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(2136:JASDAQ) ヒップ 企業HP
田中 吉武 社長
田中 吉武 社長

【ブリッジレポート vol.3】2008年3月期決算業績レポート
取材概要「特定労働者の派遣者数は、2004年度の労働者派遣法の改正を受けて2005年度〜2006年度に年率40%という高成長を遂げてきた。現在、技術者派遣・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年5月27日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ヒップ
社長
田中 吉武
所在地
横浜市西区楠町27−9
事業内容
技術者派遣専業。機械・電子・ソフトウエアの開発設計に特化、客先は自動車、家電が主
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 5,436 447 446 259
2007年3月 4,918 378 345 208
2006年3月 4,169 286 286 157
2005年3月 3,639 213 209 118
2004年3月 3,172 78 66 95
2003年3月 2,648 102 97 -84
2002年3月 2,199 110 104 58
株式情報(5/16現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
60,600円 39,753株 2,409百万円 20.0% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,400円 3.96% 7,025.94円 8.63倍 105,022円 1.73倍
※株価は5/16終値。BPS(実)は分割前の数値
 
ヒップの2008年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
1995年9月に創業し、12期連続で増収を続ける特定労働者派遣業の会社である。従業員数は788人、横浜に本社を置き、全国に18の拠点を展開している。
同社は、大学院、大学、専門学校等を卒業した理系出身者を社員として採用し、教育を施した上で、顧客企業の設計・開発部門に技術エンジニアとして派遣する、あるいは受託した業務開発を自社内で請け負う。
企画から開発、設計、試作までの製品開発フェーズに特化し、全社員が生涯技術者として、設計開発の革新に貢献し続けている。
ヒップという社名は、韓国に造船生産量で抜かれた23年ほど前に長崎の造船所の中で生まれたプロジェクトの名称に由来する。良い船を作ろうと造船関連メーカーの技術者が集まり、多種多様な技術(Hybrid)を携え、技術革新(Innovation)の旗印の下、企業の壁を超えて集団・チーム(Project)として結集した、その頭文字HIPから来ている。
顧客企業を産業別に見ると、2008年3月期で自動車・輸送機器関連が35.9%、電気・電子機器、電子デバイス関連が25.0%、情報通信・精密機器関連が21.2%、一般機械関連が10.8%、情報処理・ソフトウェア関連他が7.1%となっている。新卒採用動向に左右される側面もあり、電機電子機器・電子デバイス関連の売り上げ構成比が2年間で6.5%増加している。
従業員の採用実績は06/3期で133名、07/3期で170名、08/3期で159名であり、09/3期で174名、10/3期で182名の採用を予定している。国内の新卒採用が売り手市場となる中でも着実に増加しており、一段の採用増を狙い、様々な施策を打っている。
 
2008年3月期決算
 
採用順調でニーズも強い。2ケタ増収効果により高い増益率達成
 
 
2008年3月期の売上高(非連結、以下同じ)は、前期比10.5%増の5,436百万円と好調に推移し、営業利益は2ケタ増収効果により、同18.1%増の447百万円と増収率以上の増益率を達成した。これは新卒技術者の早期派遣による稼働率向上に加え、教育関連費用の減少により、売上総利益率が0.3%上昇したことと、販売管理費の伸びが9.1%増に留まったことによる。
2ケタ増収を支えているのは、大量採用と1年経過技術者の技術力向上による単価の上昇だ。08/期は技術者を159人採用したことで期末技術者数が719人と同66人、同10.1%増加したものの、1時間当りの技術料金は3,637円と同2円の減少、1日あたり1人の稼働時間は9.50時間と同0.1時間の減少にとどまった。ちなみ新卒を除く技術者の技術料金は、技術力向上により、2005年3月期の3,733円から2006年3月期の3,791円、2007年3月期の3,875円、2008年3月期の3,920円と着実に上昇してきている。また期中平均の稼働率は94.5%と同0.2%向上した。
経常利益は前期にあった上場関連費用29百万円がなくなったこともあり、同29.2%増の446百万円となった。

