ブリッジレポート
(2437:大証ヘラクレス) シンワアートオークション 企業HP
倉田 陽一郎 社長
倉田 陽一郎 社長

【ブリッジレポート】シンワアートオークション vol.11
(取材概要)2008年2月19日掲載
「世界的に見ても非常に大きなディスカウント状態にあり、ある種のリクイディティ・トラップ(流動性のわな)に陥ってしまった感のある日本の美術品市場。・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
シンワアートオークション株式会社
社長
倉田 陽一郎
所在地
東京都中央区銀座 7-4-12
事業内容
オークションの企画・運営 及び古物売買および委託販売ならびに輸出入等
決算期
5月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年5月 2,228 449 451 256
2006年5月 2,334 562 567 311
2005年5月 1,940 440 410 235
2004年5月 1,680 319 311 174
2003年5月 1,222 234 231 122
2002年5月 1,158 139 129 70
2001年5月 1,105 200 202 38
2000年5月 1,302 218 201 109
株式情報(2/13現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
93,200円 57,870株 5,393百万円 5.0% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,500円 2.7% 6,180.16円 15.1倍 34,222.53円 2.7倍
※株価は2/13終値。
 
シンワアートオークションの2008年5月期中間決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
日本に高額美術品の換金市場を確立するため、公明正大なオークション市場の創造と拡大に取り組んでいます。
 
<事業内容>
同社の売上高は、オークション落札価額やプライベートセールの取引価格に対する手数料収入、カタログの販売、オークションの出品者から徴収するカタログ掲載料、及び商品売上で構成されています。プライベートセールとは、美術品の直接取引を希望する顧客間のマッチングを行うもので、オークションを介さない美術品の仲介販売です。また、営業戦略上、同社が買取った後にオークションに出品するケースや、プライベートセールで売却するケースがあります。この場合、オークション落札価額や売買代金が売上高として計上されます。
 
 
<100年の信頼を築くための財務基本方針>
 
 
<市場動向:美術品オークション市場>
 
 
<2006年市場シェア(月刊美術2007年3月号より)>
 
 
プライオリティは高額作品。「高くていい物を扱う」事で他社との差別化を図っています。ただ、「日本の作家を世界へ」、「世界に誇る日本の文化を、世界に発信」といった観点から、主力の近代美術とは異なる事業モデルでコンテンポラリーアートと呼ばれる戦後の絵画の取扱いも拡大させています。
 
2008年5月期中間決算
 
<非連結>
 
 
取扱高・売上高・利益共に計画値に届きませんでした。
サブプライムローン問題・原油価格の高騰等による経済の先行きに不透明感が強まり、美術品取引業界は様子見の状況が続いています。株価急落の影響を受けた9月のオークションは、極めて低調な結果に終わりました。
ただ、コンテンポラリーアート市場は別です。11月17日開催のコンテンポラリーアートオークションでは、落札総額が過去4回中最高の約4億6千万円。落札者の50%をアジア勢が、10%を欧米勢が、それぞれ占めました。日本国内の動きは鈍いものの、世界的には割安感の強い日本のコンテンポラリーアートの注目度が高まっています。
この他、ワインオークションも好調でした。日本の業者が落札して、海外のワイン愛好者に販売しているようです。
 
<貸借対照表(B/S)>
 
 
B/Sに大きな変化はありません。無借金経営を維持しており、固定負債として計上している退職給付引当金は全額定期預金で保全。中間期末の自己資本比率は76.7%。突然の大きな出品に対する備えとして資金的な余裕が必要な他、安定した換金市場の提供元としてブランドと信用を醸成するためには財務の安定性が不可欠です。
 
<粗利率の推移>
 
 
海外のオークション運営会社と比較して水準が低かった手数料率ですが、この中間期に改定を行いました。
 
<部門別取扱高>
 
 
9月のオークションが極めて低調であっただけに、11月のオークションには回復感がありましたが、それでも納得のいくものではありませんでした。
日本のアート市場は低迷が続いていますが、韓国、中国、台湾、香港、シンガポール等のアート市場は活況で、アジアの富裕層は日本の美術品にも注目しています。今後は、こうしたアジアの富裕層へのアプローチ(海外資金の導入)を積極化していく考えです。
 
<販管費>
 
 
1.前年同期比
全体では、前年同期比8.8%の増加。紹介手数料の増加等で支払販売手数料及び支払手数料が同43.6%増加する一方、広告費抑制により、広告宣伝費が同18.2%減少しました。
 
