ブリッジレポート
(4323) 日本システム技術株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.3

(4323:東証2部) 日本システム技術 企業HP
平林 武昭 社長
平林 武昭 社長

【ブリッジレポート】日本システム技術 vol.3
(取材概要)2008年1月29日掲載
「業績拡大のけん引役として期待がかかるパッケージ事業については、今期は製品販売の増加よる貢献よりも、研究開発費の減少による利益の押し上げ効果が・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
日本システム技術株式会社
代表取締役社長
平林 武昭
所在地
〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-7
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年3月 9,711 389 405 138
2006年3月 7,917 111 125 605
2005年3月 8,189 522 502 319
2004年3月 7,767 540 537 67
2003年3月 7,064 676 635 194
2002年3月 6,939 658 606 181
2001年3月 6,285 834 814 282
株式情報(12/2現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
920円 5,035,202株 4,632百万円 3.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25円 2.7% 93.34円 9.9倍 719.46円 1.3倍
※株価は12/2終値。発行済株式数は直近中間期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本システム技術の2008年3月期中間決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
ソフトウェアの受託開発(07/3期売上構成比81.9%)、教育機関向け業務パッケージの開発・販売(同9.0%)、及び情報システム関連機器等の販売(同9.1%)を行っています。
 
<沿革>
 
 
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場しました。
 
<特徴>
1.国内トップシェア誇る教育機関向け業務パッケージ
 
 
大学向け経営改革ソリューションとして提供している統合業務パッケージは、94年10月の発売以来、230余校への導入実績を有し、文教マーケットにおいて高い評価を受けています。
特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができます。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたります。
少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいます。しかし、全国に約1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っているそうです。品質・価格両面での優位性から競合は少ないようですから、販売拡大の余地は大きいと思われます。現在20%のシェアを、早期に30%に引き上げたい考えです
 
 
2.大手優良企業群との長期取引
 
 
3.グループ拠点展開
 
 
大阪と東京の2本社制を敷いており、早くから海外に開発拠点を展開している事も特徴です。また、昨年9月末には、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大を図るべく、首都圏の大規模大学を中心に、システム機器等の販売で実績のあるアルファコンピュータ(株)の全株式を取得しました。これにより、パッケージ、情報機器及びネットワーク等を一貫して提供する大学向けSI(システム・インテグレーション)事業の大規模展開が可能となりました。
 
2008年3月期中間決算
 
<連結>
 
 
パッケージ事業が期初計画通り順調に大幅回復基調で推移、研究開発費の減少もあり黒字転換しました。
期初計画との比較では、ソフトウェア事業の売上高がわずかに計画を上回ったものの、システム販売事業で売上計上が下期にずれ込んだ案件が発生したため、売上高が計画を下回りました。
利益が期初計画を上回った要因は、ソフトウェア事業において、高収益案件の進捗が想定以上に順調であった事、及び不採算案件がわずかであった事、下期に一部持ち越しとなった間接費用があった事等です。
 
<セグメント別動向>
 
 
ソフトウェア事業
通信・金融の主力2業種向けの売上が増加する一方、流通、サービス、製造業向けが減少しました。大きな不採算案件の無い状態が前下期から続いています。期初計画との比較では、売上は計画より微増での推移だったものの、見積審査や個別原価計算など独自の管理手法が機能し不採算案件がほとんど発生しなかったため(500程度の案件を手掛け、発生は4件)、営業利益が計画を上回りました。
 
パッケージ事業
売上高・利益共に計画通りに推移。研究開発費が前年同期比5億円以上の減少、新製品の販売が軌道に乗り始めました。前期中に主力2製品をリリース、05/3期より続けてきた製品開発投資がほぼ終息しました。今期は投資から収益回収へと大きく舵を切替えるとしたプランどおり、新製品の販売が好調で、07/3期中間期の営業赤字がほぼ一掃されました。
 