総資産2,729百万円に対し、純資産は1,391百万円と自己資本比率は51.0%と高く、有利子負債は短期借入金の227百万円、構成比8.3%と少なく、財務体質は強い。
 
2009年3月期業績予想
 
採用増で10%前後の増収増益を予想
 
 
2009年3月期の業績予想は、売上高(非連結、以下同じ)で前期比10.1%増の5,985百万円、営業利益で同9.6%増の490百万円と、今期も順調な拡大を予想している。
業界動向を見ると、メーカーの開発需要が堅調ななか、技術者不足が続くものの、新規参入も含め経験者採用が難しくなると見られるほか、3年間という派遣期間の縛りもあり、企業からの請負要請に応える必要性が増す見込み。
同社としては、技術者の確保と育成、全国展開による顧客数の増加、技術面から見た取引業種の拡大、営業体制の確立を対処すべき課題と捉えている。
こうした状況下で、同社は、技術者数は新卒採用者数の増加(08/3期108名→09/3期予定126名、中途採用含め08/3期159名→09/3期予定174名予定)もあり、前期末99名増の818人と大幅な増員を予定している。反面、稼働率や時間当たり技術料金、1人当り稼働時間を保守的に見積もり、今期の業績を予想している。
 
業種別顧客動向
業種別顧客動向は下表の通り。
自動車・輸送機器関連は、即戦力技術者の要請が強まっており、3DCAD教育など即戦力化が課題。主要顧客はトヨタ自動車、日産自動車、いすゞ自動車、デンソーテクノなどであり、請負へのニーズが高まりを見せつつある。同社では、今後も高い伸びが期待できると見ている。

電気電子機器・電子デバイス関連は08/3期に大幅な伸びを示したものの、最近は厳しく現状維持で推移しそうだ。主要顧客は松下電器産業、三洋電機、オムロン、ソニーLSIデザインなど。

情報通信・精密機器関連
万年忙しい状況が続いており、技術者採用が進めば伸びる分野と見ている。主要顧客はソニー、パイオニア、キヤノン、オリンパスなど。

一般機械関連
新規開発案件が減少傾向にあるほか、若手技術者がすぐ対応できる分野ではなく、売上等は横ばいが続くと見ている。主要顧客はウシオ電機、アルバック、荏原製作所、ディスコなど。

情報処理・ソフトウェア関連、その他
情報処理系については、受注は減少傾向にあるものの、制御系ソフト開発に関しては順調と見ている。同社は分野にとらわれず、幅広く裾野拡大に努め、特に制御系ソフト、Web系ソフト分野に集中的な営業展開を図る方針だ。今後の動向としてはニーズは強く、また人材の採用も好調なため、アップトレンドが続くと見ている。
 
 
人材採用・教育・研修の強化
2009年3月期の採用戦略は、関東地区できめ細かい採用担当者の配置を計画しているほか、会社紹介DVDの作成や活用、社長による新卒向けセミナーの開催(年6回)、インターンシップの開催などを計画している。生涯技術者の育成を目的にした教育体制の整備や資格制度の導入、高いモチベーションを維持させる工夫を強める計画だ。
 
取材を終えて
特定労働者の派遣者数は、2004年度の労働者派遣法の改正を受けて2005年度〜2006年度に年率40%という高成長を遂げてきた。現在、技術者派遣は3年という期間制限が撤廃される可能性が遠のいている反面、請負ニーズが高まりを見せ始めている。開発請負で永いキャリアを持つ同社は、従来の派遣に加え、請負分野で大きく伸びる可能性を秘めている。
こうした大きな業界全体の変化がなくとも、同社の技術者派遣は当面、2ケタ増収を続ける可能性が十分にあり、安定的な利益拡大が見込めそうだ。
 
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