ブリッジレポート
(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 社長
小林 徹 社長

【ブリッジレポート】オプテックス vol.21
(取材概要)2007年8月28日掲載
「世界的レベルでの犯罪の多様化や、発生件数の増加等を背景に、防犯機器に対するニーズが高まっており、事業環境は良好です。こうした中、同社は侵入検知・・・」続きは本文をご覧ください、
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
事業内容
赤外線を応用した防犯・自動ドア・民生・産業用の各種センサ専業、トップ級
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(8/8現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,515円 16,947,062株 42,622百万円 23.9% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
40円 1.6% 143.39円 17.5倍 1,081.63円 2.3倍
※株価は8/8終値
 
オプテックスの2007年12月期中間決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサの大手です。1979年、小林社長が仲間2人と同社を設立。翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発するなど、その技術力は設立当初から高い評価を受けていました。98年にはデジタル監視カメラシステム「Wonder Track」を発売し、画像関連分野に参入。2004年には、客数情報システム、来場者計数装置、駐車台数管理システム及び警戒管理、防犯システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。2005年には交通関連事業に進出するなど、業容拡大を続けています。
 
 
<事業内容>
事業は、防犯事業、自動ドア事業、産業機器事業、環境関連事業、交通関連事業、生産受託事業その他に分かれます。
 
防犯事業
屋外用センサや屋内用パッシブセンサ、ワイヤレスセキュリティシステム、画像記録システム等がこの事業の主な製品です。創業以来信頼性の高いセンサシステムを提供してきた同社は、防犯用製品の海外での売上比率は60%以上を占め、世界でもトップクラスのシェアを獲得しています。近年では、デジタル画像技術・通信技術などを積極的に取り込んでいます。
 
自動ドア事業
無目付け用センサ、シートシャッター用センサ、ワイヤレスタッチセンサ等がこの事業の主な製品です。上述のように、世界で初めて自動ドア起動用赤外線センサを開発したのが同社です。近年では、画像センシング技術を積極的に導入し、自動ドアの開閉だけでなく、入退室者の管理や人の動きを分析できる製品を供給しています。
 
産業機器事業
ポータブル型や据置型の非接触温度計、カラービジョンセンサ、レーザ変位センサ等がこの事業の主な製品です。人体用センサだけでなく、物体検知用各種センサにも注力しています。特にCCDカメラ・液晶モニタ・操作部が一体となった世界初のカラービジョンセンサ「CVSシリーズ」は独自性の高い製品で、現場ニーズに即して開発した製品です。
 
環境関連事業
透視度センサなどがこの事業の主な製品です。自然保護の観点から近赤外線を利用した水の透明度自動測定システムを世界で初めて開発しました。そのノウハウを活かした水質監視用センサや濁度計は様々な設備に導入されており、排水監視において重要な役割を担っています。
 
交通関連事業
危険な瞬間を記録する「ドライブトレーナー」がこの事業の主な製品です。創業以来培ってきた画像技術及びセンシング技術を応用し、2005年にこの分野に参入しました。「ドライブトレーナー」は、交通事故時の映像を録画するだけでなく、日常的に運転履歴を蓄積できる新しいカテゴリーの製品です。
 
2007年12月期中間決算
 
<連結>
 
 
4月27日に上方修正した予想値を上回る着地となりました。 従来の予想は、売上高が11,080百万円、経常利益2,160百万円、中間純利益1,260百万円でした。
 
ただ、通期予想は4月27日の修正値を据え置きました。同社はもともと下期の利益率よりも上期の利益率が高くなる傾向がある事に加え、今上期は収益性の高い屋外センサが欧州で、客数情報システムが国内で、それぞれ伸びた事、及び下期は後述する将来ビジョンの達成に向けて先行投資を積極的に行っていく事等がその理由です。
<事業別動向>
防犯事業
遠隔画像監視モニタリングサービスで実績のある英国ファーサイト社(FARSIGHT SECURITY SERVICES, LTD)を子会社化しました。
 
自動ドア関連事業
セキュリティ機能を付加させた「共連れ検出システム」を国内市場に投入。米国では昨年に市場投入したスイングドア用センサの販売を拡大させるべく、ノースキャロライナ州に新たな営業拠点を開設しました。
 
産業機器事業
昨年立ち上げた画像処理用LED照明事業に注力すると共に、画像センサに新たなラインナップ(MVSシリーズ)を投入して品揃えを強化しました。また、画像センサの製品開発を加速させるため、高度な画像解析技術を有する日本エフ・エーシステム(株)を子会社化しました。 align="center"
交通関連事業
車両事故記録装置に加えASP(:インターネットを介したソフトウェア提供サービス)を活用した車両管理システム「OPTEXテレマティクス・サービス」を開発しました。
 
