ブリッジレポート
(2349:JASDAQ) エヌアイデイ 企業HP
鈴木 清司 社長
鈴木 清司 社長

【ブリッジレポート vol.6】2008年3月期決算業績レポート
取材概要「景気やIT投資の先行きに不透明感も有り、09/3期の業績予想は慎重なものとなった。ただ、08/3期は期初予想が4.2%の増収、3.0%の経常増益だった・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年7月1日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社エヌアイデイ
社長
鈴木 清司
所在地
東京都新宿区西新宿7-6-4
事業内容
システム開発とネットワーク関連情報処理サービスが2本柱。通信等組み込みソフト強化
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 15,696 1,335 1,371 769
2007年3月 14,583 1,208 1,233 635
2006年3月 14,004 1,023 1,054 529
2005年3月 13,420 975 1,009 463
2004年3月 12,756 868 888 381
2003年3月 12,254 1,086 1,052 460
2002年3月 12,667 874 866 126
2001年3月 11,900 803 903 216
株式情報(6/19現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,710円 3,785,672株 6,473百万円 14.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
45円 2.6% 215.81円 7.9倍 1,339.25円 1.3倍
※株価は6/19終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
エヌアイデイの2008年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
モバイルとエンベデッドに強みを持つ独立系の情報サービス会社。モバイル向けやエンベデッドソフトの開発(通信システム開発事業)、生・損保のシステム開発(情報システム開発事業)、ネットワークの構築・運用支援(ネットワークソリューション事業)、更にはデータエントリー等のサービス(データエントリー事業)をグループで提供している。
松下電器グループ、全日空グループ、キャノングループ、日本興亜損保グループ等の優良顧客を抱え、安定した収益を上げており、4事業のバランス経営と共に同社グループの特徴と言える。
 
<事業内容>
事業は、システム開発事業(08/3期売上構成比58.4%)と情報処理サービス事業(同41.6%)に分かれる。
 
1.システム開発事業
モバイルとエンベデッドソフトに特化した通信システム開発と、生保・損保、証券等のシステム開発に特化した情報システム開発に分かれる。情報システムを現在利益の出ている事業、通信システムを将来コアにすべき事業と位置付けている。
 
(1)通信システム開発
モバイル系では、端末メーカーの共通プラットホーム開発において中心的な役割を果たしている他、基地局や携帯端末の開発における評価業務等も行っている。エンベデッドは、情報家電、車載用、情報機器、医療機器向け等で、情報家電はテレビ関係が多く、車載用はカーナビの他にエンジンコントロールユニット(ECU、注.1)等の開発を行っている。また、羽田や成田など空港向けのデジタル無線やJR 向けの列車無線システム等も手掛けている。

(注.1)ECU【Engine Control Unit】自動車に搭載されるエンジン制御のコンピュータ
 
(2)情報システム開発
生保・損保向けを中心に、流通・製造、官公庁、証券向けの情報システム開発を行っている。大手保険会社数社と継続的に取引がある他、Web系証券システムでも豊富な実績を有する。また、流通関係では倉庫を中心としたシステムを開発、官公庁では、埼玉県や千葉県と取引があり、システムの維持管理やネットワークソリューションを提供している。
 
2.情報処理サービス事業
ネットワーク構築からサーバー保守・監視等の運用業務までを一貫して手掛けるネットワークソリューションとコンピュータデータの入力関連業務を請け負うデータエントリーに分かれる。
 
(1)ネットワークソリューション
航空会社や損害保険会社のシステムの運用管理を受託しており、上位4社との取引がネットワークソリューション全体の70%を占めています。
 
(2)データエントリー
イメージ入力を中心にしたデータ入力やデータ整備、及びコンピュータデータの入力関連業務を請け負っている。また、PC版データエントリーシステム「パンチうてるくんPRO」(パッケージソフト)の販売も行っている。
 
<グループ>
連結子会社3社と企業集団を形成。金融機関、公共サービス、メーカーと幅広い顧客を有する(株)NID・IS、東北電力関係の案件に強い(株)NID東北、そして金融機関向けの人材派遣業を行う(株)NID・IEの3社は、それぞれが独自の事業領域を持つ他、エヌアイデイの外注先としての機能も担っている。
 
