ブリッジレポート
(4709:JASDAQ) インフォメーション・ディベロプメント 企業HP
舩越 真樹 社長
舩越 真樹 社長

【ブリッジレポート vol.24】2008年3月期決算業績レポート
取材概要「09/3期の業績はM&A効果が一巡して巡航速度に戻るが、国内景気や企業業績の先行きに不透明感が出てきた事を織り込み若干慎重な予想となった。安・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年6月24日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
会長
尾 眞民
社長
舩越 真樹
所在地
東京都千代田区二番町 7-5
事業内容
独立系情報サービス会社。金融向けITアウトソーシング主力に幅広いITサービスを提供。
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 18,032 1,200 1,191 594
2007年3月 14,692 1,024 1,024 550
2006年3月 13,028 851 845 430
2005年3月 11,378 550 557 119
2004年3月 11,203 625 628 203
2003年3月 11,668 598 591 274
2002年3月 11,081 548 546 272
2001年3月 9,738 756 735 242
2000年3月 8,468 640 586 320
株式情報(6/17現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
645円 7,426,119株 4,790百万円 11.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
19円 2.9% 90.22円 7.1倍 712.14円 0.9倍
※株価は6/17終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
インフォメーション・ディベロプメントの2008年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
銀行・保険等の金融向けITアウトソーシング業務に強みを有する独立系の情報サービス会社。ソフトウェア開発、システム運営管理、データ入力等のサービスを提供している。
 
<事業内容>
事業は、システムインテグレーション事業(SI)、ITアウトソーシング事業(ITO)、ビジネスプロセスアウトソーシング事業(BPO)、その他事業に分かれる。
 
システムインテグレーション事業(SI)
「独立系SE集団」として、特定のマシン、OS、ツール、開発言語にとらわれず、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。大型汎用機から携帯端末まで、金融、公共、サービス分野を中心に豊富な実績を誇る。
 
ITアウトソーシング事業(ITO)
1,000名規模の技術者を擁する専門部隊が、導入後のシステム運営管理をサポート。ミドルウェアのカスタマイズからハードウェアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。
 
ビジネスプロセスアウトソーシング事業(BPO)
金融機関等へ「データ入力業務」、「バックオフィス業務」、「電話業務」等のサービスを提供している。
 
その他事業
コンサルティング&セキュリティ事業を中心に展開している。「セキュリティ・マネジメント」、「外部からの攻撃対策」、「内部不正への対策」の3つの側面から企業をサポート。世界の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。
 
<IDグループ>
同社の他、日本ユニシス(株)との合弁会社(株)ソフトウエア・ディベロプメント、情報システム設計・開発の方法論の保有・販売及びコンサルティング等を手掛ける(株)プライド、中国のソフトウェア生産拠点として、04年4月に設立した艾迪系統開発有限公司(ID武漢)、06年12月に業容の拡大及び営業拠点の拡充を目的に子会社化した(株)日本カルチャソフトサービス(以下、NCS)の連結子会社4社で企業グループを形成している。
 
 
<売上高と営業利益率の推移>
優良顧客との継続的な取引が同社グループの特徴。ITアウトソーシング事業を安定収益源に、右肩上がりの業績が続いている。
 
 
2008年3月期決算
 
 
前期比22.7%の増収、同16.3%の経常増益。いずれも3期連続の過去最高更新である。
金融、情報通信業界を中心に既存顧客のシステム投資需要が増加した他、NCSを連結した効果もあり、システム運営管理とソフトウェア開発の売上が増加した。増収効果に加え、NCSの不採算案件の整理及び改善も進み、営業利益は同17.2%の増加。当期純利益の伸びが低いのは、過年度受託業務解約損63百万円等を特別損失に計上した事と税効果による。

増収要因としては、NCSの連結効果が最も大きく、連結に伴う消去前で27.6億円の増収要因となった。また、営業利益の増加要因としては、増収効果が2.1億円の増益要因となったのに対して、売上総利益率の低下(0.3ポイント)が0.4億円の減益要因となった。

尚、中間時予想は第3四半期業績発表時に上方修正されているが、経常利益及び当期純利益は上方修正値(1,090百万円、550百万円)をさらに上回る着地となった。上方修正理由は、NCSの不採算業務の整理・改善が予想以上に進んだ事、及びグループ全体の販売管理費の効率的運用の成果が現れた事である。
 