<地域別動向>
地域別売上高で大きな変化はありません。
 
日本
警備会社向けの画像記録装置や連結子会社 技研トラステム(株)が手掛ける客数情報システムといった防犯用が堅調に推移しました。
 
ヨーロッパ
屋外警備に対する需要の高まりから防犯用の販売が伸びました。
 
北米
通信インフラ施設向けに防犯用の販売が増加。スイングドア用の自動ドアセンサを新たに投入した他、営業拠点の新設や人材投資を行いました。
 
 
アジア
生産委託企業の有害物質対応が概ね完了したことにより、中国工場における生産受託事業の売上高が増加しました。
 
<営業利益増減要因>
 
同社の輸出比率は60%(ドル建て、ユーロ建て、スターリングポンド建ての合計)ですが、生産の60%を中国で行い、ドル建てで仕入れています。ドル建て決済は支払超過であり、ドル高は増益要因です。このため、ベストな為替は、ドルに対して円高、ユーロに対して円安です。 ちなみに、対ドルでは1円決済レートが変動すると1000万円営業利益が振れるそうです。
 
<キャッシュ・フロー>
 
営業CFの黒字が大きく減少しましたが、税金の支払タイミングの違いと前期は土地売却に伴う税効果があったためです。このため、本質的には大きな変化はありません。投資CFの赤字が縮小したのは、定期預金の預け入れや有価証券の取得が減少したためです。
 
主要事業の実績と通期見通し
 
防犯事業
上期は欧州を中心に海外で屋外センサが好調に推移しました。また、屋外センサの現場ニーズ収集と製品開発を目的にFarsight社を子会社化しました。下期は同社を核にした新しいビジネスモデルに着手する考えです。尚、同社の上期の売上実績は70百万円、通期で150〜200百万円を見込んでいます。
 
 
自動ドア関連事業
北米地域の営業力強化のため、従来からの西海岸の拠点に加え、東海岸にも拠点を開設しました。スイングドアの立ち上がりが遅れましたが、8月以降、販売が本格化します。一方、国内では技研トラステム(株)が手掛ける客数情報システムの販売が増加しましたが、通期では前期並みとどまる見込みです。 下記の新製品を投入して品揃えを拡充しました。
(1)エントランスシステム ES-800/810シリーズ
(3)共連れ検出システム
(3)非接触スイッチ
 
 
産業機器事業
ハイエンド・ミドルエンド画像センサ市場に参入するべく、高度な画像解析技術を有する日本エフ・エーシステム(株)を子会社化しました。同社の上期の売上実績は1億円、通期で3億円を見込んでいます。また、マルチカメラ画像センサ MVSシリーズを市場投入しました。
 
 
2007年12月期業績予想
 
<連結>
 
増収・増益の予想です。既に説明したように、通期予想は4月27日の修正値を据え置きました。
 
将来ビジョン
 
現在、2012年12月期に連結売上高500億円の達成を目指す将来ビジョンを策定中です。正式な発表には、今しばらく時間が必要ですが、概要は次の通りです。
 
 
1.防犯事業分野屋外用センサで売上UP
2.自動ドア関連事業分野海外シェアUPと客数カウントピジネスの拡大
3.産業機器事業分野画像処理システム分野への展開
4.交通関連事業分野新たな事業の柱として確立
5.技術開発への取り組み新たな技術でソリューションを進化
 
1.防犯事業分野    屋外用センサで売上UP
"屋内センサ"が侵入した不審者を検知するのに対して、"屋外用センサ"は不審者が侵入するのを検知します。つまり、不審者侵入の未然防止につながります。このため、"屋外用センサ"の需要が世界的に高まっており、同社では、2012年にかけての屋外センサ市場の成長率を年率15%前後と予想しています。06年時点で、この成長市場における同社のシェアは約30%で業界トップ。No.1ブランドの強みを活かし、業績拡大を図ります。
 
 
(1)市場成長の背景
・住宅関連市場        〜欧州事情〜
アフリカ、東ヨーロッパ、トルコ系移民の増加、経済成長による格差の拡大、治安悪化対する不安心理の拡大等を背景に、事後通報より事前抑止の有効性に対する認識が南欧を中心に高まっています。
 
・コマーシャル市場        〜北米事情〜
米国では、テロ対策として社会的インフレを担う施設に対してセキュリティの設置を義務付けるHomeland Securityが、政府主導で進められています。このため、今後5年間で約1兆円の資金がハイセキュリティ市場を中心に流入すると見られています。また、化学薬品工場に対しても、07年より外周警戒、オンライン警備が義務付けられました。更に、コンプライアンス強化の流れを受けて、企業自身の自己責任・自己防衛意議が向上していることも追い風です。 上記の施設では数億円のセキュリティシステムが必要になります。こうしたシステムをインテグレイトするのは、ハネウエルやGE等のシステムインテグレーターですが、これらのシステムで同社のセンサが使われます。
 
