ブリッジレポート
(4282:東証1部) イーピーエス 企業HP
厳 浩 社長
厳 浩 社長

【ブリッジレポート vol.17】2008年9月期中間決算業績レポート
取材概要「製薬会社の研究開発費の増加が続いている事に加え、アウトソーシング活用の流れもあり、CRO市場の拡大が続いている。また、一時は競争激化で苦・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年7月15日掲載
企業基本情報
企業名
イーピーエス株式会社
社長
厳 浩
所在地
東京都文京区後楽 2-3-19
事業内容
CRO事業を中心に、SMO事業、非臨床試験事業、ソフトウェア開発事業を展開
決算期
9月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年9月 17,980 2,980 3,042 1,384
2006年9月 15,257 1,958 1,979 1,079
2005年9月 13,004 1,793 1,811 1,126
2004年9月 10,926 1,411 1,465 766
2003年9月 8,935 1,178 1,153 571
2002年9月 5,971 732 788 444
2001年9月 4,321 532 551 233
2000年9月 3,039 493 514 261
1999年9月 1,908 246 295 127
株式情報(6/23現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
482,000円 89,398株 43,090百万円 16.9% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
5,000円 1.0% 19,079.46円 25.3倍 103,668.79円 4.6倍
※株価は6/23終値。発行済株式数は直近中間期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
イーピーエスの2008年9月期中間決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
臨床試験(注.1)に関連して製薬会社を支援するCRO(Contract Research Organization)事業、医療機関を支援するSMO(Site Management Organization)事業、非臨床事業、及びソフトウエア開発事業を、グループで手掛けている。

(注.1)人に対する薬の安全性や効果を調べるために行われる試験を一般に「臨床試験」と呼ぶが、このうち、新しい薬を発売するため厚生労働省から承認を得るために行う試験を「治験」と呼び他の臨床試験と区別している。
 
<事業内容>
事業は、CRO事業(売上構成比69.4%)、SMO事業(同17.1%)、非臨床事業(同5.9%)、ソフトウェア開発事業(同7.6%)に分かれる(構成比は2008年9月期中間決算)。
 
 
2008年9月期中間決算
 
 
前年同期比23.6%の増収、同31.4%の経常増益。
事業セグメント別では、主力のCRO事業が同26.9%の増収、同22.6%の営業増益。臨床試験の状況をチェックするモニタリング、臨床試験のデータ処理を行うデータマネジメントなど主要業務が順調に推移した。SMO事業は同14.5%の増収、同46.3%の営業増益。受注拡大に加え、支店別管理強化等により収益性も向上した。非臨床事業は同5.1%の減収、同64.5%の営業減益。顧客都合による研究用動物の出荷の後ズレが響いた。ソフトウェア開発事業は同40.3%の増収、同165.3%の営業増益。金融機関、大手企業向け基幹システムの構築でNTTデータや日立ソフトからの受注が増加した。
 
<グループ各社の状況>
 
EPS
CRO事業において、モニタリング事業が大きく伸びた事に加え、データマネジメントも堅調に推移。また、規模は小さいものの、今後の成長期待が大きい医療機器開発部門も伸張した。
 
EPSインターナショナル(EPS-Int'l G)
台湾支店において共同受託できる体制を整備する等、多国間(特にアジア)に渡る臨床試験に係るCRO業務の需要増加に対応する体制整備を進めた。
 
イートライアル(E-trial)
EDC業務が軌道に乗り新規案件が増加、売上・利益共に増加。期初計画を超過した。
 
イーピーメイト(EP-Mate)
売上が伸びたものの、経常利益が計画未達となり利益確保に課題を残した。
 
イーピーメディカル(EP-Medical)
MR派遣等サービス(CSO業務)が順調に拡大。前期に受注した大型案件が進捗した他、派遣MRの増員効果もあり新規受注が増加した。
 
イーピーミント(EP-Mint)
地域医療機関との提携による臨床試験事務局等のサイトサポート業務を中心に営業展開。受注拡大に加え、支店別管理強化等により収益性も向上した。
 
エルエスジー グループ(LSG G)
顧客の都合により、予定していた研究用動物の出荷が下期への後ズレした事が響いた。
 
オーライソフトウェア グループ(ASR G)
金融機関、大手企業向け基幹システムの構築でNTTデータや日立ソフトからの受注が増加した。
 
 
<セグメント別売上高>
 
<受注実績>
 
3月末までに契約に至らなかった案件があり、受注が前年同期比2.4%の増加にとどまったものの、契約を締結した4月、5月の受注は前年同月比で概ね50%増加した。
 
2008年9月期業績予想
 
 
 
前期比20.1%の増収、同15.9%の経営増益予想。
CRO事業を中心に下期も順調に推移する見込み。ただ、4月に60名の新卒社員が入社したため、人件費及び教育費負担が増加するとして、下期の営業利益率が上期比で0.4ポイント程度低下するとみている。このため、通期の利益の伸びは上期の伸びを下回る見込み。

