ブリッジレポート
(4849:大証ヘラクレス) エン・ジャパン 企業HP
越智 通勝 社長
越智 通勝 社長

【ブリッジレポート】エン・ジャパン vol.13
(取材概要)2007年8月21日掲載
「企業の採用拡大を受けて好業績を謳歌していた人材業界ですが、ここにきて業績が悪化する企業が増えています。このため、同社の今後の業績にも不安を抱く・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
エン・ジャパン株式会社
社長
越智 通勝
所在地
東京都新宿区西新宿 6-5-1
事業内容
ネット利用の求人転職情報サービス。求人企業からの広告掲載料が収益源。
決算期
12月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年12月 16,919 5,605 5,607 3,105
2005年12月 11,491 3,791 3,826 2,203
2004年12月 6,980 2,245 2,254 1,253
2003年12月 4,372 1,749 1,754 1,038
2002年12月 3,107 1,305 1,283 663
2001年12月 1,876 933 898 464
2000年12月 620 254 249 132
株式情報(8/13現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
403,000円 242,261株 97,631百万円 37.4% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
未定 - 15,512.19円 26.0倍 43,949.81円 9.2倍
※株価は8/13終値
 
エン・ジャパンの2007年12月期中間決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
インターネット上で、enブランドで5つの転職・就職情報サイトを運営。取材に基づく公正で詳細な企業情報が高い評価を得ており、主力の「[en]社会人の転職情報」は、官・民合わせた30の主要転職サイトの中で総合評価No.1(サイボウズ・メディアアンドテクノロジー株式会社が実施したアンケート調査「転職サイト比較調査2007」)に選ばれました。
 
 
 
 
<運営サイト:売上比率は06/12期>
 
 
2007年12月期中間決算
 
<中間決算のポイント>
主力の「[en]社会人の転職情報」が前年同期比57%増と伸長、その他のサイトも堅調に推移した事で、半期の売上高が初めて100億円を突破しました。「[en]社会人の転職情報」は、第1四半期が前年同期比53%増、第2四半期が同61%増と期が進む毎に増収率が高まっています。通期予想に対する進捗率は、売上高が44%(前年同期は42%)、経常利益が45%(同 42%)と、いずれも前年同期の進捗率を上回って推移しており順調です。
 
<事業別業績>
1.全社
 
 
経常利益率が昨年に比べて2.3%低下している要因は、
・1Qに広告宣伝費3.5億円を追加したため、広告宣伝比率が昨年より2%上昇。
・来期以降も見据えた賃料増加などで販管費その他が1%上昇。
・一方で、人件費は、2Qで人員が242名増えたものの、売上の伸びが吸収し、
  人件費比率は昨年から改善。
 
詳細な内訳は、以下の通りです。
 
売上高:31.2億円増
増収の内訳は次の通りです。社会人の転職情報:21.8億円増、転職コンサルタント:2.4億円増、派遣のお仕事情報:3.3億円増、本気のアルバイト:1.8億円増、学生の就職情報:1.1億円増、その他:0.5億円増。
 
売上原価:3億円増
主な増加項目と増加額は、規摸拡大伴う制作人員の増加による原価人件費(0.9億円)、フェア・カンファレンス費用(1億円)、サイトリニューアル等に伴う減価償却費(0.5億円)、業務委託費(0.5億)です。
 
販管費:20.5億円増
主な増加項目と増加額は、規模拡大・営業強化に伴う人件費(5.6億)、TVCMや駅ポスター、交通広告等によるプロモーション強化に伴う広宣・販促費(10.5億円)、本社増床、拠点増に伴う地代家賃(1.8億円)、減価償却費(0.4億円)、増床・増員に伴う消耗品費(0.2億円)等です。
 
2.中途採用事業
 
 
 
全社の業績と傾向は殆ど変わらないが、広告宣伝費が1%上昇。 原価のサイト運用費は1%減少、結果として、経常利益率は横ばい。
 
詳細な内訳は、以下の通りです。
 
売上高:29.6億円増
主な内訳は、社会人の転職情報:21.8億円増、転職コンサルタント2.4億円増、派遣のお仕事情報:3.3億円増、本気のアルバイト:1.8億円増
 
売上原価:1.4億円増
主な増加項目と増加額は、規模拡大に伴う原稿制作費の増加(0.8億円)、社会人フェア関連費用の増加(0.4億円)です。
 
販管費:16.8億円増
主な増加項目と増加額は、規模拡大・営業強化に伴う人件費(4.6億円)、TVCM等プロモーション強化のよる広宣・販促費(9億円)、本社増床・拠点増に伴う地代家賃(1.3億円)、減価償却費(0.3億円)、増床・増員に伴う消耗品費(0.2億円)です。
 
