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(3031:東証マザーズ) ラクーン 企業HP
小方 功 社長
小方 功 社長

【ブリッジレポート vol.6】2008年4月期決算業績レポート
取材概要「企業間取引は、消費者向け取引と比べて取引の反復性・継続性が高いため、新規顧客の獲得が中長期的に同社の事業規模の拡大につながる。このため・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年7月8日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ラクーン
社長
小方 功
所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-11
事業内容
ネットを利用した問屋。衣料、雑貨の製造業者や輸入業者と小売店を仲介
決算期
4月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年4月 5,662 -158 -158 -160
2007年4月 3,334 -205 -203 -305
2006年4月 2,289 131 95 122
2005年4月 1,247 26 23 45
2004年4月 890 -56 -57 -58
2003年4月 621 -104 -105 -130
2002年4月 494 -192 -193 -200
2001年4月 204 -171 -175 -179
株式情報(6/12現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
368,000円 9,031株 3,323百万円 - 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0円 0.0% 18,824.00円 19.5倍 87,253.70円 4.2倍
※株価は6/12終値。
 
ラクーンの2008年4月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
インターネット上のB2B(企業間電子商取引)市場であるeマーケットプレイス(Webサイト)の運営企業。
アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等(以下、出展企業)の取扱う商品を、「スーパーデリバリー」及び「オンライン激安問屋」のWebサイトを通じて全国の中小小売店(以下、会員小売店)に販売している。
 
<事業内容>
 
1.オンライン激安問屋 1998年8月サービス開始
アパレル、雑貨のアウトレット品を取扱っており、同社が商品を買取った後に販売する買取り仕入と、委託された商品を販売する消化仕入があるが、現在は後者が中心となっている。出展企業は過剰在庫を安全かつ効率的に処分でき、会員小売店は格安な価格で一定の品質を満たした商品の仕入が可能となる。商品は全て同社の倉庫で検品した後に出荷される(商品の検品、小分け、発送は同社が行う)。出展企業と売上を折半し、同社は、決済手数料、配送料、検品・出荷コスト、商品保管スペースの賃料を負担する。
 
2.スーパーデリバリー 2002年2月サービス開始
アパレル、雑貨の新商品及び定番品を取扱っている。商品は出展企業から会員小売店に直送され、同社は代金決済を代行する。出展企業は、地方・中小小売店との取引上ネックだった決済機能、営業コスト、事務処理の手間を解消することが出来る。また、出展企業が許可した会員小売店にのみ卸値等の情報開示を行うため、ブランドイメージのコントロールが可能になっている。一方、会員小売店は多様な旬の商品の仕入が可能になる。同社は受注・出荷のデータ処理と決済のみを担当するため、「激安問屋」と比べ運営負担が少ない。債権回収リスクは同社が負うことになるが、信販・クレジット・保証会社を利用することでヘッジしている。小売店は月額2,000円の小売店会費を負担し、出展企業は月額4万円の出展基本料と「スーパーデリバリー」での取引金額の10%をシステム利用料として負担する。したがって商材売上高が増加するだけでなく、会員小売店数、出展企業数が増加することが同社の売上総利益増につながる。
 
2008年4月期決算<非連結>
 
<損益計算書サマリー>
 
 
売上高は前年比69.8%増となったが、これは主に経営指標(会員小売店数、出展企業数、掲載商材数)の向上による。売上総利益(額)も43.2%増となったが、同率は前年の22.2%から18.7%へ低下した。
これは相対的に会員向けや出展企業向け売上高(会費収入)の売上比率が低下したこと、
言い換えると粗利率の低い商品売上比率が上昇したことが主要因で、会社側でも、この粗利率低下はあまり気にしていないと述べている。

一方で「中期経営戦略」に従った費用(会員小売店獲得のための広告宣伝費、ユーザビリティ向上のためのシステム投資、大阪支社開設費用等)が増加したことから営業損益は赤字となった。会社側では、この結果は「中期経営戦略」に沿ったもの、計画の範囲内と見ており、四半期ベースでは利益は改善傾向にあることから前期の赤字は懸念していないとの事。
 
 
<貸借対照表サマリー>
 
 
流動資産:当期純損失計上により現預金が減少、取引増加伴い売掛金は増加
流動負債・固定負債:取引増による買掛金の増加、長短借入金の増加
純資産:赤字決算により利益剰余金の減少
 
<キャッシュ・フローサマリー>
 
 
営業活動によるキャッシュ・フロー:純損失の計上、取引拡大による仕入債務および売掛債権の増加
投資活動によるキャッシュ・フロー:ソフトウェアの開発および購入による無形固定資産の増加
財務活動によるキャッシュ・フロー:長短借入金による収入増

営業キャッシュ・フローは通年で2.7億円の赤字となったが、この内2.3億円が上半期のもので、下半期は大幅に改善している。
 
<スーパーデリバリー:SD>
 
商品売上高:      4,787百万円(前年比89.6%増)
会員小売店向け売上高: 165百万円(同56.9%増)
出店企業向け売上高:  177百万円(同73.8%増)

下表のように主要経営指標も順調に拡大している。ただし、小売店数、出展企業数は前年比では大幅増となっているが「中期経営戦略」の目標は下回った。一方で商材掲載数は目標を大きく上回り、売上げの増加に寄与した。
 
 
 
 
経営指標数値の向上に伴い四半期ベースの売上高も順調に拡大が続いている。例年、年末・年始商戦にかかる第3四半期(11月〜1月)の伸びが大きくなる一方、第4四半期の伸びは低くなる傾向がある。
粗利率は低下傾向にあったが、最近は横ばいになりつつある。
 
 
料金体系の変更から1年以上が経過し、出展基本料が安定的に売上げおよび利益へ貢献するようになってきた。
 
 
購入客数は順調に増加しているが、客単価は横ばい傾向。取扱商品は、平均単価が比較的低い衣類・雑貨等が多いので、客単価を短期間のうちにアップさせることは容易ではない。したがって売上げ増を図るには、リピート率の改善を中心に 客数を伸ばすことが重要な課題である。
 
 
新料金体系へ移行して1年以上が経過したが、出展企業数の増加により基本料金が増加、旧料金体系の水準を上回る水準になった。
 
<オンライン激安問屋:OG>
 
オンライン激安問屋は横ばい傾向だが、この部門は現状維持を目標としているので、計画の範囲内。

売上高     527,998千円(前年同期比11.6%減)
売上高総利益率   44.8% (07/4期  45.87%)
 
 
2009年4月期業績予想<非連結>
 
 
前期からの流れを受け、今期は上表のように黒字転換を予想しているが、当初の中期経営戦略の計画からは若干下方修正している。会社側では、第1四半期から黒字を計上する計画だが、景気変動の影響も受けやすいので、出足の状況に注目する必要がありそうだ。
 
 
 
 
取材を終えて
企業間取引は、消費者向け取引と比べて取引の反復性・継続性が高いため、新規顧客の獲得が中長期的に同社の事業規模の拡大につながる。このため、「当面の業績に目を瞑り、積極的に新規顧客(会員小売店)獲得活動を展開していこう」と言う中期経営戦略を発表してから3年目に入った。過去2年間の赤字はこの計画に沿ったものであったので許容範囲とも言えるが、今年度は黒字定着を目指しており、予想を達成出来るかが正念場となる。過去の経緯から同社の業績予想に懐疑的な投資家は多い。それを払拭するためにも黒字化定着は最低限の課題である。その可能性は高いと思われるが、それを検証するうえでも第1四半期の動向は要注目である。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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