<事業別・顧客別・契約形態別売上高>
 
事業別では、主力のシステム運営、ソフトウェア開発が、共に高い伸びを示した。また、「データ入力業務」、「バックオフィス業務」等のサービスを含めたITアウトソーシング(安定収益した収益の期待できる事業)が売上高全体の58.0%を占めた。また、顧客別では、金融機関向けが前期比20.5%、情報・通信・サービス向けが同31.1%と、それぞれ伸長。顧客別売上構成比は、メガバンクの一角、大手生損保、農林系金融機関、更には公的金融機関等の金融機関が全体の51.7%。また、世界最大のコンピュータメーカーや大手通信キャリア等向けを中心とする情報・通信・サービスが33.5%を占めた。この他、契約形態別では、一部の案件を除き、プライマリーを中心としている事から、ユーザーとの直接契約が全体の84.0%を占めた。
 
 
<NCSの業績>
 
低採算案件の見直しと販管費の圧縮を進め、いずれも想定以上に進捗。このため、売上高がわずかに計画を下回ったものの、営業利益は大幅に計画を超過した。尚、低採算案件の見直しに伴い、特別損失63百万円を計上している。
 
業界動向と同業他社の状況
 
08/3期の情報化投資は金融機関を中心に堅調に推移した。
 
 
また、経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(07年4月〜08年2月確報;08年4月17日発表)によると、情報サービス産業全体の売上高推移は、9月、12月を除き、9カ月連続で前年同月比を上回った。また、業態別では、「受注ソフトウェア」が6月、9月、12月、1月を除く7ヵ月、「システム等管理運営受託(アウトソーシング)」が、11カ月、それぞれ前年同月比の実績を上回った。
一方、同社のソフトウェア開発事業及びシステム管理運営事業の売上の伸びは、M&Aの効果もあり、上記調査による受注ソフトウェア及びシステム管理等の売上の伸びを大きく上回った。 。
 
 
<同業他社の決算状況>
 
同社の08/3期は、システム管理運営事業における人員不足を補う外注の活用により営業利益率が若干低下したものの、他社との比較では、売上高・営業利益共に相対的に高い伸びを示した事がわかる。
 
2009年3月期業績予想
 
 
前期比5.6%増収、同5.0%の経常増益予想。
景気見通しの不透明感等から、今後、I T投資が抑制される懸念はあるものの、既存顧客の投資計画等を見ると5%強の増収は可能なようだ。人材確保・技術者育成等による販管費の増加が予想されるものの、増収効果で吸収して営業利益は同5.8%増加する見込み。特別損失を見込んでいない事や税効果により当期純利益は同12.8%の増加が見込まれる。
 
<ITアウトソーシング事業の見通し>
IDC JAPANや三菱UFJ証券の資料によると、同社売上高の6割弱を占めるITアウトソーシング投資は06年〜11年にかけて年率5.7%の成長が見込まれる。同社は業界の中でも数少ない運営中心の情報サービス会社としての特徴を活かし、運営を主力にしたストック型ビジネスの展開により安定成長を目指す考え。
 
 
<成長戦略>
成長戦略として、既存顧客、中国市場、及び人材面において下記の施策を掲げている。
 
既存顧客
更なる深耕による既存顧客との取引拡大を図る。具体的には、連結子会社プライドのコンサルティングやID武漢のオフショアの活用も含めて、システム開発から運営、事務代行に至る事業部横断的なBOO(ビジネスオペレーションズアウトソーシング)を展開する。また、戦略的なパートナーとの協業により営業チャネルの拡大を図り、新規顧客の開拓を進める。
 
 
中国市場
日本の品質を中国子会社に移植し、オフショア体制の確立を図ると共に、人材の供給拠点としての機能も強化する。
 
 
人材
女性の積極活用により人員の増強を図る。具体的には女性比率を意識した人材採用を進めると共に、退職率改善策を実施する。退職率改善により、人件費負担は増加するものの、何よりも重要な、品質の維持が可能になる。
 
 
*業界平均の女性比率は10数%。
 また、退職率は20%程度。
 
中期経営計画「Breakthrough 200!」(09/3期〜11/3期)
 
 
08/3期よりスタートした中期経営計画「Breakthrough 200!」では、最終の11/3期に売上高212億円、営業利益率7.4%、ROE13.0%の達成を目指している。この目標達成に向けて、既に説明した既存顧客、中国市場、及び人材面における施策を進めていく考え。
加えて、開発及び運営部門で既に取得している「ISO9001」の推進やマネジメントレベルの人材育成に注力する事により品質・生産性の更なる向上を目指す。
 
取材を終えて
09/3期の業績はM&A効果が一巡して巡航速度に戻るが、国内景気や企業業績の先行きに不透明感が出てきた事を織り込み若干慎重な予想となった。安定成長が期待できる運用ビジネスを基盤とする事が同社の強みだが、課題は人材の確保。この一環として、積極的な女性活用に取り組んでおり、業界平均に比べて高い女性比率と低い離職率を実現する等、一定の成果を上げている。個人投資家向け説明会「ブリッジサロン」などで、会社の雰囲気に触れてみるのも一つの方法かもしれない。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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