システム販売事業
成約期の後ずれにより売上が計画の8割弱にとどまるなか、政策的な不採算案件やのれん償却額32百万円の計上等で営業損失となりました。
 
<分野別売上構成>
ソフトウェア事業は、事務処理システムの「ビジネス・アプリケーション分野」、制御・技術系システムの「エンジニアリング・アプリケーション分野」、スポーツ・文化イベント関連システムの「イベント・アプリケーション分野」、情報システムの一括運営管理の「アウトソーシングサービス」に分かれます。
ビジネス・アプリケーションのみを扱う企業が業界でも大半を占める中、エンジニアリング・アプリケーションとして、携帯電話組込みソフト、自動車や大型建造物の設計、自動倉庫、列車制御などのシステムも得意としています。さらにイベント・アプリケーションとして、プロ野球の公式記録データベース(BIS)、マラソンの計時システム、ダンス大会運営などのユニークシステムもカバーしており、非常に幅広い分野の開発に多くの実績を上げています。
 
 
<パッケージ事業売上構成>
パッケージ事業は、学校経営統合パッケージの販売収益である「パッケージ(PP)販売」、パッケージの導入支援を行う「導入サービス」、パッケージの保守契約に基づき提供される「パッケージ保守」、パッケージ販売に伴う関連システムの個別受託開発を行う「EUC開発」、及びハードウェア及び他社ソフトウェアの仕入販売を行う「仕入販売」に分かれます。
この中間期は、これら5つのカテゴリーが全て前年同期比増収となりました。
 
 
<主要顧客グループ別売上構成>
料金システム開発や社内情報系システム開発が伸びたNTTグループが初めて最大シェアとなりました。特に社内情報系システム開発が、前年同期比1.6倍に拡大しました。
その他の内訳は、システム販売事業の顧客15%、大手パッケージベンダー4%、銀行・証券会社との直接契約4%、外資系ベンダ3%、クレジット、カードビジネス案件3%、パッケージ事業における大学との直接契約3%、その他12%です。
これら、その他グループの中には従来にはなかったタイプの取引先や開発物件が増えており、この中から将来の新たな成長ドライバを創生するべく、技術者育成やアライアンス構築などの施策に取り組んでいる模様です。
 
 
<最終顧客の業種別売上構成>
多分野へのバランス展開による安定成長戦略も同社の特徴です。
通信業向け売上高は、NTTグループ関連の好調で前年同期比5%増。金融業向けは同4%増。教育機関向けは、システム販売事業の寄与とパッケージ事業の回復で同3.7倍増となりました。一方、サービス・流通業向けが同微減、製造業向けが同8%の減収となりました。
 
 
2008年3月期業績予想
 
<連結>
 
 
業績予想に変更はありません。
売上高は、既存事業、システム販売事業、それぞれで前期比約9%、全体で同18.4%の増収を見込んでいます。
利益面では、研究開発費の減少と新製品が寄与するパッケージ事業をけん引役に経常利益が同2.2倍に、税効果など一過性の要因がなくなる事で当期純利益も同3.4倍に、それぞれ拡大する見込みです。
尚、配当は1株当たり5円増配の年25円を予定しています。
 
<当初想定、中間期評定、下期展望>
当初の想定、中間期評定、及び下期の展望は次の通りです。
 
 
今後の展開
 
07/3期 売上高97.1億円、経常利益4.0億円
08/3期 売上高115億円、経常利益9.1億円、EPS 93.3円
 
ソフトウェア事業
体制拡大充実の年。引き合いは豊富ですが、一旦踊り場となり、足場固めに取り組みます。
パッケージ事業
新製品の寄与に加え、開発費の減少で赤字幅の大幅縮小が見込まれます。
システム販売事業
大手大学からの安定的な収益が期待できる事業です。今期から通期で連結業績に寄与します。
 
09/3期
 
ソフトウェア事業
基礎となる現業は安定しています。ブレイクスルー戦略により最上流コンサル、インフラ技術者等新タイプのエンジニアを育成し、新たなプライム案件の拡大を目指します。
パッケージ事業
新製品が通期で寄与、先行投資の回収をさらに加速化させ、事業本来の利益体質に戻ります。
システム販売事業
パッケージ事業とのシナジーで増収・増益を目指します。
 
取材を終えて
業績拡大のけん引役として期待がかかるパッケージ事業については、今期は製品販売の増加よる貢献よりも、研究開発費の減少による利益の押し上げ効果が中心です。ただ、足元はGAKUENシリーズの受注増で嬉しい悲鳴を上げているような状態との事です。今期末から来期初頭には新製品が勢ぞろいする事もあり、今後さらに販売が加速するものと思われます。このため、来期も高い利益成長が予想されます。