 
2.計画比
全体では、当初の計画を3.9%下回りました。プロフィットシェアリングの減少により人件費が計画を12.3%下回った事が要因です。
同社には、独自の賞与支給システムである「プロフィットシェアリング制度」があります。役員及び従業員へのインセンティブであり、業績に応じ経常利益の13.25%を上限として支給します。目標値を全て達成した場合は100%、目標を達成できなかったが増益の場合は50%、減益の場合25%、赤字では0%を支給する事としています。
この中間期は、プロフィットシェアリングの減少により、賞与が計画を74.6%下回りました。
 
<中間期の落札実績>
草間彌生  「無限の網」
落札予想価格 400万円〜600万円
落札価額 1500万円
2007年11月開催 コンテンポラリーアートオークション
 
上村松園  「しぐれ」
落札予想価格 700〜900万円
落札価額 600万円
2007年9月開催 近代美術オークション
 
伊藤若沖  「双鶴」
落札予想価格 300万円〜500万円
落札価額 580万円
2007年11月開催 近代美術PartIIオークション
 
草間彌生  「月食」
落札予想価格 300万円〜400万円
落札価額 1250万円
2007年11月開催 コンテンポラリーアートオークション
 
岡田三郎助  「水邊裸婦」
落札予想価格 1500万円〜2500万円
落札価額 3500万円
2007年11月開催 近代美術オークション
 
ガレ  「藤文彫ランプ」
落札予想価格 1200万円〜1600万円
落札価額 2100万円
2007年10月開催 西洋美術オークション
 
ルイXV鍍金ブロンズ飾キャビネット
落札予想価格 1500万円〜1800万円
落札価額 1500万円
2007年10月開催 西洋美術オークション
 
マルク・シャガール
「Souvenir d‘Hiver(冬の想い出)」
落札予想価格 1億円〜1億5000万円
落札価額 1億4000万円
2007年7月開催 近代美術オークション
 
パプロ・ピカソ 「Le Peintre et son Modéle(画家とモデル)」
落札予想価格 1億5000万円〜2億5000万円
落札価額 1億9500万円
2007年9月開催 近代美術オークション
 
梅原龍三郎  「姉妹併座図」
落札予想価格 2500万円〜4000万円
落札価額 7000万円
2007年11月開催 近代美術オークション
 
 
<近代美術オークション 平均落札価格の推移>
 
 
クリスティーズやサザビーズ等海外のオークション運営大手と肩を並べるには平均落札価格を1,500万円程度に引き上げる必要があります。
 
<シンワアートオークション 近代美術インデックス>
 
 
<コンテンポラリーアートオークションの拡大>
 
 
アジア戦略
 
海外拠点設立や海外でのオークションの準備に向けて、積極的なマーケティングによりアジアの富裕層の囲い込みを図ります。
 
 
既に、海外顧客の獲得を促進するため、アジアの富裕層やギャラリーとのコネクションを深めると共に、PRを強化しています。
 
2008年5月期業績予想
 
 
<非連結>
 
 
通期の業績予想に変更はありません。
 
<四半期業績>
 
 
下期の案件は豊富です。各案件が順調に進めば、通期業績は達成できると考えています。
 
<下期の取組み>
1.オークション事業
(1)新規開拓営業の強化(落札、出品)
オークションのレセプションや開催地を変えた特別オークション、或いは他社とのアライアンスによるオークションの開催等、様々なイベントの開催により新規開拓を支援します。
 
(2)コンテンポラリーアートオークション部門の強化
コンテンポラリーアートセクションの人員増及び海外担当人材の教育を強化すると共に、アジアを中心にマーケティングエリアの拡大に取り組みます。
 
2.プライベートセール事業
取扱いを拡大し、積極的に展開していきます。
 
取材を終えて
世界的に見ても非常に大きなディスカウント状態にあり、ある種のリクイディティ・トラップ(流動性のわな)に陥ってしまった感のある日本の美術品市場。言い換えると、シュリンクし過ぎて誰も入ってこないような状態です。このため、同社はオークションを通してこのシュリンクする市場に風穴を開け、ニューマネーを流し込む必要があると考えています。市場を活性化させる事で美術品に対する信認を取り戻し、誰もが気軽に参加でき、しかも色々な目的でアートを持つ事ができる場を育成していく事が必要との事です。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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