ブリッジレポート
(6663:JASDAQ) 太洋工業 企業HP
細江 美則 社長
細江 美則 社長

【ブリッジレポート vol.8】2008年12月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期の業績は全般的に厳しく、最近の電子部品メーカー等の業績予想も厳しいものが増えている。こうした意味で、上半期の業績予想を達・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年5月27日掲載
企業基本情報
企業名
太洋工業株式会社
社長
細江 美則
所在地
和歌山市有本 661
事業内容
フレキシブルプリント基板の試作品メーカー。一貫生産に強み。基板・回路機能検査装置も製造
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年12月 6,155 823 796 455
2006年12月 6,316 1,017 1,007 571
2005年12月 5,979 1,067 1,057 539
2004年12月 6,002 1,466 1,399 784
2003年12月 5,086 1,088 1,017 294
2002年12月 4,125 542 472 149
2001年12月 3,782 93 18 -247
株式情報(5/7現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
480円 5,850,000株 2,808百万円 11.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
15円 3.13% 78.52円 6.11倍 726.75円 0.66倍
※株価は5/7終値。
 
太洋工業の2008年12月期第1四半期(1月〜3月)決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
柔軟で屈曲可能なフィルム状のフレキシブルプリント配線板(FPC)の試作専業メーカー。地元和歌山県の地場産業でもある捺染産業向けの捺染用ロール彫刻及びめっき加工からスタートした当社は、1981年にプリント配線板の製造に参入、1989年にFPCの設計に取り組み、1993年にFPC製造を開始した。
プリント配線板業界の中での順位は2007年で8位であり、試作品に特化しているのが特徴。電気機器の新製品開発の一端を担っており、携帯電話やデジタルカメラ、ディスプレイなどの取り扱い件数が60%強を占める。07/12期でFPC量産メーカー向けが21.5%、セットメーカー向けが78.5%を占める。
配線パターン設計から穴あけ、めっき、エッチング工程、最終検査、更には部品実装にも対応するなど一貫体制を構築している。
 
 
用語注: プリント配線板 : 各種電子機器の制御基板や配線ケーブルとして、ICをはじめとした電子部品を搭載するための基板
 
左の装置は手動の通電検査機、右の装置は高密度ベアボードの自動検査システム機。同社は顧客企業のニーズに合わせた、FPCの検査装置も手がけており、FPCの試作事業だけでなく、装置事業を第二の事業として育成する方針を打ち出している。
 
 
2008年12月期第1四半期(2008年1月〜3月) 需要端境期で減収減益
 
 
2008年12月期第1四半期の連結売上高は、前年同期比6.7%減の1,286百万円、営業利益は同66.8%減の73百万円となった。
セグメント別の売上高を見ると、通電検査機を中心に受注が増加し、増収となった基板検査機事業を除き、主力の電子基板等事業の売上高が同3.4%減の1,125百万円となったほか、鏡面研磨機事業も大幅に減少した。
電子基板等事業においてはデジタル家電向け需要が堅調だったものの、デジタルカメラの新製品開発が受注の谷間となったことと、一部のセットメーカーの事業撤退等の影響を受けて、受注が伸び悩んだ。またデジタル家電は最終製品単価下落の影響を受け、顧客からの値下げ要求が強かったことも、減収の一因。鏡面研磨機事業は、受注は計画どおり推移しているものの、検収計画が第2四半期以降となっていることが、売上減の理由。
売上総利益は同26.4%減の375百万円と、大きな減益となったのは、電子基板等事業における受注単価下落と、外注費率の上昇によるところが大きい。
また販売管理費は、営業力強化のための人員増や人事制度や退職金制度の見直しにより人件費が年間ベースで77百万円の増加を計画していることから、第1四半期も同4.7%増の301百万円と増加した。売上総利益の減少と販売管理費の増加により、営業利益が大きく減少した。
総資産は6,569百万円と同6.7%増加したが、その主因は前期中に取得した土地が主なものであり、前期末比では若干減少している。負債その他も若干減少しており、あまり大きな変化はなかった。
 
2008年12月期業績予想  通期業績予想に変更はない
 
 
2008年12月期の業績予想に関して、同社は2月に公表した予想を変更していない。
同社の電子基板は試作専業であり、1日に数十枚単位の注文を60〜70種類生産しており、月間取引社数は200社、年間では400〜500社に及ぶ。その顧客基盤は広く、安定度が高いのが特徴だ。
日本のFPCの年間生産額は2,200億円であり、そのうち試作用基板の市場規模は10分の1の220億円、太洋工業のシェアは4分の1程度と見られ、FPCの唯一の試作専業メーカーとして競争力は高い。足元の環境はやや厳しいが、シェアも伸びる余地は大きく、安定成長が可能な状況だ。
基板検査機の一台あたりの単価は300万円から全自動機に近づくと4,000万円と比較的大きな商談となる。受注から納品までの期間は3〜4ヶ月かかるものの、今後の大きな柱に育てたい事業だ。デジタル家電が好調でかつ使用されているプリント配線板が高精細化しており、今後、プリント配線板メーカーによる検査機需要が出てくるものと、同社では期待している。第1四半期だけで見ると、鏡面検査機や基板検査機の売上高が低く、業績を押し下げているものの、今後に期待したいところだ。
 
 
取材を終えて
第1四半期の業績は全般的に厳しく、最近の電子部品メーカー等の業績予想も厳しいものが増えている。こうした意味で、上半期の業績予想を達成するのは厳しくなっているものの、新製品向けの開発は途切れることはなく、高精細化も続くことから、通期では目標達成の可能性もある。特に、今期の業績予想は、基板検査機や鏡面研磨機の需要が回復するかどうかにかかっており、今後に期待したい。
 
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