ブリッジレポート
(8860:東証1部,大証1部) フジ住宅 企業HP
今井 光郎 社長
今井 光郎 社長

【ブリッジレポート vol.14】2008年3月期決算業績レポート
取材概要「市況の変化に際しては早期の思い切った施策が大切である事は、バブル崩壊後の不動産不況が教えるところ。減収・減益とは言え、同社の場合、予想の・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年6月3日掲載
企業基本情報
企業名
フジ住宅株式会社
社長
今井 光郎
所在地
大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号
事業内容
大阪府下を中心に分譲住宅・土地活用他不動産事業を多角的に展開
決算期
3月
業種
不動産業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 48,793 2,723 2,413 2,097
2007年3月 52,221 4,233 4,090 911
2006年3月 41,333 3,229 3,196 1,312
2005年3月 43,954 3,208 2,799 1,661
2004年3月 34,387 2,034 1,891 684
2003年3月 32,905 1,198 1,028 545
2002年3月 33,419 899 692 297
2001年3月 31,433 2,928 2,681 1,503
2000年3月 34,268 1,596 1,117 -2,237
株式情報(5/16現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
335円 34,919,280株 11,698百万円 14,9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
17円 5.1% 37.03円 9.0倍 411.65円 0.8倍
※株価は5/16終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
フジ住宅の2008年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
地盤である大阪府下を中心に戸建分譲等、住宅・不動産事業を展開。主力の戸建分譲は、分譲ながら間取りや設備仕様等、建築基準法の範囲内で最大限に顧客の要望を取り入れる「自由設計方式」と50〜200戸規模で街並みの統一性を重視した開発を行う「街づくり」に特徴がある。この他、金融機関とタイアップした土地有効活用事業、賃貸・管理事業、不動産ファンドや個人投資家向けの賃貸マンション販売事業、及び戸建分譲のノウハウを活かした中古住宅の改装販売等の事業を手掛けている。各事業の内容は次の通り。
 
(1)分譲住宅事業(戸建・マンション)
用地仕入・許認可の取得から、宅地造成、設計、建築、販売までの一貫体制を構築しており、「自由設計方式」と「街づくり」が特徴。地価上昇に伴う事業リスクの高まりから5年前にマンション用地の仕入を停止。現在、地価上昇の影響が少ない郊外の戸建分譲に注力すると共に、営業エリアを大阪府下全域と兵庫県南部へ拡大中。
 
(2)土地有効活用事業(建築請負)
遊休地の有効活用を目的とした賃貸マンション・アパート等の建築提案を行なっている。単なる建築請負ではなく、市場調査・企画・設計・建築・竣工引渡後の運営管理までを一貫してサポート。金融機関や既契約者からの紹介案件が多い。
 
(3)賃貸及び管理事業
100%子会社フジ・アメニティサービス(株)が手掛けている。安定収益源となるばかりでなく、土地有効活用事業や不動産投資ファンド等向け賃貸マンションの販売等との相乗効果も高い事業。 フジパレス・ブランドの木造アパート中心。
 
(4)不動産ファンド等向け賃貸マンション販売事業
不動産ファンドや個人富裕層を対象とした事業。不動産ファンド向けは、新築物件を一定期間保有し稼動実績を付けた後に販売するが、地価上昇によるリスクの高まりから、2005年秋以降、土地の仕入を行っていない。個人富裕層向けは、1棟3億円以下の小ぶりの賃貸マンションを販売。当面、個人投資向けに絞って、現在はフジパレス・木造アパート中心の事業を展開。
 
(5)中古住宅の販売及び仲介事業
「快造くん」のブランド名で展開している中古住宅の再生・販売が中心。地域密着営業により交差点単位での地域情報を収入し分析する。物件の鑑定力、仕入・販売価格の査定の速度と正確性、更にはリフォームのマニュアル化による独自のノウハウ等が強み。
 
2008年3月期決算
 
−減収・減益ながら、07年10月に上方修正した予想値を上回る着地−
 
 
都市部での急激な地価上昇等で住宅不動産業界を取り巻く環境に不透明感が高まってきたとして、前下期以降、慎重な経営姿勢に転じており、価格下落リスクを回避するべく、採算の低い土地の取得を徹底して抑制。今期も適正価格での仕入に徹すると共に、財務の健全化を図るべく一部の保有不動産の評価替えや処分を進めた。こうした積極的なリスク回避の施策が、減収・減益の背景にある。

売上高は前期比6.6%の減少。堺市方面への事業拡大により引渡し戸数が増加した中古住宅、及び管理資産が増加した賃貸及び管理事業の売上が増加したものの、他の事業の売上減少をカバーする事が出来なかった。利益面では、優良物件の販売に注力するために販売の難しい土地を全部処分したこと等で、売上総利益率が17.5%と前期に比べて2ポイント悪化した。販売手数料の減少や経費節減努力等で販管費も減少したが、売上総利益の減少が響き、営業利益は27.2億円と前期比35.7%減少した。支払利息や補修工事費の増加で営業外費用が増加したものの、特別損失(厚生年金基金脱退損失)が大幅に減少した事及び税効果で当期純利益は20.9億円と同2.3倍に拡大した。