3.新卒採用事業
 
 
 
元々、下期偏重の事業なので、上期は毎年赤字決算となっています。
しかし、今決算において売上が予算未達に終わっており、その理由は下記の通りです。
 
売上計上方法の変更(*)により、期ズレが約3,000万円発生した他、09サイト(2007年10月オープン)向け営業への早期シフトにより4〜6月の売上高が約7,000万円減少しました。また、この計上方法の変更により、下期における3Q、4Qの売上構成比が、昨年の35:65から、今期は22:78へ。さらに、4Qに売上が集中する見込みです。今期の売上予想は従来通り35億円(対前年比40%増)です。
 
(*)売上計上方法の変更
従来、パック商品は初回納品時に一括して売上計上していましたが、今期以降、パック商品に含まれる個別商品の納品毎に分割して売上計上する事となりました。
 
詳細な内訳は、以下の通りです。
売上高:1.4億円増
売上高9.7億円の内訳と増加額は、サイト売上7.1億円(1.1億円)、及び採用アウトソーシング等のその他売上2.6億(0.3億円増)です。
 
売上原価:1.6億円増
主な増加項目と増加額は、サイト開発による減価償却費(0.5億円)、カンファレンス費用(0.5億円)、サーバー保守等(0.4億円)です。
 
販管費:3.6億円増
主な増加項目と増加額は、規模拡大・営業強化に伴う人件費(1億円)、カンファレンス関連等による広宣・販促費(1.5億)、本社増床・拠点増に伴う地代家賃(0.4億円)、業務委託費(0.1億円)です。
 
4.教育・評価事業
 
 
 
教育・評価事業では、教育・研修サービスを通じてクライアント企業の社員の採用・活躍・定着に貢献すると共に、自社の人材育成にも寄与しています。
特に、昨年、今年と大量採用した自社の新人教育に大きく貢献しています。
 
<サイト別業績>
いずれのサイトも過去最高の売上高を計上しました。
 
[en]社会人の転職情報
第2四半期の売上高は、前年同期比11.6億円(61.5%)増の30.5億円となり、過去最高を更新しました。採用アウトソーシング商品(Webエージェント等)の売上増加及び好調なオプション販売により、平均単価が552千円へ上昇しました。最大の競合であるリクルート社のリクナビNEXTが伸び悩む中、6割成長をし、四半期で過去最高の売上を上げたことは非常に大きな成果であると捉えています。
会員数においても6月末時点で169万人と順調に推移しており、前期は月間3万人ペースだったのが、今期は4万人ペースに上がっています。企業側の満足度の指標である顧客満足度(3月調べ)で91.4%と高い水準を維持、6月の求職者満足度調査では過去最高の98.2%を記録しました。
マーケットの環境としては、企業の採用意欲は引き続き旺盛で、採用に積極投資しており、同社にとって追い風の状況が続いています。また、人材の獲得が厳しくなる中、企業は費用対効果に応じて媒体の選別を行うようになってきており、高い効果を維持している同社が選ばれ、これだけの成長を遂げています。
 
[en]転職コンサルタント
好調な市況を背景に、第2四半期の売上高は前年同期比1.2億円(34.8%)増の4.9億円と過去最高を更新しました。
圧倒的な業界No.1を堅持しており、6月末時点の掲載社数は前年同期比47社増の349社。平均単価も業界最高水準を維持しています。人材紹介会社は、新規開業により会社数が増えており、追い風となっています。
順調な業績進捗により、来期の計画を1年前倒しで達成する可能性があります。
 
[en]派遣のお仕事情報
第2四半期の売上高は前年同期比1.6億円(26.9%)増の7.8億円と過去最高を更新しました。
派遣会社が登録スタッフ集めに苦戦されているため、広告効果が高く、コストパフォーマンスの良い同社が評価され。従来以上に広告投下額が増えています。
6月末時点の掲載社数は前年同期比106社増の588社、会員数は同11.3万人増の38.6万人と、それぞれ順調に増加しました。
 
