売してきました。同社の製品群は、大規模な総合大学から小規模の短期大学まで、大学の主要業務の360°をカバー、フレキシブルなパラメーター設定によりカスタマイズしなくても大学毎のニーズに柔軟に対応でき、導入及びメンテナンスに関わるトータルコストの削減も実現できるよう設計されています。ラインナップは、大規模大学版ERP「REVOLUTIONシリーズ」、大学向け統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」、学校事務支援統合システム「GAKUENシリーズ」の3シリーズで、1案件あたりの導入金額は規模により数10万円~数億円と広範囲にわたります。
現在、全国に大学・短大が約1,200校あるそうですが、その大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っているそうです。こうした市場特性や同社製品の優位性により、他社との競合は少ないようです。
 
6.その他の特徴
 
 
業界内でも高い社員定着率、大手企業との長期取引による非稼動ロスの低さ、開発中のトラブルを早期発見・早期治療し不採算案件が発生し難い独自の原価計算の仕組みなど、高品質のサービスを提供し高い収益性と業績の安定成長を実現するための特長があります。
 
2007年3月期決算
 
<連結>
 
営業利益が前期比4.5倍、経常利益が同3.5倍に拡大しました。
ソフトウェア事業は大きな不採算案件がなく順調に推移し、営業利益率は2001年の上場以来最高の14.6%となりました。パッケージ事業も研究開発費がピークアウト(前期8.4億円⇒7.4億円)し、赤字幅縮小に転じました。また、9月に文教マーケットに強みを持つアルファコンピュータ(株)を買収し、システム販売事業に進出しました。
当期純利益の減少は、税効果会計等の影響によるものです。

尚、パッケージ事業において、9月に「UNIVERSAL PASSPORT EX」を、3月に「REVOLUTION EX」と「GAKUEN EX」を、それぞれリリースしました。
 
<セグメント別動向>
 
システム販売事業には、アルファコンピュータ(株)の6カ月分の業績が反映されています。同事業はのれん償却により6百万円の営業損失となりましたが、アルファコンピュータ(株)単独では営業黒字です。
 
 
通信業・金融業向けにビジネスアプリケーションが伸長。一方、製造業向けは想定していたよりも1年早く落ち込みました。
 
<パッケージ事業品目別売上構成>
 
 
 
<顧客グループ別売上構成>
 
 
8大顧客グループに次ぐ準大手顧客が育ちつつあります。
 
<顧客業種別売上高>
 
 
通信業向けは、社内情報系、料金等公共系、携帯組込系の全ての分野が増収となり、全体で3割強の増収となりました。教育機関向けは、システム販売事業を取り込んだ事で第2のシェアを占めるに至りました。この他、金融業向けは地銀案件の増加で1割の増収。一方、サービス・流通業向けは特定顧客向けの案件がピークアウトしたため微減、製造業向けは1割の減収となりました。
 
2008年3月期業績予想
 
<連結>
 
引き続き高い利益成長が見込まれます。
売上高は、既存2事業の増収率を約9%、システム販売事業が通期で連結対象となることによる増収率を約9%と見込んでいます。
利益面では、研究開発費の減少と新製品の拡販が寄与するパッケージ事業をけん引役に経常利益が同2.2倍に、税効果等一時的な変動要因が払拭された事で当期純利益も同3.4倍に、それぞれ拡大する見込みです。
尚、配当は1株当たり5円増配の年25円を予定しています。
 
<2008年3月期のポイント>
2007年3月期中間期を境に大きな節目を通過、2006年3月期をボトムにV字型の業績回復が見込まれます。
その要因の一つがパッケージの研究開発費投資の収束です。
 
 
2008年3月期の研究開発費は、期を通じ2007年3期下期以下で推移する見込みですが、この他に既存品の維持コストが若干発生する見込みです。
 
また、ソフトウェア事業の更なる成長のため、開発体制の増強・充実が最重要課題です。このため、2008年3月期の目標採用数を100名とし、第二新卒、外国人も対象として採用活動を進めていく考えです。また、JAST(同社)理念に合致するM&Aには前向きに取組みます。
 
この他、システム販売事業はアルファコンピュータの業績が通期で寄与。パッケージ事業は赤字が残りますが、赤字額の大幅な減少が見込まれます(営業損益:06/3期△7.7億円→07/3期△7.6億円→08/3期激減)。
市況は良好です。
 
<パッケージ事業の製品リリース状況>
 
2008年3月期中に「REVOLUTION EX」のリリースが予定されています。
 
<対処すべき課題>
対処すべき課題として主に次の5項目を挙げています。
 
・品質管理の徹底で赤字プロジェクトゼロ
・人財の強化、育成
・ビジネスパートナーとの関係強化による動員力増強
・パッケージ事業を核とし、文教ビジネスを高収益体質へ転換する
・成果主義・能力重視でありながら豊かさを追求する人事・厚生制度
 
<2008年3月期以降の業績イメージ>
 
 
来2009年3月期も業績は続伸する見込みです。各事業のイメージは次の通りです。
 
ソフトウェア事業
体制拡大施策の成果が現れ、再び拡大基調に転じる構想です。
 
パッケージ事業
新製品が通期で業績に寄与し、大幅な増収・増益により、投資回収が加速する構想です。
 
システム販売事業
大手大学からの安定収益+パッケージ事業とのシナジーで業績の安定成長を狙う構想です。
 
取材を終えて
2008年3月期は、研究開発費の一巡で利益がV字回復する見込みです。続く2009年3月期は開発体制の強化が進んだソフトウェア事業の拡大が見込まれる中、パッケージ事業において新製品の寄与が本格化する見込みです。一方、株価は6月27日終値で予想PER 10.2倍、配当利回り2.6%の水準です。新興市場の低迷を考慮に入れても、水準訂正の余地は大きいと考えます。