ブリッジレポート
(3031:東証マザーズ) ラクーン 企業HP
小方 功 社長
小方 功 社長

【ブリッジレポート】ラクーン vol.5
(取材概要)2007年9月18日掲載
「第1四半期は営業損失となりましたが、これは中期経営戦略に沿ったものです。利益以上に同社が重視している経営指標はいずれも順調に拡大しています。ただ、・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社ラクーン
社長
小方 功
所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-11
事業内容
ネットを利用した問屋。衣料、雑貨の製造業者や輸入業者と小売店を仲介
決算期
4月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年4月 3,334 -205 -203 -305
2006年4月 2,289 131 95 122
2005年4月 1,247 26 23 45
2004年4月 890 -56 -57 -58
2003年4月 621 -104 -105 -130
2002年4月 494 -192 -193 -200
2001年4月 204 -171 -175 -179
株式情報(9/7現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
189,000円 9,031株 1,707百万円 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0円 0.0% 91,993.82円 2.1倍
※株価は9/7終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除した株数。
 
ラクーンの2008年4月期第1四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
インターネット上のB2B(企業間電子商取引)市場であるeマーケットプレイス(Webサイト)の運営企業です。
アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等(以下、出展企業)の取扱う商品を、「スーパーデリバリー」及び「オンライン激安問屋」のWebサイトを通じて全国の中小小売店(以下、会員小売店)に販売しています。
 
<事業内容>
事業は、スーパーデリバリー、オンライン激安問屋、関連事業に分かれ、「スーパーデリバリー」をけん引役に業績の拡大を図っていく考えです。一方、検品作業など物流コスト等の負担が大きい「オンライン激安問屋」は、「スーパーデリバリー」への入り口として位置づけ、事業の拡大よりも収益性重視で運営に当たる考えです。
 
 
1.オンライン激安問屋 1998年8月サービス開始
アウトレット品を取扱っており、同社が商品を買取った後に販売する買取仕入と、委託された商品を販売する消化仕入があります。現在、後者が中心となっています。出展企業は過剰在庫を安全かつ効率的に処分でき、会員小売店は格安な価格で一定の品質を満たした商品の仕入ができます。商品は全て同社の倉庫で検品した後に出荷されます(商品の検品、小分け、発送は同社が行います)。出展企業と売上を折半し、同社は、決済手数料、配送料、検品・出荷コスト、商品保管スペースの賃料を負担します。
 
2.スーパーデリバリー 2002年2月サービス開始
アパレル、雑貨の新商品及び定番品を取扱っています。商品は出展企業から会員小売店に直送され、同社は代金の決済を行います。出展企業は、地方・中小小売店との取引でネックだった決済機能、営業コスト、事務処理の手間を解消することできます。また、出展企業が許可した会員小売店にのみ卸値等の情報開示を行うため、ブランドイメージのコントロールが可能です。一方、会員小売店は多様な旬の商品の仕入が可能になります。同社は受注・出荷のデータ処理と決済のみを担当するため、「激安問屋」と比べ少ない負担で運営できます。債権回収リスクは、信販・クレジット・保証会社を利用することでヘッジしています。小売店は月額2,000円の小売店会費を負担し、出展企業は月額4万円の出展基本料と「スーパーデリバリー」での取引金額の10%をシステム利用料として負担します。
 
中期経営戦略
 
 
<骨子>
1.会員小売店獲得の加速
2.出展企業向け料金体系の変更
3.システム開発への積極投資
 
上記骨子の下、中期的な事業規模拡大を目指します。
 
1.会員小売店獲得の加速
小売店獲得スピードを当初予定の2倍に加速し、平成22年4月末時点で27,500会員小売店の獲得を目指します。
 
(1)メーカー/小売店比率の最適化
出展企業の獲得ペースが加速する一方で、小売店の獲得は想定したほどペースが上がりません。出展企業の満足度向上のため、小売店の獲得を加速する必要があります。
(2)競合サイトへの優位性確保
現金問屋のネット化、ポータルサイトの仕入れ対応化など、同社事業領域への競合サイトが出現傾向にあり、優位性確保が急務となっています。
 
2.出展企業向け料金体系の変更
出展企業向け料金体系を変更し、参入障壁の除去並びに収益の安定化を目指します。
出展企業に対する参入障壁となる初期費用を月額料金に振り変える事で廃止します。積み上げ式安定収益の確保により、出展企業が増えるにつれ安定的に増える収益を確保します。
 
3.システム開発への積極投資
スピード、見易さ、検索機能強化、更にはセキュリティ機能強化等、ユーザビリティ向上を目的に、積極的なシステム開発投資を行い、会員小売店及び出展企業の継続利用を目指します。
 
(1)小売店向け検索機能強化   :仕入商品検索に関するユーザビリティの向上を図ります。
(2)出展企業向け管理システム強化:効果的かつ効率的な運営支援システムの構築に取り組みます。
 
2008年4月期第1四半期業績
 
 
「スーパーデリバリー」の売上拡大で大幅な増収となりましたが、「スーパーデリバリー」の会員小売店の獲得ペースを加速させるべく、積極的な広告宣伝活動を展開した結果、増収ながら利益計上には至りませんでした。
「スーパーデリバリー」の売上構成比の上昇で売上総利益率が18.9%と前年同期比6.5ポイント低下したものの、増収に伴い売上総利益は228百万円と同48百万円増加しました。ただ、販管費が324百万円と147百万円増加したため、95百万円の営業損失となりました。
販管費の増加要因は、「インターナショナル・ファッション・フェア(IFF)」出展に伴う費用増や、会員小売店獲得のための広告宣伝費等の増加です。
 
<セグメント別動向>
スーパーデリバリー       売上高 1,068,692千円(前年同期比98.4%増)
同社では、スーパーデリバリーにおける、会員小売店数、出展企業数、及び商材掲載数を、今後の事業拡大を展望する上での需要指標と考えています。いずれの指標も順調に拡大しました。2007年6月に販売実績や類似商品名等の条件を組み合わせてお勧め商品を表示する「リコメンド機能」を追加リリースした他、会員小売店及び出展企業の利便性の向上を図りました。また、7月には「インターナショナル・ファッション・フェア(IFF)」に初出展し認知度向上に努めました。
 
 
オンライン激安問屋     売上高142,111千円(前年同期比15.7%減)
「オンライン激安問屋」については、事業の拡大よりも収益性重視で運営に当たっています。業務効率化のために前期より進めていた出荷業務の内製化が完了し、2007年5月には100%内製化を実現しました。
 
関連事業     売上高1,474千円
2006年4月より(株)三洋倶楽部と代理店契約を締結し、会員小売店を(株)三洋倶楽部に紹介し、(株)三洋倶楽部が会員小売店に対して実行したビジネスローンの貸出残高に応じて代理店手数料を受け取っています。
 
2008年4月期業績予想
 
中間、通期共に業績予想に変更はありません。
 
 
8月は休業する小売店が多いため、例年、会員小売店数の伸びが低くなります。ただ、前年8月の増加数は153店舗でしたから、今年の8月はその3倍以上の実績です。
 
取材を終えて
第1四半期は営業損失となりましたが、これは中期経営戦略に沿ったものです。利益以上に同社が重視している経営指標はいずれも順調に拡大しています。ただ、ITバブル期の一部の企業に見られたように、同社が利益を軽視しているわけではありません。中期経営戦略の考え方をわかりやすく言えば、「今期は会員小売店数を中心に、出展企業数、商材掲載数を拡大させ、来期以降、これを利益につなげていく」と言うことになると思います。
 
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