(2)普及促進のための課題
普及促進のための課題は、イニシャルコスト及びランニングコストの低減です。前者については、ワイヤレス、ソーラー関連技術を用いた屋外用センサ製品のラインナップを拡充する事で、後者については、誤報削減等によるアラームの信頼性向上を図る事で、それぞれ課題を克服していく考えです。
 
(3)Farsight社の買収理由
遠隔画像監視モニタリングサービスに必要な現場ニーズを収集し、製品開発に生かすために、この分野で実績のある英国Farsightを買収しました。ただ、Farsight社に送られる画像の約6割はゴミ画像です(ランニングコスト高の要因)。オプテックスの技術を導入する事でこうした課題を克服し、監視効率と信頼性UPを図ります。
 
 
(4)その他の施策題
1.東欧・ロシア、中近東・アフリカ、中南米等の新興市場の開拓。
2.OEM供給、システムインテグレーターやフェンスメーカーとのアライアンスによるハイエンド市場ヘの参入。
3.業務用・施設用等、センサライト分野の拡大。
 
 
2.自動ドア関連事業分野     海外シェアUPと客数カウントビジネスの拡大
北米・欧州市場を中心に、新製品投入と拠点展開を進めシェア拡大を図ります(4月にノースキャロラィナに支店開設)。同社では、海外ドアセンサ市場の成長率を年率2%と予想しています。2012年にかけて市場シェアを30%超に引き上げる考えです。市場成長率は低いものの、未だシェアの低い同社は、シェアアップによる事業拡大の余地があります。
  
 
 
国内においては、客数カウント、共連れ、鉄道関連等の周辺市場に展開する事で、ドアセンサ市場で50%のシェアを堅持します。
 
 
また、子会社技研トラステムが手掛ける客数カウントセンサ事業では、国内シェア80%の強みを活かすと共に、海外展開により売上拡大を図ります。
 
 
3.産業機器事業分野     画像処理システム分野への展開
M&A、事業・技術提携、資本参加等により、国内・海外の営業力・販路の強化及び画像センサの高性能・高機能化を図る事で成長する画像処理システム分野への展開を図ります。ターゲットは年率平均13%前後の成長が見込めるローエンド・ミドルエンドの画像市場。2012年時点で売上高35億円(年率平均38%成長)を目指します。
 
 
 
 
4.交通関連事業分野     新たな事業の柱として確立開
成長するドライブレコーダー市場において、簡易型ドライブトレーナーの投入によりラインナップ強化と販路の開拓を進めます。また、GEフリート社との提携によりテレマティクス・サービスの本格展開を図ります。ちなみに、矢野経済研究所では、ドライブレコーダー市場は2012年までに金額ベースで1.6倍以上に拡大すると予想しています。
 
 
(1)GEフリート社との提携によるテレマティクス・サービスの開始
GEフリート社は日本で4〜5位のカーリース会社です。オプテックスASPセンターは、様々な車輌データの処理サービスを提供する事でGEフリート社を支援します。カーリースの主流がファイナンスリースからメンテナンスリースシフトする中でリース会社の管理項目が増加しています。また、200台以上の車輌を保有する企業は、CO2(二酸化炭素)の排出量を毎月報告する必要がありますが、リース会社が一括して管理するケースが増えています。テレマティクス・サービスを利用する事で、こうした煩雑な業務の負担を軽減する事ができます。
 
 
 
5.技術開発への取り組み    新たな技術でソリューションを進化
2007年1月に技術開発部を新設し、要素技術の研究を強化しています。赤外線技術や信号処理技術等の強みを活かし測距技術に磨きをかける等で差別化を図ります。更に通信技術やIP技術を高める事でハードメーカーからシステムメーカーへの脱皮を図ります。
 
 
取材を終えて
世界的レベルでの犯罪の多様化や、発生件数の増加等を背景に、防犯機器に対するニーズが高まっており、事業環境は良好です。こうした中、同社は侵入検知・通報、威嚇・撃退、そして犯罪の証拠となる画像・映像の記録装置も開発済み。引き続き市場拡大の恩恵を受けて成長が続くものと思われます。しかし、2012年の目標とされる連結売上高500億円は今期予想売上高の2倍以上の水準。5年間と言う期間を考えると、かなり高いハードルです。このため、目標達成には、これまで培ってきた技術力、提案力を、更に高次元で発揮する必要があります。トータルソリューションによる高付加価値化はその一つの解であり、単なる機器や装置の提供だけでなく、 侵入検知・通報、威嚇・撃退、画像処理等の技術を組み合わせたトータルな防犯システムの提供に注力していく考えです。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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