尚、5月9日、システム開発やソフトウェア開発等の情報サービスを提供するSJホールディングス(2315)との資本・業務提携を発表した。SJ ホールディングスは、独自の「日中分散開発モデル」を構築すると共に、日本で培ったIT ビジネスのノウハウを活かして積極的に中国でのビジネスを展開し、中国国内の金融、情報通信、電力、石油化学といった主力業界を中心に顧客開拓に成功している。今後、SJ ホールディングスグループが持つ優れたシステム開発能力と中国でのビジネスノウハウ、経営資源を活用して、イーピーエスのアジア展開と情報システムの強化及び合理化を図る考え。また、イーピーエスが有する医薬・医療に関する専門的な市場・人材資源及びマーケティングノウハウと、SJ ホールディングスが有するIT 技術資源を結合する事により、医薬・医療業界における新市場・新規ビジネスの創出にも取り組んでいく。
 
<会社別予想>
 
EPSの個別業績は、前期比18.6%の増収、同13.6の経常増益予想。利益体質への転換が課題であった大阪データマネジメント業務が通期で黒字化する見込み。
 
今後の事業展開
 
<新3ヵ年計画>
同社では2010年のCRO・SMOの市場規模を2,000億円と想定しており、10/9期にマーケットシェア15%以上、売上高300億円、経常利益45.5億円の達成を量的目標として掲げている。また、質的目標として、クライアント指向、ビジネス指向、人間指向を掲げており、名実共に業界のリーディングカンパニーとなり、CRO・SMO業界が医薬(療)産業のインフラとしてのステータスを確立するべく取り組んでいく考え。
 
(1)2010年9月期計画
連結
売上高及び経常利益
売上高 300億円
経常利益 45.5億円
市場シェア 15%
セグメント別売上高
CRO(国内) 170億円
CRO(海外) 15億円
SMO 55億円
非臨床 15億円
システム開発 30億円
人材サービス 25億円
単体
売上高及び経常利益
売上高 170億円
経常利益 28億円
市場シェア 15%
部門別売上高
CD(データマネジメント)部門 90億円
BM(モニタリング)部門 62億円
CC(市販後臨床)部門 18億円
 
 
 
海外展開
 
新3ヵ年計画の達成の原動力として期待されるのが、海外展開である。このため、アジアンスタディを視野に入れたCRO展開と国内で海外をつなぐITネットワークの強化に加え、中国での創薬ビジネスの展開、更には中国でのCROやIT事業の本格化に向けた中国本部の開設に取り組んでいく。
 
(1)CRO
日本とアジアでの治験の同時実施に対応するため、アジアのCRO市場の開拓に取り組む。戦略子会社であるEPSインターナショナルが事業の中核となり、その傘下にある上海日新医薬発展有限公司、EPSシンガポール、ADM Korea Inc.(出資比率35%)がそれぞれの地域で事業を進めている他、台湾に支店を開設した。
10/9期に売上高15億円の達成を目標としている。
 
 
(2)IT
オーライソフトウェア グループが展開するシステム開発は、現状では他の事業との相乗効果が少ないものの、ビジネスモデルに類似性があるうえ、業界全体でも15%と言われている成長力が魅力である。また、中期的にはアジアンスタディの始動により、国内外の拠点を結ぶコンピュータネットワークの重要性が高まる。
 
 
(3)創薬ビジネス
日本で開発された薬の中国販売を進めていく。具体的には、日本の製薬会社、バイオベンチャー、研究機関からのライセンスを取得し、中国でのライセンス登録を行い、開発権や販売権を導出する。先ず、小さな商品でビジネスモデルを確立し、その後、事業を拡大させていく考えで、先ずはライセンスの提供元の開拓に取り組む。
 
(4)中国本部構想
CRO事業及びIT事業の中国での拡大と新たな事業を育成するべく、蘇州(中国・江蘇省)に中国本部を設置する予定。蘇州は、上海近郊に位置する人口800万人の都市。海外企業の誘導で実績があり、ソフト産業の育成等でも成果を上げている。データマネジメントの拠点を開設し、本社業務との相乗効果を追求する。
 
取材を終えて
製薬会社の研究開発費の増加が続いている事に加え、アウトソーシング活用の流れもあり、CRO市場の拡大が続いている。また、一時は競争激化で苦戦したSMOも、製薬会社が臨床試験の「質」を重視するようになり、実績のある大手に発注するケースが増えてきた。このため、CRO・SMOを中心に来期以降も堅調な業績が見込まれる。
中長期的には、需要の一部が海外へ流出する可能性があるが、人材育成などアジアでの体制整備が進めば、日本での開発支援の実績が豊富な同社に対する製薬会社のニーズは今以上に高まるものと考える。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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コメント

臨床試験や治験は必要不可欠なものであるので株式の投資対象として考えるのはいいと思う。
開発に資金がかかるが一つ成功すると利益率も高いと思う。ただ人の命に関連することなので難しい面も。

中国や台湾のアジアに目を向けて事業を展開していくことも足組みを作ってやっていって欲しいけれどまずは国内に基盤を置いてほしい。

投稿者 S.K. : 2008年08月04日 14:36

中間期で23.6%の増収、31.4%の経常増益と主力のCRO事業が順調に推移しており、今後益々市場の拡大と共に業績の伸長が予想される。

ソフトウェア開発事業も基幹システムの構築により、NTTデータや日立ソフトからの受注が増加しており、高く期待できます。

更にSJホールディングスとの資本・業務提携による中国での医薬・医療業界への新規ビジネス展開にも拍車が掛かるものと思われます。

経験・信頼・実績が特に重視される業界にあって、同社に対する製薬会社の期待と要望は今後益々高まっていくはずです。

短期の投資よりも、中・長期の投資を考えれば非常に魅力的な事業内容です。

投稿者 Y.K. : 2008年08月04日 14:36

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