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(8911:東証1部) 創建ホームズ 企業HP
丸本 吉紀 社長
丸本 吉紀 社長

【ブリッジレポート vol.12】2008年2月期決算業績レポート
取材概要「比較的すばやい段階で、在庫圧縮や事業再編計画に乗り出した点は評価されてよう。ただ今後、地価の下落が止まるかどうか、軌道修正を・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年5月13日掲載
企業基本情報
企業名
創建ホームズ 株式会社
社長
丸本 吉紀
所在地
東京都杉並区荻窪 2-32-8
事業内容
城西地区を地盤に埼玉、横浜に展開。高級住宅が主力。販売は外部委託で開発と設計に特化
決算期
2月
業種
不動産業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年2月 41,805 100 -596 -582
2007年2月 44,031 2,693 2,332 1,333
2006年2月 38,553 2,068 1,654 989
2005年2月 27,296 1,177 1,014 584
2004年2月 21,541 808 647 372
2003年2月 16,535 640 451 253
2002年2月 13,698 520 394 222
2001年2月 8,673 472 348 200
2000年4月 6,227 337 292 160
株式情報(5/1現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
26,210円 135,250株 3,545百万円 -7.3% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1,000円 3.81% 1,293.90円 20.3倍 55,698.63円 0.47倍
※株価は5/1終値。
 
創建ホームズの2008年2月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
東京都西側エリアなど高級住宅街で戸建分譲事業、注文住宅事業、マンション事業を展開、近年は収益不動産の開発・販売を行うアセットマネジメント(以下AM)事業も展開しています。
 
沿革
1994年1月、不動産会社に勤務していた丸本社長が独立、同社を設立しました。会社設立以来、品質に対して強いこだわりを持ち、設立から10年を経ない2001年8月に国際標準化機構の品質基準であるISO9001の認証を取得。更に翌02年7月には同機構の環境基準であるISO14001を取得しました。
03年2月にJASDAQに株式を上場。05年2月の東京証券取引所第2部上場を経て、06年2月、東証1部に指定替えとなりました。
 
事業概要
 
不動産事業の特徴は、「高級分譲住宅エリアの深耕開発」。
 
1.小さな現場に密着した迅速な事業展開
杉並、世田谷、目黒などの東京・西側地域や横浜などの高級住宅街に特化し、きめ細かなマーケティングにより1棟から3棟の小さな現場を開発し、分譲しています。本店、東京西、自由ヶ丘、横浜、たまプラーザ、浦和の各エリアに配置した6つの本支店には、営業から設計、施工、メンテの部隊までを配置しており、土地の収集を始め、迅速な事業展開を可能としています。
 
2.ものづくりに誠実、自由なデザインの住宅を提供
一級建築士47名を擁し、構造計算を全て自社で行っているほか、社員の7割を住宅等の設計・施工現場に配置し、本社技術部とあわせ現場を入念にチェック、指導しています。一邸毎にオリジナルデザインを採用、大手住宅メーカーの工場生産ではかなえにくい住宅を提供しています。他方、販売は、その9割を外部に委託しています。
 
3.戸建住宅から、分譲・賃貸マンション、収益ビルの開発などへ事業を広げている。
戸建と同一コンセプトでの分譲マンションの供給に加え、賃貸用マンション及び収益ビルの開発、更にはプロパティマネジメント事業等、多様な商品・サービスを提供しています。これまで培ってきた企画設計力を活かした注文住宅事業を子会社創建ハウスが展開し、引渡後の有償サービスとして、フルリフォーム、(エレガンツア・シリーズ)やRC(鉄筋)鉄骨建築への対応を子会社創建アビリティが担っています。
 
2008年2月期決算
 
創業以来初の赤字決算を踏まえて、事業再建に乗り出した
 
 
地価が下落に転じ、業況が悪化したのは、1.昨夏までの地価上昇に伴う住宅価格上昇に対し、購買力が追いつかず取引量が徐々に低下していたこと、2.建築確認審査の厳格化によりマンションなどの着工遅れが半年程度見られていたことに加え、3.昨年秋口にサブプライムローン問題が噴出し、折からの不動産ファンドへの貸し控えも手伝い、都心部の商業地を中心に需要が一気に冷え込み住宅地にも波及したことによる。下半期には地価が20%〜30%の下落を見せた。
こうした環境を背景に、同社では下半期に戸建中心に在庫の見直しを行い770百万円の評価損を計上したほか、12月から新規仕入れを絞り込むとともに、赤字在庫の処分売りを第4四半期に強力に推し進めた。
赤字在庫の処分は横浜事業部、自由が丘事業部で完了しておらず、減損対象の戸建案件の処分が今09/2期の上半期中も続くことから、業績が回復に転じるのは下半期としている。下半期には分譲住宅の新商品エムプロジェクト(em Project)が始動するほか、足下で比較的堅調なマンションの投入が続くことも、業績回復を後押しすると見ている。
ただ、業況を悪化させた要因には、内部要因も大きいとして、事業再建計画の策定・推進に乗り出しており、組織構造改革、合理化策に加え、5月末にも事業再編策を打ち出す予定だ。急速な事業拡張による人材・組織の拡散、分譲住宅を中心とする6本部支店による独立型経営の行き過ぎ、ともすれば安易に流れる高価格住宅路線などを修正し、本部機能の強化とコストパフォーマンス重視の商品設計、事業領域・エリアの再編、販売管理費の削減など原点回帰を計る。既に管理機能強化のために職を新設し、新会長を招聘している。
 