 
2008年3月期決算
 
 
前期比7.6%の増収、同11.2%の経常増益。売上高・利益共に過去最高を更新した。
通信システム開発でデジタル無線やITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)関連のエンベデッドが伸びた他、航空・損保など主要顧客からの受注増でネットワークソリューションの売上も増加した。利益面では、プロジェクト監視活動が奏功し不良プロジェクトが減少、創立40周年の記念行事による販管費の増加を吸収して、営業利益は同10.5%増加した。
また、NID・ISにおいてシステム開発が伸びた他、NID・IEが保険の未払調査案件のスポット受注に成功する等、子会社の業績も順調に拡大した。

尚、1株当たり配当金を15円増配、期末45円とした(従来予想は25円)。
 
 
<セグメント別動向>
 
システム開発事業    前期比8.5%の増収・同13.5%の営業増益
通信システム開発では、情報家電・情報機器分野や自動車エンジン制御分野、更には列車・ガス・電力等のデジタル無線分野が堅調に推移。情報システム開発では、主要既存顧客を中心に生損保システムや共済システムの開発案件が増加した。
 
情報処理サービス事業  前期比6.5%の増収、同3.8%の営業増益
ネットワークソリューションでは、主要顧客からの付加価値の高いオープン系ネットワーク管理(オープン系ネットワーク運用管理、サーバー構築等)案件を受注した他、生損保や物販会社向けのメインフレームやサーバーのシステム運用管理が伸びた。また、人材派遣業務で、保険金等の支払状況に関する検証業務のスポット案件の受注に成功したが、データエントリーは、業務量の減少や価格条件の低下等で厳しい事業環境が続いた。

 
参考
 
 
 
2009年3月期業績予想
 
 
前期比3.2%の増収、同1.0%の経常増益予想。
サブプライムローン問題による米国経済の先行き不透明感に加え、原油を含む原材料高や円高等の影響から、主要顧客である航空・運輸や自動車・電機等の製造業各社の投資行動の慎重化が予想される、として慎重な業績予想となった。
売上構成の良化(システム開発の構成比上昇)により売上総利益率が改善するものの、積極的な人材採用と教育、及びプロダクトの開発投資を続けるため販管費が増加、営業利益は同1.7%の増加にとどまる見込み。
 
 
<重点施策>
通信システム開発では、カーエレクトロニクス(パワートレイン系、マルチメディア系)、デジタル無線(空港無線、地域防災無線、救急医療等)、携帯電話(プロトコル、基地局、海外向けスマートフォン等)、Android(アンドロイド:注.1)の試行開発等に注力。情報システム開発においては、生保・共済業務での体制強化と他社への水平展開を図る。また、ネットワークソリューションにおいては、ベストパートナーとしての信頼確保に向け顧客毎に専属部署を設ける他、基盤系SEの増強により顧客のITTL(注.2)導入プロジェクトへの参加を目指す。

また、採用強化による人材確保に加え、各事業分野における専門技術者集団の形成に向けて技術者教育を徹底する。この他、プロダクト開発チームを組成し、製品プロダクトの拡充を図る考え。
 
 
(注.1)米グーグル社が提唱する携帯用ソフトウェアのプラットホーム。OS、ミドルウェア、ユーザーインターフェースに加え、Webブラウザ、電話帳などのアプリケーション・ソフトウェアの機能も有する。
(注.2)ITIL(IT Infrastructure Library):イギリス政府が策定した、ITマネージメントに関する体系的なガイドライン
 
中期3ヵ年計画と事業戦略
 
 
中期3ヵ年計画においては、11/3期に売上高180億円、経常利益15.8億円の達成と共に、得意分野にフォーカスする事で「専門技術者集団NID」を目指す考え。
具体的には、通信システムではエンベデッドの技術者集団を目指し、カーエレクトロニクス(電子プラットホーム)分野、ホームネットワーク分野、モバイル(プラットホーム系)分野の強化に注力する。情報システム開発においては、生損保・共済を対象にした保険業務の専門SE集団を目指し、ネットワークソリューションにおいては、基盤系SE集団を目指してオープン系ネットワーク管理を強化する。
 
取材を終えて
景気やIT投資の先行きに不透明感も有り、09/3期の業績予想は慎重なものとなった。ただ、08/3期は期初予想が4.2%の増収、3.0%の経常増益だったが、着地は7.6%の増収、11.2%の経常利増益。もちろん下方修正しなければ良いと言うものではないが、同社の期初予想は常に慎重だ。業績予想は、「今後、IT投資が減速しても、少なくとも前期業績を下回る事は無い」と言うメッセージであると考えていいのではないか。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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