[en]本気のアルバイト
第2四半期の売上高は、前年同期比0.8億円(42.5%)増の2.75億円と過去最高を更新しました。
6月の月間売上高が初めて1億円を突破。掲載社数は6月末時点で361社と前年同期比78社増加しました。4月にi-modeの公式サイトとなった事で、モバイルサイトからの会員数が増加。サイトオープン時から、4,000名を超えるフリーターを正社員化しており、同社の理念である社会正義性を体現したサイトであります。
非常に独自性の高いサイトとして順調に成長しています。
 
[en]学生の就職情報
 
第2四半期は、売上計上方法の変更と09サイト(2007年10月オープン)の営業早期化により、売上高は前年同期並みにとどまりました。
 
計上方法を変更していなければ、前年同期比8%増。6月末時点の08サイトの掲載社数は、認知度向上と営業強化により1,645社(前年同期比248社増)と順調に伸びています。「プロの仕事研究」掲載人数は2,691人(前年同期比340人増)。08サイトでは、「広告効果と顧客満足度で高い評価を得た(顧客満足度85%)」との調査結果が出ています。
マーケットの状況としましては、少子化と企業の旺盛な採用意欲を背景に引き続き好調な状況が続いております。市況が良いことで、今まで一つのサイトしか使わなかった企業が複数サイトを利用する傾向が強く、同社は質と効果にこだわり、シェアをとっていきます。
 
*新卒事業の下期見通し
・08サイト総括
06年12月期第3四半期〜07年12月期第2四半期の売上高は前年同期比47%増の26.4億円。顧客満足度85%、再利用意思率88%、1社あたり会員数No.1。志望度の高い学生が採用できるサイトとして大手を上回る効果を実現。事業収益化の土台を築く事ができました。
 
・下期見通し〜09サイトの飛躍に向けて〜
下記施策により、売上高35億円、経常利益1.5億円を目指します。
_餔獲得に向けてブランディングや大学支援を強化し、会員数の拡大と早期会員化を図ります。
営業方針として、シーズン前半の営業収穫期にリソースを重点配分しました。
収益化に向けて、低収益商品やカンファレンス開催方針を見直します。
 
2007年12月期業績予想
 
 
 
<2007年12月期の見通し>
6月末時点で社員数は1,135名となり、期末の人員目標1,150名の達成に目処をつけました。
主力の「[en]社会人の転職情報」は、引き続き良好な事業環境が続く見込みで、高い広告効果を武器に、高単価、高コストパフォーマンス路線を維持する考えです。また、第2四半期に1,791件だった件数が、下期のピーク時には2,200〜2,400件に増加する見込みです。
また、新卒採用事業は、商品力を武器にシェア拡大が見込まれ、収穫期を迎えつつあります。
 
コスト面では、主要なコストである広告宣伝費・販売促進費(年間予算63億円)及び人件費が予算内で収束する見込みです。また、広告宣伝費については、来期以降、売上比率ベースで徐々に落としていける感触を持っています。
 
<今後の事業展開>
1.ヒューマンリソース周辺事業
転職者とその上司を対象としたリテンション事業(P&Rサポート)がスタートします。
 
2.海外
中国の英才網聯(北京)科技有限公司が黒字化しました。
 
(1)2007年中間期実績
売上高728万元(1.2億円)、経常利益50万元(800万円)
(2)2007年通期予想
売上高1,800万元(2.8億円)、経常利益100万元(1,600万円)
尚、2006年は経常損失480万元(7,300万円)でした。
 
3.新分野
新規事業の立ち上げを準備中です。
ベンチャー投資事業の実績は、期末時点で5件、投資残高は計1.3億円。
今期は10件、約3億円の投資を見込んでいます。
 
取材を終えて
企業の採用拡大を受けて好業績を謳歌していた人材業界ですが、ここにきて業績が悪化する企業が増えています。このため、同社の今後の業績にも不安を抱く方がいらっしゃるのではないかと思われます。越智社長は、昨今の事業環境について、「求人企業にとっては投資したコストに見合う募集効果が得られるかどうかが全て。コストをかけても採用がうまくいかなければ、効果が高いサービスに絞ろうとする。この動きが今年の初め頃から急速に進んでいるようだ。」と説明しています。つまり、同社業績の高い伸びは、業績が悪化している企業から需要がシフトしているためと考える事ができます。しかし、低迷する同社の株価は業界全体のイメージダウン、或いは業績悪化企業の動向に引きずられている感があります。
いずれ同社のバリュエーションの高さが再認識されると思いますが、株価は8月8日の安値で底入れのチャートパターンであるダブルボトムを形成した可能性があります。目先、7月31日の高値461,000円を抜けるかどうかがポイントとなります。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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