セグメント別販売実績 : 戸建分譲住宅は不振ながら、マンション、中古・棟売事業は好調
 
08/2期の連結売上高は、前期比5.1%減の44,031百万円、売上総利益は同45.4%減の3,035百万円と減収減益だった。特に下半期は売上高が同8.8%減の21,520百万円、売上総利益は同83.7%減の515百万円と低迷した。戸建中心に実施した減損770百万円を計上する前のベースで比較しても、下半期は5.5%減収の売上総利益59.4%減益となっており、厳しい状況だった。
ただし08/2期の連結セグメント別販売状況を見ると、中古物件の再生を手がける中古・棟売事業(単独ではAM:アセットマネジメント事業)の売上高が前期比3.28倍の9,578百万円と急増したほか、リフォームや不動産賃貸業の増収率は高かった。
また08/2期の単独ベースのエリア別・事業部別売上高を見ると、戸建分譲住宅が中心の本店、自由が丘店など6本部支店の売上高合計で25,997百万円、前期比20.6%の大幅減収となり、減損を計上する前の営業利益でも606百万円の赤字となった。これに対し、マンション分譲、棟売、土地売を含めたマンション事業(連結では分譲のみ別計上)の売上高は、7,985百万円と同69.4%の大幅増収となり、営業利益も1,059百万円と同2.18倍に増加した。
 
 
 
棚卸資産が急増しており、在庫圧縮を急ぐ
08/2期の連結総資産は、前期比21.6%増の43,108百万円と増加したが、中でも棚卸資産が同29.7%増の35,172百万円と急増した。棚卸資産の中身の公表は有価証券報告書を待つほかないが、過去の実績等から判断してその65%前後を占めると推測される戸建分譲、分譲マンションが膨らんでいると見られる。完成在庫は、戸建で80棟弱と、07/2期末の91棟に比べ減少しているが、今期着工予定の220棟のうち160棟分(着工ベースで約8ヶ月分)が既存の仕入れ分とされており、仕掛在庫が多いと思われる。今09/2期の住宅分譲は、前期末の完成在庫80棟弱と今期に着工する220棟、計300棟のうち250棟の販売を計画している。下半期に向けた仕入れは第2四半期に予定しており、来期に繰り越す完成在庫は50棟と圧縮を図る計画だ。
棚卸資産は第3四半期末に40,310百万円のピークを付けた後、第4四半期に5,138百万円減少した。これは07/2期の第4四半期の棚卸資産減少額1,549百万円と比べると、通常の季節要因以上に在庫圧縮を積極的に図ったことを示している。こうした在庫圧縮に向けた動きは、今期も続く予定だ。
なお08/2期で在庫評価損を770百万円計上したが、一部繰り延べた評価損は2月期末時点での評価を見ると、前期の半分以下と推定される。ただ売上原価を棚卸資産で割った棚卸資産回転率が急速に低下しており、マンションや中古・棟売りなど仕入れから販売までの期間が戸建より長いものが増えている事情を勘案しても、今後、資産効率の改善を一段と計る必要性がある。
 
 
事業再編計画の骨子
現時点で公表されている事業再編計画は下の表の通り。従来、同社の強みとされてきた各部店の独立型経営や、自由デザインに基づいた高額商品の提供、販売のアウトソーシングといった点を、修正していく計画だ。売上拡大を狙う中で、事業再編計画を順調に推進できるかどうか、その成否を見るには時間が必要だろう。
 
 
2009年2月期業績予想
 
在庫処分、事業再編進め黒字浮上を目指す
 
 
中間期の売上高は、前年同期比6.6%の増を見込むが、経常利益は766百万円の赤字を見込む。前期後半から注力してきた赤字在庫の処分が、中間期いっぱい続くと見ているほか、昨年仕入れた戸建分譲住宅の採算が価格調整により低下しているためだ。
通期の売上高は前期比14.8%増の48,000百万円、経常利益は同846百万円改善し250百万円の黒字に浮上させる計画だ。これは主力の戸建分譲住宅の採算が下期に改善してくる見込みであるほか、比較的堅調なマンション販売が下半期に集中しているためだ。戸建分譲住宅では、コストパフォーマンスを改善させた新企画(em Project)の住宅販売が第3四半期に寄与し始め、第4四半期には第2四半期に仕入れた新規物件が貢献してくる。マンションではウェルフェアステージ文京、文京音羽、ウェルフェアヒルズ国立の販売が下半期に開始される。
 
取材を終えて
比較的すばやい段階で、在庫圧縮や事業再編計画に乗り出した点は評価されてよう。ただ今後、地価の下落が止まるかどうか、軌道修正を余儀なくされた戸建分譲住宅の変調が、マンションや他事業に波及するかどうか、金融機関の融資態度など個人の住宅購買力を押し下げる要因が増えるかどうか、まだ懸念材料はある。そうした厳しい環境下でも、おしゃれなで機能的な高級住宅をリーズナブルな価格で求める層はおり、ニッチなマーケットで大きな魚になれるかどうか、まさに丸本社長の経営手腕の見せ所と言えそうだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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