期初予想との比較では、販売好調な中古住宅や物件の引渡を前倒しした不動産ファンド等向け賃貸マンション事業の売上が予想を超過。他の事業の売上高は若干下振れしたものの、ほぼ計画線。利益面では、中古住宅の好調等で売上総利益が上振れする一方、人件費、広告宣伝費が想定ほど膨らまず、販管費が予想を下回った。
 
(1)事業別動向
 
 
戸建住宅の引渡し戸数は758戸と前期に比べて21戸減少したものの、平均単価の上昇で売上高は270.4億円と前期比0.4%の減少にとどまった。また、受注総戸数は38戸減の656戸となり、受注契約高は231.5億円と前期比16.7%減少した。中古住宅は、堺事業所及び高石事業所のオペレーションが軌道化した事で、「快造くん」の販売・引渡し戸数が増加。不動産投資ファンド等向け賃貸マンションは、不動産投資ファンド向け3棟(前期は3棟)、及び個人投資家向け5棟(同 8棟)を売却。土地有効活用事業は4棟の引渡しが期ズレした事等で、売上高は22.7億円と同60.4%減少。管理資産の増加で賃貸及び管理事業の売上高は61.5億円と同8.8%増加した。
 
 
また、値上がりの少なかった郊外の大規模住宅を中心に戸建住宅用地の仕入を行い、向こう3年間の中期経営計画の売上高の79%の手当てを終えた。
 
(2)財政状態
 
期末総資産は、22.9億円減の487.0億円。棚卸資産や投資有価証券が減少。期末有利子負債は248.6億円となり、約2億円減少した。
 
2009年3月期業績予想
 
−適正価格での仕入に徹すると共に、人財の採用と育成に注力−
 
 
引き続き減収・減益が見込まれる。
事業の拡大に焦点を当てた攻めの経営を進めるよりも守りに徹する時期であるとの判断から、適正な価格での仕入に徹すると共に、今後の業績拡大に向けた人財の採用と育成など先行投資を優先する方針。
尚、1株当たりの年間配当は年17円(中間配当8円)を維持する考え。
 
 
前期に期ズレした物件の引渡しで土地有効活用事業の売上が大きく伸びる他、管理資産の増加で賃貸及び管理事業の売上も増加する。尚、不動産ファンド等向け賃貸マンション事業は、不動産ファンド向けの大型の賃貸マンションを前期に前倒しで販売し、当期は個人投資家向けの小型物件の販売が中心となるため、販売棟数ベースでは増加するものの、金額ベースでは減少する。
 
中期経営計画(09/3期〜11/3期)
 
−11/3期に売上高502億円、経常利益33億円が目標−
 
 
09/3期については、既に説明した通り減収・減益を計画しているが、10/3期には主力の分譲住宅事業の売上が底打ちすると見ており、売上面では中古住宅販売をけん引役に、また、利益面では土地有効活用事業をけん引役に、増収・増益に転じる計画。そして最終の11/3期には分譲住宅事業が増収に転じ、土地有効活用事業と共に売上・利益の拡大を牽引する。
 
 
不動産ファンド等向け賃貸マンションは、全て個人投資家向けを想定している。10/3期に土地有効活用事業の営業利益が大きく増加するのは、鉄骨・鉄筋等の価格上昇で利益が圧迫されるマンションが減って、相対的に採算の良い木造アパートが増加するため。
 
取材を終えて
市況の変化に際しては早期の思い切った施策が大切である事は、バブル崩壊後の不動産不況が教えるところ。
減収・減益とは言え、同社の場合、予想の範囲内。予想外の販売不振等ではないため、資産の劣化が進んでおらず、むしろ健全化が進んでいる。
今期の業績は減収・減益予想であり、それだけを考えると投資魅力は乏しいようにも思える。しかし、減収・減益を受け入れる事で、次のステップに向けた施策が着々と進められている。来期には増収・増益に転じる見込みである事、17円配当を維持する考えである事、そして、同業他社が相次いで強気の見通しを発表する中でいち早く責めの経営を転換したマネジメント力等を考えると、配当利回り5.1%の現在の株価水準は極めて魅力的なように思える。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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有利子負債が多すぎ、流動比率は高く資金余力があるようにみえるがこのうち棚卸資産が異常に多く、不良資産があるのでは?一般管理費は売上高の10%以内におさえ早急に財務内容を改善し自己資本の充実を図る必要がある、cvp(損益分岐点分析)を行い固定費を確定し固定費削減計画、実行が必要、サブプライムも落ち着き、その後はインフレになり土地は値上がりするがマンションの売れ行きは落ちてゆく点も頭においておく必要がある。

投稿者 山本慶二 : 2008年06月08日 19:59

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